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競馬サロン

齋藤翔人

2023/10/20 19:00

【富士S】 不完全燃焼に終わった春の借りを返すかナミュール マジックマンに導かれ、府中の直線を突き抜けろ!

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土曜東京のメインは富士S。1着馬にマイルCSの優先出走権が与えられるレースです。

富士Sはかつて、ジャパンカップに出走する招待馬や帯同馬、さらに代表候補の地方所属馬が出走できる「国際招待競走」としておこなわれていた芝1800mのオープン競走が前身。1984年に「富士ステークス」と名付けられました。

その後、1400mに短縮されてスプリンターズSの前哨戦となり、翌98年から重賞に格付け。初年度の勝ち馬エアジハードは、翌年の春秋マイルGIを統一しました。

さらに、2020年からGIIに昇格すると、レースレベルは飛躍的に向上。直近2年の勝ち馬ソングラインとセリフォスは後にGIを制し、2頭は今年の安田記念でワンツーをきめています。

今や、マイル路線の未来を占うといっても過言ではない富士S。早速、予想に入りたいところですが、まずは先週の振り返りをします。

ある意味、「無事」に三冠が達成された秋華賞を振り返ろうか……。かなり迷いましたが、14日におこなわれた府中牝馬Sを取り上げたいと思います。

勝ったのは、1番人気の5歳馬ディヴィーナ。8度目の重賞挑戦で、ついにタイトルを獲得しました。

レースは、そのディヴィーナがやや引っ掛かりながらも逃げる展開。3ハロン目から2番手以下との差が徐々に広がりはじめ、中間点で5馬身ほどのリードとなりました。

一方、他の上位人気馬、プレサージュリフト、シンリョクカ、ルージュエヴァイユは、中団よりも後方に位置。ただ、大逃げのような格好となったディヴィーナが刻むペースは、600m通過35秒9。800m通過48秒0とかなり遅く、さらに、3、4コーナー中間でリードは7馬身近くに拡大。4コーナーでもその差はほとんど変わらないまま、直線勝負を迎えました。

こうなると、ラストは瞬発力勝負。2番手以下から差を詰めてきたのはアンドヴァラナウトとルージュの2頭で、残り200mを切ってからは、ここにライラックとフィアスプライドも加わってきました。

その中で、ひときわ鋭い決め手を発揮したのがルージュエヴァイユ。前との差を一完歩ごとに詰めると、逃げ込みを図るディヴィーナに馬体を併せたところがゴール。かなり際どい態勢になったものの、ハナ差先着していたのはディヴィーナで、ルージュエヴァイユは東京芝1800mの重賞で2戦連続の2着。そしてクビ差3着には、エリザベス女王杯2着の実績があるライラックが続きました。

勝ったディヴィーナは、これが8度目の挑戦で重賞初制覇。前半はやや引っ掛かったものの、スローの逃げに持ち込むことができました。展開面の恩恵が大きかったことは否めませんが、まず1つタイトルを獲得できたことは良かったと思います。

次走はエリザベス女王杯とのことで、400mの距離延長や、あまり結果が出ていない右回りに変わることなど、決して課題は少なくありません。ただ、父モーリスが晩成タイプだったように、この馬自身、3走前から良い競馬が続いています。

また、コースは異なるものの、昨年のエリザベス女王杯を制したのがジェラルディーナで、その母ジェンティルドンナと現役時代ライバルだったのが、ディヴィーナの母ヴィルシーナです。
奇しくもディヴィーナとジェラルディーナはともにモーリス産駒で、母の父がディープインパクトという共通点があります。前述したように、右回りや距離延長が懸念され、本番で大きく人気を落とすようであれば、あえてディヴィーナを狙うという選択肢もあるかもしれません。

一方、本当に残念だったのが、レース中に左第1指関節脱臼を発症したストーリアが、予後不良になってしまったことです。

今回、対抗評価にしたストーリアは、秋華賞や中山牝馬Sで本命を打った馬。3走前と2走前は結果が出ていなかったものの、前走の関越Sを快勝。この日もパドックの外目をキビキビと歩くなど調子も良さそうで、本格化を思わせるような気配でした。

リオンディーズの代表産駒になる可能性や、厩舎の先輩デアリングタクトに次ぐ活躍を期待しており、せめて繁殖の道だけはと思っていましたが、非常に残念な結果となってしまいました。

ストーリア号のご冥福をお祈りいたします。


それでは予想に。

今回は、富士Sの過去5年を深掘り調査。好走傾向から重視できそうな指標を探し、本命馬を見つけ出します。

(1)前走間隔
(2)騎手の東西別成績
(3)前走頭数
(4)前走距離
(5)前走上がり
(6)生産牧場
(7)性別
(8)種牡馬

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記8項目。その中で、(1)は前走からの間隔です。
前走間隔が、中9週から24週の馬が好走している富士S。そのうち、2から4月生まれ。かつ、前走3コーナーで7番手以下に位置していた馬は[3-2-3-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率78%、複勝回収率124%。該当馬の半数以上が好走していました。

次は(2)。騎手の東西別成績です。
近年の富士Sは、栗東所属騎手(ルメール、M.デムーロ騎手含む)、もしくは外国人騎手騎乗馬が、美浦所属騎手騎乗馬の成績を大きく上回っており、その中でも、前走東京か新潟のレースで9番人気以内だった馬は[4-3-3-5/15]。勝率26.7%、複勝率66.7%。単勝回収率114%、複勝回収率132%。7割近い好走率でした。

(3)は前走頭数。
前走18頭立てのレースに出走していた馬が好調な富士S。とりわけ、前走時馬体重が増減なしか馬体増。なおかつ、前走時の馬体重が500kg未満だった馬は[3-2-4-5/14]。勝率21.4%、複勝率64.3%。単勝回収率78%、複勝回収率137%。(2)に匹敵するレベルの好成績でした。

(4)は、前走距離について。
(3)とやや重なりますが、富士Sは前走1600mのGIに出走した馬が好調で[3-2-3-5/13]。勝率23.1%、複勝率61.5%。単勝回収率102%、複勝回収率115%。これまた好走率は6割を超えています。

折り返しの(5)は、前走上がりです。
東京競馬場でおこなわれる重賞だけに、速い上がりを使えるかどうかは重要な要素。具体的には、前走上がり5位以内の馬が、今回5から8枠に入ると[2-3-3-3/11]。勝率18.2%、複勝率72.7%。単勝回収率64%、複勝回収率166%。好走率は7割を超えていました。

続いて、(6)は生産牧場。
毎週のように取り上げているノーザンファームの生産馬。同場生産馬の中でも、前走1枠から5枠に入っていた4、5歳馬は[2-1-2-4/9]。勝率22.2%、複勝率55.6%。単勝回収率103%、複勝回収率123%。該当馬の半数以上が好走しています。

(7)は、性別について。
3着内率が50%と、牝馬優勢の当レース。その中でも、前走から斤量が増える、もしくは減る牝馬は[2-1-2-1/6]。勝率33.3%、複勝率83.3%。単勝回収率145%、複勝回収率170%。サンプルは少ないものの、好走率は8割を超えていました。

そして最後は(8)。種牡馬。
富士Sはディープインパクト産駒の好走率が高く、牝馬と同じく3着内率は50%。その中でも、前走から乗り替わりとなるディープインパクト産駒は[1-1-2-2/6]。勝率16.7%、複勝率66.7%。単勝回収率103%、複勝回収率161%と、素晴らしい成績を収めていました。

これら8つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎6  ナミュール
○3  エターナルタイム
▲9  レッドモンレーヴ
☆7  イルーシヴパンサー
△10 キラーアビリティ
△8  タイムトゥヘヴン
△11 ダノンタッチダウン
△2  マテンロウオリオン


【買い目】

・馬単マルチ 6=2、3、7、8、9、10、11 計14点
・ワイド 6→2、3、7、8、9、10、11 計7点
・3連複軸1頭ながし 6→2、3、7、8、9、10、11 計21点


本命は、4項目に合致したナミュール。以下、2項目以上合致の7頭に印を打ちました。

春のGI2戦で結果が出なかったナミュール。ただ敗因は明確で、ヴィクトリアマイルでは発走後まもなく挟まれ、続く安田記念も直線で進路をカットされるなど、不完全燃焼に終わりました(2レースとも、対象騎手には過怠金が課されています)。

今回もメンバーが揃ったとはいえ、GI連対の実績は上位。さらに「マジックマン」ことジョアン・モレイラ騎手を鞍上に迎えるなど必勝態勢で、春2戦に比べて頭数も大幅に減るため、不利を受ける確率はかなり減りました。後の二冠牝馬スターズオンアースを破った舞台で、直線力強く抜け出してくれることを願っています。

馬券は、ナミュールからの馬単マルチとワイド。さらに、3連複軸1頭ながしを購入。ただ、上位人気は間違いなさそうなだけに、均等買いするとトリガミになる目もありそうです。

一方、なんとなく気になるのが、先週の府中牝馬Sで本命にしたプレサージュリフトと共通項が多い点。2頭はともにハービンジャー産駒の牝馬で、同馬もまたスタートと直線で不利を受け5着と敗れてしまいましたが、5枠6番でなおかつノーザンファームの生産馬であることなど、他にも重なる部分が複数あります。

厩舎も騎手も異なるナミュールにとってはまるで関係のない話……。ではありますが、それこそ不完全燃焼に終わったプレサージュリフトの分も快走を期待します。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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