10月22日の菊花賞をもって、三冠レースが終了しました。牡馬は異なる3頭が三冠を分け合ったのに対し、牝馬はリバティアイランドの独壇場。ただ、これら4頭はいずれも勝ちっぷりが素晴らしく、古馬との対決が楽しみになる内容でした。

ところで……

9月2日、小倉2歳Sと新潟記念の予想コラムで「夏競馬の条件戦を勝利し、今後も活躍が期待できそうな注目の3歳馬」と題して、5頭を取り上げました。そして、5頭ともがその後レースに出走したので、ここで振り返ろうと思います。


・ドゥレッツァ　8月19日　日本海S（新潟芝2200ｍ、3勝クラス）1着→10月22日　菊花賞（京都芝3000ｍ　GI）1着

当時、5頭の中で最初に取り上げたのがドゥレッツァ。どうだ！といいたいところですが、そのときの見解をよくよく読んでみると……

「母父は米国の種牡馬モアザンレディ。母モアザンセイクリッドが、現役時、長距離である程度の実績を残したとはいえ、キングカメハメハ系種牡馬は母父の特徴を出す傾向にあり、菊花賞は少し長いのではないかとみています。（中略）
今後ドゥレッツァが2000ｍから2400ｍのレースに出走してきた時は注目。気の早い話ですが、もし来年の宝塚記念に出走が叶えば狙ってみたい存在で、ダートに矛先を変えてきた際も注目の一頭です。」

『？？』

まったく的外れなことを書いていますね。

ご存知のとおり、ドゥレッツァは単に菊花賞を制しただけではなく、2着タスティエーラに3馬身1/2差。3着ソールオリエンスには、さらに1馬身1/2という、決定的な差をつけて圧勝しました。

ある意味これは予想を外すよりも恥ずかしく、しかも菊花賞ではデータ面で推す材料がなくノーマークに。穴があったら入りたいとは、まさにこのことですね。

来年の宝塚記念で注目、という点に関してはもちろんですが、それよりもはるかに天皇賞（春）のほうが期待できそう。どこまで連勝を伸ばすかにも注目です。


・ナイトインロンドン　7月30日　阿寒湖特別（札幌芝2600ｍ、2勝クラス）1着→9月24日　神戸新聞杯（阪神芝2400ｍ、GII）11着→10月22日　菊花賞（京都芝3000ｍ　GI）8着

2頭目に取り上げたのが、阿寒湖特別1着から神戸新聞杯。そして、ドゥレッツァと同様に菊花賞へと駒を進めたナイトインロンドンです。

阿寒湖特別といえば、2勝クラスの条件戦ながらステイゴールドやファインモーションなど、活躍馬を輩出してきたレース。さらに、2001年の勝ち馬マンハッタンカフェは、セントライト記念4着から菊花賞と有馬記念を連勝。翌年の天皇賞（春）も勝利しました。

ナイトインロンドンは、神戸新聞杯がやや期待外れの凡走。本番も8着に敗れてしまいましたが、2度目の坂の上りと4コーナーで前が詰まり、ポジションを下げたのが敗因。それでも、直線は最後方から末脚を伸ばし、十分に見せ場を作りました。

スローからの瞬発力勝負よりも、持久力勝負で持ち味が出る馬。ズブい馬でジョッキーにとっては大変かと思いますが、追える和田竜二騎手とのコンビもお似合いだと思います。

まだ3勝クラスに出走できるため、次走が12月10日の阪神オリオンSか、12月23日の中山グレイトフルSであれば注目。現役では数少ない「母父メジロマックイーン」として、なんとか重賞タイトルを手にして欲しい1頭です。

以上、夏の条件戦を勝利した注目の3歳馬のうち、2頭のその後を振り返りました。残り3頭については、明日掲載予定のみやこSのコラムで振り返ります。

ということで、ここからは予想に。

今回は、ファンタジーSの過去5年を深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、そこから軸馬を見つけます。

（1）乗り替わりの有無
（2）前走着差
（3）前走馬番
（4）前走距離
（5）前走場所
（6）前走の馬場状態
（7）前走馬体重
（8）生月
（9）前走頭数
（10）騎手の東西別成績

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記10項目。ちょっと多くなりすぎました……。その中で、（1）は乗り替わりの有無です。
好走率や回収率などのあらゆる指標で、継続騎乗組が乗り替わり組を上回っている近年のファンタジーS。継続騎乗組の中でも、キャリア2戦以下。かつ、前走7番人気以内だった馬は［3-4-3-8/18］。勝率16.7％、複勝率55.6％。単勝回収率415％、複勝回収率168％。該当馬の半数以上が好走していました。

（2）は、前走着差について。
2歳重賞だけに、前走1着馬が出走馬の大半を占める当レース。ただ、前走負けすぎた馬はもちろん、圧勝した馬もなぜか成績は今ひとつ。具体的には、前走2着に0秒6以内の差をつけて勝ったか、勝ち馬から0秒1差以内の惜敗。なおかつ、国内のセリで取引された馬が［3-2-2-5/12］。勝率25.0％、複勝率58.3％。単勝回収率622％、複勝回収率191％。好走率は6割に迫ります。

（3）は、前走馬番。
昨年のリバーラの激走で単穴は出ているものの、前走馬番が1から4番だった馬の好走率が低い近年のファンタジーS。
一方、前走馬番が5から18番。かつ前走中央場所のレースに出走した馬は［3-1-3-4/11］。勝率27.3％、複勝率63.6％。単勝回収率171％、複勝回収率138％。好走率は、6割を超えていました。

続いて、（4）は前走の距離です。
ファンタジーSは、前走から距離短縮で臨む馬が優勢。その中でも、ロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒は［2-2-3-3/10］。勝率20.0％、複勝率70.0％。単勝回収率53％、複勝回収率165％と、凄まじい成績でした。

（5）は、前走場所について。
関西でおこなわれるファンタジーですが、前走に関しては東開催のレース（福島、新潟、中山、東京）に出走した馬が強さを発揮しています。その中でも、前走4コーナーで4番手以内に位置していた馬は［2-2-1-5/10］。勝率20.0％、複勝率50.0％。単勝回収率745％、複勝回収率163％。かなりの好成績でした。

折り返しの（6）は前走の馬場状態です。
どういうわけか、前走芝・稍重のレースに出走した馬が好成績を収めている当レース。［2-1-2-5/10］で、勝率20.0％、複勝率50.0％。単勝回収率843％、複勝回収率213％。該当馬の半数が好走していました。

（7）は、前走の馬体重。
ピンポイントにはなるものの、前走馬体重が460kg以上、480kg以下だった馬の好走率がやたらと高いファンタジーS。その中でも、前走上がりが3位以内だと［3-1-3-2/9］。勝率33.3％、複勝率77.8％。単勝回収率86％、複勝回収率127％。超抜の成績でした。

次は（8）。生月について。
1、3月生まれが強い当レースですが、今年1月生まれの出走はなし。一方、3月生まれで今回偶数番を引いた馬は［2-3-0-3/8］。勝率25.0％、複勝率62.5％。単勝回収率1053％、複勝回収率247％。サンプルは多くないものの、素晴らしい成績でした。

終わりが見えてきた（9）は前走の頭数。
前走17頭立て以上のレースに出走した馬が好成績を収めているファンタジーS。［2-1-1-4/8］で、勝率25.0％、複勝率50.0％。単勝回収率1053％、複勝回収率232％。該当馬の半数が好走。

一方、どういうわけか前走9頭立てのレースに出走した馬も好調で［1-2-1-3/7］。勝率14.3％、複勝率57.1％。単勝回収率21％、複勝回収率138％。サンプルは少ないものの、該当馬の半数以上が好走していました。

そして最後は（10）。騎手の東西別成績です。
関西でおこなわれるレースだけあり、栗東所属騎手に比べて圧倒的に騎乗数が少ない美浦所属騎手。それでも、しっかりと結果を残しており［1-3-0-3/7］。勝率14.3％、複勝率57.1％。単勝回収率1010％、複勝回収率248％。これまたリバーラの激走が効いているものの、無視できない指標です。

これらの10項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎7　 セントメモリーズ
○8　 テラメリタ
▲4　 ヒヒーン
☆6　 カルチャーデイ
△15　バロン
△14　シュークリーム
△5　 クイックバイオ
△12　レディーエンジェル
△11　シカゴスティング
△17　キャンシーエンゼル
△10　イツモニコニコ
△18　クリノハレルヤ
△16　ワイドラトゥール
△3　 ピューロマジック

【買い目】

・単勝　7
・馬単マルチ　7＝4、5、6、8、12、14、15　計14点
・ワイド　7→3、4、5、6、8、10、11、12、14、15、16、17、18　計13点
・3連複軸1頭ながし　7→4、6、8、14、15　計10点

本命は、4項目に合致したセントメモリーズ。以下、3項目に合致したテラメリタ、ヒヒーン、カルチャーデイなど、かなり幅広く印を打ちました。

前走のききょうSで、クイックバイオに僅かに後れをとったセントメモリーズ。ただ、直線の短い阪神の内回りコースで、道中は最後方。エンジンがかかるのにも少し時間がかかりましたが、残り50ｍで一気に末脚を伸ばし0秒1差2着なら上々の内容です。

2戦連続で上がり最速をマークし、しまいは確実。直線の長い京都外回りに替わり、この馬の良さが十分に活きるのではないでしょうか。

馬券は、セントメモリーズの単勝と、印を打った全馬へのワイド。馬単マルチに関してはすべて買うと点数が多すぎるので、2項目以上に合致した5頭と、1項目合致の8頭から独断でクイックバイオとレディーエンジェルをチョイスし、計7頭へ。そして、2項目以上に合致した5頭への3連複軸1頭ながしも買います。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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