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2023/09/26 17:30

【スプリンターズS(GI)攻略データコラム】今走の枠と前走の枠に興味深い傾向を発見!

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スプリンターズS(GI) 3歳上 定量 中山芝1200m

※過去10年のレースデータを基に分析するが、2014年は新潟で施行されたので、コース適性に即した項目は新潟開催を除外した過去9年のデータを使用する。

■人気
・1番人気/【5.0.1.4】
 勝率50.0% 複勝率60.0%
・2番人気/【1.4.0.5】
 勝率10.0% 複勝率50.0%
・3番人気/【2.2.0.6】
 勝率20.0% 複勝率40.0%
・4-6番人気/【0.1.2.27】
 勝率0.0% 複勝率10.0%
・7-9番人気/【1.1.3.25】
 勝率3.3% 複勝率16.7%
・10番人気以下/【1.2.4.64】
 勝率1.4% 複勝率9.9%

1番人気は最多の5勝を挙げる反面、昨年の1番人気メイケイエールが14着に敗れたようにフタ桁着順の大敗が3回もある。

そこで1番人気をさらに精査すると、勝った5頭はすべてGIウイナー。一方、敗れた5頭のうち3頭はGI未勝利馬だった。今年出走のGI馬、ピクシーナイト、ナランフレグ、ドルチェモアはいずれも1番人気にはならなさそう。データ的に、今年の1番人気馬は危険信号が点る。

2番人気は勝ち鞍はひとつながら、連対率50.0%は悪くない成績。北九州記念組で2番人気に推された3頭がすべて着外に敗れているので、それ以外の組が2番人気になれば信頼してもいいかもしれない。

3番人気は2勝2着2回で、人気なりといった成績。

4-6番人気は勝ち馬を出せておらず、好走率も芳しくない。それならば7-9番人気のほうが勝ち鞍があるし好走率も上なので、狙うならこちらだ。

フタ桁人気からも勝ち馬が出ており、2、3着馬も複数送り出している。上位人気がやや不安定なので、ここは思い切って大穴狙いもアリだ。

なお前走の人気にも傾向がある。前走が4番人気以内だと【9.9.5.69】勝率9.8%、複勝率25.0%に対し、前走が5番人気以下だと【1.1.5.62】勝率1.4%、複勝率10.1%。つまり、前走4番人気以内の馬が好走馬のほとんどを占めていたのだ。

各前哨戦の好走馬が集結する王者決定戦なのだから、前走で高評価されていた馬が好走するのは当然ではある。それでも前走人気で凡走した馬や、逆に前走低評価で好走した馬も多数いるので、ひとつの判断材料にはなるかもしれない。

■年齢・性別
◎年齢
・3歳/【1.2.1.15】
 勝率5.3% 複勝率21.1%
・4歳/【2.3.4.18】
 勝率7.4% 複勝率33.3%
・5歳/【3.4.1.39】
 勝率6.4% 複勝率17.0%
・6歳/【3.0.3.28】
 勝率8.8% 複勝率17.6%
・7歳/【1.1.1.23】
 勝率3.8% 複勝率11.5%
・8歳以上/【0.0.0.8】
 勝率0.0% 複勝率0.0%

◎性別
・牡・セン/【8.5.5.88】
 勝率7.5% 複勝率17.0%
・牝/【2.5.5.43】
 勝率3.6% 複勝率21.8%

複勝率1位は4歳、2位は3歳で、好走確率という点では若い馬が優勢。

とはいえ、5歳と6歳はともに最多の3勝を挙げているし、2、3着にも複数好走している。また7歳は好走馬3頭ながら、すべて人気薄での激走だった。

8歳以上になるとさすがに好走馬は出ていないうえ、今年は8歳以上の参戦はない。したがって、年齢はあまり気にする必要はないだろう。

性別については、勝率は牡馬が、複勝率は牝馬が、それぞれ上。いずれもそこまで大きな開きもないので、性別も有利不利はなさそうだ。

■厩舎・騎手東西比較
◎厩舎
・美浦/【5.2.3.25】
 勝率14.3% 複勝率28.6%
・栗東/【5.8.7.103】
 勝率4.1% 複勝率16.3%

◎騎手
・美浦/【2.1.5.48】
 勝率3.6% 複勝率14.3%
・栗東/【8.9.5.79】
 勝率7.9% 複勝率21.8%

厩舎の東西別成績を見ると、勝ち星は5勝ずつと五分ながら、出走頭数が少ない分、好走率は勝率・複勝率ともに関東馬が関西馬を上回っている。回収率も13番人気で優勝した2014年スノードラゴンが引き上げている面があるとはいえ、単勝は182%、複勝は113%をマークしている。

関東馬優勢なら、騎手も関東騎手が…と思いきや、ジョッキーは関西が8勝と大きく勝ち越し、好走率も関東を上回っている。

なぜそうなるかといえば、それはもちろん関東馬に乗った関西騎手が活躍しているため。関東馬5勝のうち4勝までが関西騎手の手綱。さらにその4勝はC.ルメール騎手とM.デムーロ騎手の2勝ずつで、外国人名手によるものだった。

今年は両外国人が関東馬に乗るケースはなさそう。したがって、騎手の東西比較はあまり気にせず、関東馬の好走率が高いことだけ覚えておけばいいだろう。

☆関東馬⇒ウインマーベル、オールアットワンス、キミワクイーン、トウシンマカオ、ナランフレグ

■前走レース
・セントウルS/【5.4.2.42】
 勝率9.4% 複勝率20.8%
・安田記念/【2.1.1.6】
 勝率20.0% 複勝率40.0%
・キーンランドC/【1.1.4.37】
 勝率2.3% 複勝率14.0%
・北九州記念/【1.1.1.18】
 勝率4.8% 複勝率14.3%
・CBC賞/【1.0.0.2】
 勝率33.3% 複勝率33.3%
・アイビスSD/【0.0.0.3】
 勝率0.0% 複勝率0.0%

今年の登録馬の前走レースについて調べると、この10年でもっとも多くの好走馬を送り込んでいたのはセントウルSだった。好走率もわずかとはいえ全体平均(勝率6.2%、複勝率18.6%)を上回っており、今年も同組を中心視する必要があるだろう。

このセントウルS組の取捨は比較的簡単。好走馬11頭のうち8頭が前走2着以内。また好走馬11頭中9頭が前走3番人気以内。なお、これらの好走馬は本番ですべて連対しており、3着の該当馬ではなかった。

さらに着差を見ると、スプリンターズSで連対した9頭は、前走で勝つか、0秒2差以内の負けにとどまっていた。セントウルS4着から巻き返し優勝を果たした2015年ストレイトガールは着差ナシだったし、11番人気で2着に激走した2018年ラブカンプーも0秒2差の2着だった。

一方、同じセントウルS2着でも0秒5離された2019年ファンタジストは16着、0秒4差のファストフォースは10着と、いずれも大敗を喫している。

このようにセントウルS組は、前走で好走したり評価が高かった馬が本番でも好走するケースが多いのだ。

好走数はセントウルSに及ばないものの、好走率は勝率20.0%、複勝率40.0%とトップに立つのは安田記念組。前走クラス別に見ても、「GI>GII>GIII」と重賞格が高い順に好走率も高くなっており、前走GI組が強いレースなのである。

安田記念組は前走着順が悪くても巻き返すケースはあるのだが、勝った2頭は前走でも3着以内に好走。逆に、前走2着に好走していたのに、スプリンターズSで着外に敗れた2頭(2014年4着グランプリボス、2022年9着シュネルマイスター)は、どちらも1200m戦での好走経験がない馬だった。

一方、安田記念大敗から巻き返した2頭(2015年2着サクラゴスペル、2022年3着ナランフレグ)は1200m重賞での実績がある馬だった。

今年安田記念から臨むメイケイエールはそこで15着に惨敗したものの、1200m重賞は3勝とスプリント実績は申し分なし。巻き返しパターンにはまっている。

キーンランドC組の好走馬はすべて、前走勝つか負けても0秒3差以内。この着差が目安になる。

北九州記念組は逆に、好走馬はすべて前走3着以下。昨年の優勝馬・ジャンダルムなどは北九州記念17着からの大逆転劇だった。一方、連対馬は10頭出走して、全馬着外に敗れている。理由は不明ながら、真夏の小倉で好走すると反動が大きいのかもしれない。

CBC賞組は3例しかないので参考程度だが、勝ったレッドファルクスは前走勝利し、当日は3番人気の高評価。今年の同組・マッドクールは前走7着で、当日も上位人気は望めず、過去の好走例には当てはまらない。

アイビスSD組もサンプルが3頭だけ。そして好走馬はゼロだった。

☆前走セントウルSで2着以内か3番人気以内⇒アグリ、ジャングロ、テイエムスパーダ

☆前走キーンランドCで勝つか0秒3差以内⇒トウシンマカオ、ナムラクレア

☆北九州記念で3着以下⇒モズメイメイ

■枠
・1枠/【2.1.3.12】
 勝率11.1% 複勝率33.3%
・2枠/【1.2.1.14】
 勝率5.6% 複勝率22.2%
・3枠/【0.0.4.14】
 勝率0.0% 複勝率22.2%
・4枠/【3.3.0.12】
 勝率16.7% 複勝率33.3%
・5枠/【2.1.0.14】
 勝率11.8% 複勝率17.6%
・6枠/【0.1.0.17】
 勝率0.0% 複勝率5.6%
・7枠/【1.0.0.17】
 勝率5.6% 複勝率5.6%
・8枠/【0.1.1.16】
 勝率0.0% 複勝率11.1%

・1-4枠/【6.6.8.52】
 勝率8.3% 複勝率27.8%
 単勝回収率54% 複勝回収率122%
・5-8枠/【3.3.1.64】
 勝率4.2% 複勝率9.9%
 単勝回収率17% 複勝回収率31%

ここからはコースの形態や適性に依拠する項目になるので、新潟で開催された2014年を除く過去9年のデータから分析を進めたい。

まず枠別データを見ると、明らかに外枠が不利。6枠から外では勝ち馬が1頭しか出ていないのだから。

内外で大別しても、内寄りの1-4枠は勝率8.3%、複勝率27.8%とどちらも外寄りの5-8枠を大きく上回り、複勝回収率は122%とベタ買いで儲かる数字になっている。対して5-8枠の回収率は単複とも壊滅的だ。

馬番ベースで調べると、11番枠から外になるとガクンと成績が落ち、その成績は【1.2.1.50】勝率1.9%、複勝率7.4%という厳しいもの。

馬券になった4頭を見ても、2016年1着のレッドファルクスは翌年本レースを連覇した馬だし、同年2着のミッキーアイルもGI2勝で前走・高松宮記念を2着に走った実績馬。2021年2着のレシステンシアもGIウイナーであり、それくらい能力が高い馬でないと外枠から好走はできないのだ。

今開催の中山は特に外差しになっているわけでもなく、今年も内枠有利な馬場になる公算が強い。

■前走枠
・1枠/【0.0.0.10】
 勝率0.0% 複勝率0.0%
・2枠/【0.1.0.10】
 勝率0.0% 複勝率9.1%
・3枠/【1.2.0.17】
 勝率5.0% 複勝率15.0%
・4枠/【0.2.1.13】
 勝率0.0% 複勝率18.8%
・5枠/【1.0.3.15】
 勝率5.3% 複勝率21.1%
・6枠/【2.0.1.13】
 勝率12.5% 複勝率18.8%
・7枠/【2.2.2.13】
 勝率10.5% 複勝率31.6%
・8枠/【3.2.2.20】
 勝率11.1% 複勝率25.9%

・1-4枠/【1.5.1.50】
 勝率1.8% 複勝率12.3%
 単勝回収率5% 複勝回収率51%
・5-8枠/【8.4.8.66】
 勝率9.3% 複勝率23.3%
 単勝回収率56% 複勝回収率94%

今走の枠傾向以上に、前走の枠データに不思議で興味深い傾向を発見した。

それは今走は内枠有利なのに、前走だと内枠の馬が走っておらず、外枠に入っていた馬の成績がいいということ。前走1、2枠からは勝ち馬が出ていない一方、前走6、7、8枠からは複数の優勝馬が輩出しているのだ。

内外で大別すると、前走1-4枠だった馬は1着1頭で、勝率はなんと1.8%という体たらく。2着は5頭いるものの、複勝率は12.3%しかない。対して前走5-8枠は8勝を挙げ、勝率9.3%、複勝率23.3%と、いずれも1-4枠を大きく上回っている。

どうしてこのような極端な傾向が出るのか、明確な理由やメカニズムはわからず、偶然の可能性もあるだろう。

しかし、ひとつ関係のありそうなデータも見つけることができた。それは「前走1着馬」の前走枠順を調べると、1枠から3枠に入っていた馬が本番では一頭も馬券に絡めていなかったこと。

該当馬は7頭いて、この中には2016年1番人気12着のビッグアーサーや2015年2番人気13着のベルカントも含まれており、人気薄ばかりだったわけではない。さらにこの7頭はすべて、人気より着順を落としていたのだ。

ここから類推できるのは、前走内枠だった馬は有利な走りができた。レースは違えど、基本的に短距離戦は内枠が有利だからだ。だから内枠から勝った馬は楽に勝ててしまった分、次走GIの厳しい流れで戸惑ってしまった。

反対に、前走外枠だった馬は不利な走りを強いられたわけで、そこで厳しい競馬をしたことが、本番での好走につながったのではないか、と。

これが明確な根拠になるとも思わないので、前述の通り偶然のたまものなのかもしれない。それでも、結果的に「前走内枠は不利」という傾向は出ているので、頭の片隅に入れておいても悪くはないだろう。

■脚質・上がり順位
◎脚質別
・逃げ/【0.3.1.5】
 勝率0.0% 複勝率44.4%
・先行/【2.3.2.24】
 勝率6.5% 複勝率22.6%
・差し/【6.3.3.43】
 勝率10.9% 複勝率21.8%
・追込/【1.0.3.44】
 勝率2.1% 複勝率8.3%

◎上がり3Fタイム順位別
・1位/【1.0.2.7】
 勝率10.0% 複勝率30.0%
・2位/【3.0.2.9】
 勝率21.4% 複勝率35.7%
・3位/【2.1.0.2】
 勝率40.0% 複勝率60.0%
・4-5位/【1.3.1.21】
 勝率3.8% 複勝率19.2%
・6位以下/【2.5.4.76】
 勝率2.3% 複勝率12.6%

脚質別では、逃げ馬は好走率こそ44.4%と高いものの、1着はナシ。そして勝ち数・勝率ともにトップが差しという、少々意外な結果になっている。

差しが来ているのなら上がりの速さが求められるのかと思ったが、上がり1位・2位はそこまで成績がいいわけではない。好走率が高いのは上がり3位であり、4位以下からも多数の好走馬が出ている。

前項の内枠有利のデータを併せて考えると、スタート後は前の動きを見られる中団に構え、道中は無駄に外を通らずうまく立ち回った馬が、上位に入線していると推測することができる。

つまりテンのスピードや末脚の爆発力よりも、機動力のあるレースが上手な馬が好走していると言えるのだ。

ちなみにこの脚質・上がり順位の傾向は前走にもおいても同じような結果が出ている。多頭数のレースでもしっかり力を出せるような器用さと総合力を併せ持つ馬を狙いたい。

(text:hattori)

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