競馬サロン

2023/03/31 19:00
【ダービー卿チャレンジT】得意の中山マイルで1年前の再現を…… 今度こその重賞制覇を期待したいインダストリア
127そのドバイワールドカップデーには、26頭の日本調教馬が計6レースに出走。流れとしては、日本調教馬が出走する2レース目のUAEダービーで4着までを独占し、さあこれからという雰囲気になりましたが、ドバイゴールデンシャヒーンとドバイターフは連敗。一転して、重苦しい空気が漂いはじめました。
それでも、「準メイン」のドバイシーマクラシックで、イクイノックスが恐ろしいほどのパフォーマンスを発揮してこの空気を払拭すると、メインのドバイワールドCでは、ウシュバテソーロの胸のすくような追込みが炸裂。日本調教馬としては2頭目。ダートでおこなわれたレースとしては初めて、ドバイワールドCを制しました。
先行争いが激化したため展開面の恩恵は多少ありましたが、ドバイワールドCで後方一気が決まることはほとんどありません。しいて言うなら、出遅れながらも徐々にポジションを上げ、結果的に余裕の勝利を収めた2017年のアロゲートくらいでしょうか。
ウシュバテソーロに関していうと、スタートでダッシュがつかず、あっという間に他の14頭から引き離された最後方に。向正面に入るまでカメラに映らないほど、序盤は置かれてしまいました。
見ているこちらとしては、周りのスピードについていけないのかとハラハラするような展開でしたが、さすがは騎手大賞を受賞した川田将雅騎手。初コンビでもまったく焦らず馬のペースを尊重し、それが最後の伸びに繋がったことはいうまでもありません。本当に素晴らしい騎乗だったと思います。
ウシュバテソーロは、父がオルフェーヴル。この勝利により、ダートのドバイワールドCと、ダートの本場ブリーダーズCディスタフの勝ち馬を輩出したことになります。現役時、ダート戦に出走したことがなかったオルフェーヴルからこういった産駒が出てくるのもまた、血統の面白いところといえるでしょう。
一方、母の父はキングカメハメハで、ご存知のとおり、同産駒は芝ダートの双方で大活躍。ダートの活躍馬としては、ベルシャザールやホッコータルマエ。ドバイワールドCで2年連続好走したチュウワウィザード。さらにジュンライトボルトなどがおり、これら4頭はすべてチャンピオンズC(前身のジャパンCダート含む)を勝利した実績があります。
こうしてみると、種牡馬オルフェーヴルは現役時の荒々しい印象とは異なり、自身よりも母父の特徴を出すタイプ。特にダート馬は、それが顕著なように思います。
というのも、前述したブリーダーズCディスタフの勝ち馬マルシュロレーヌや、昨年のマイルCS南部杯の2着馬ヘリオスは、母父がフレンチデピュティ。フレンチデピュティの産駒も芝ダート双方で活躍しましたが、ダートの活躍馬といえば、ジャパンCダートを勝ったクロフネに、チャンピオンズCの勝ち馬サウンドトゥルーが挙げられます。
また、父オルフェーヴル×母父キングカメハメハは成功パターンで、21年の日経新春杯を制したショウリュウイクゾや、重賞2着3回のタガノディアマンテ。エリザベス女王杯2着のライラックなど、オープン馬が複数出ています。
一方、2着以下で惜しかったのは、ハイペースを先行して2着に粘った英国のアルジールスと、4着のテーオーケインズでしょうか。
これら2頭は、道中、先頭からおよそ4馬身差の5、6番手につけ、中でもテーオーケインズは内ラチ沿いをロスなく進みましたが、スタートからマーフィー騎手がほぼ押っつけ通し。それでも直線は鋭く伸び、一時は2番手に上がるかという勢いで先に抜け出したアルジールスに迫りましたが、残り100mで止まってしまいました。
こちらはシニスターミニスターの産駒で、母の父はマンハッタンカフェ。スタミナをここから強化していると思われますが、対して、ウシュバテソーロは父も母父もダービー馬という組み合わせ。
しかも、父オルフェーヴルが制した11年のダービーといえば超のつく不良馬場で、母父キングカメハメハが制したときは、前半1000mが57秒6という猛ペース。これを早目先頭から押し切り、勝ち時計は当時のコースレコードでした。
つまり、父も母父も、例年以上にスタミナと底力が要求されたダービーを制しており、この血が、最後の100mでウシュバテソーロとテーオーケインズの結果を大きく左右したのかもしれません。
ウシュバテソーロに話を戻すと、秋は凱旋門賞を目指すとのこと。これまで、ダートのGIを制した日本調教馬が凱旋門賞に出走したことはありませんが、フランスの芝は日本よりも馬力が必要で、むしろこの馬向きの可能性は十分にあります。
また、父オルフェーヴルは凱旋門賞のタイトルに最も近づいた日本調教馬の1頭。理想的ともいえる血統を持ち、実績を残してきたのがウシュバテソーロであり、馬場が極端に重くなりすぎず、道中も淀みないペースで流れれば、十分チャンスがあるのではないでしょうか。
他にも書きたいことは多々ありますが、スペースがいくらあっても足りなさそうなので、このあたりで予想に。
今回はダービー卿チャレンジTの過去5年を深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、そこから予想を組み立てます。
(1)前走枠順
(2)前走馬体重
(3)馬齢
(4)生産牧場
(5)前走クラス
(6)前走上がり
過去5年の傾向から重視できそうな傾向は、上記6項目。まずは(1)。前走の枠順です。
前走内枠に入っていた馬が強さを発揮する当レース。具体的には、前走1600mのレースで1枠から3枠に入っていた馬が[3-2-2-8/15]。勝率20.0%、複勝率46.7%。単勝回収率294%、複勝回収率184%と、かなりの好成績でした。
(2)は、前走の馬体重です。
近年のダービー卿チャレンジTは大型馬がやたらと強く、中でも、前走馬体重が520kg以上の超大型馬は[3-1-2-9/15]。勝率20.0%、複勝率40.0%。単勝回収率151%、複勝回収率136%と、まずまずの成績を収めています。
次は(3)。馬齢について。
若馬が強いダービー卿チャレンジT。具体的には、5歳以下で前走からの間隔が中3週以上。なおかつ、前走4コーナーで3番手から10番手に位置していた馬は[3-2-3-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率134%、複勝回収率170%と、素晴らしい成績を収めていました。
(4)は、生産牧場です。
このレースでも、遺憾なく強さを発揮しているのがノーザンファーム生産馬。とりわけ、前走3勝クラスか重賞に出走した同場生産馬は[3-2-1-8/14]。勝率21.4%、複勝率42.9%。単勝回収率164%、複勝回収率120%と、なかなかの成績を収めています。
続いて(5)は、前走クラスについて。ここは2パターン紹介します。
まず、前走重賞かオープン(リステッド含む)出走組は、前走5番人気以内で10着以下に敗れた馬が[1-2-1-7/11]。勝率9.1%、複勝率36.4%。単勝回収率249%、複勝回収率212%と、まずまずの成績。
一方、前走3勝クラス出走組は、前走2番人気以内で勝利した馬が[3-0-0-3/6]。勝率、複勝率とも50.0%。単勝回収率313%、複勝回収率118%と、素晴らしい成績でした。
そして最後は(6)。前走上がりについて。
ダービー卿チャレンジTは、前走上がり2位と3位の馬が[1-1-2-2/6]。勝率16.7%、複勝率66.7%。単勝回収率108%、複勝回収率148%。数は少ないものの、超抜の成績を残しています。
これら6項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。
◎8 インダストリア
○3 レッドモンレーヴ
▲7 アナザーリリック
☆14 ベレヌス
△9 マテンロウオリオン
△4 ジャスティンカフェ
△6 ミスニューヨーク
△5 スカーフェイス
△11 ウイングレイテスト
△15 ファルコニア
△16 ゾンニッヒ
【買い目】
・単勝 8
・馬単マルチ 8=3、4、5、6、7、9、11、14、15、16 計20点
・馬単ボックス 3、7、14 計6点
・ワイド 8→3、4、5、6、7、9、11、14、15、16 計10点
・ワイドボックス 3、7、14 計3点
・3連複ボックス 3、7、8、14 計4点
本命候補は、3項目に該当したレッドモンレーヴ、アナザーリリック、インダストリア、ベレヌスの4頭。非常に迷いますが、中山マイルで2戦2勝のインダストリアを本命としました。
前走の東京新聞杯でも本命に推したインダストリア。NHKマイルCでは勝ち馬から0秒4差の5着と善戦した舞台で、東京マイルも問題ないと評価しましたが、これが全くの見当違い。買い目を参考にしてくださった方々には、大変なご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありません。
レース後、騎乗した戸崎圭太騎手は「プレッシャーがかかると手前を替えて流れた走りに。追いだしてからも内にモタれていた」とコメントしており、やはり中山のほうが合っているのでしょう。前回も書きましたが、なにより昨年のジュニアCで見せた桁違いの末脚がいまだに忘れられず、再現を期待します。
馬券は、まず単勝と馬単マルチ、ワイドを購入。さらに保険で、本命候補となった4頭の3連複ボックスと、インダストリア以外の3頭の馬単、ワイドボックスも購入。インダストリアの末脚が忘れられないと書いておきながら、まったく信頼していない買い目じゃないか!とお叱りを受けそうな馬券です。
ただ、波乱も十分に考えられるメンバー構成。どの項目にも該当していない馬にも印をつけていますが、なんとか的中させて大阪杯に繋げたいと思います。
それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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