2018年以降におこなわれたGIで、3連単の配当が100万円を超えたのは計6レース。そのうち2レースが高松宮記念です。また、タラレバの話になりますが、20年の高松宮記念も、クリノガウディーが降着にならず入線順位どおり確定していれば、3連単は176万馬券という超ビッグな配当になっていました。

さて、その高松宮記念で高配当の使者になった馬といえば、19年3着のショウナンアンセムと、昨年の3着馬で今年も参戦するキルロード。これら2頭は単勝オッズが200倍を軽く超え、ショウナンアンセムに至っては358.9倍の超大穴でした。

以前にも一度、GIで17番人気以下の低評価を覆して好走した馬を採り上げましたが、今回は、データが残っている1986年以降のGIで、単勝200倍以上の低評価を覆し3着内に好走した馬を調べてみることにしました。

・87年　日本ダービー　2着　サニースワロー　単勝225.4倍　複勝4,680円
・89年　エリザベス女王杯　1着　サンドピアリス　単勝430.6倍　複勝7,670円
・94年　スプリンターズＳ　3着　キョウエイキーマン　単勝247.5倍　複勝1,220円
・00年　スプリンターズＳ　1着　ダイタクヤマト　単勝257.5倍　複勝2,190円
・14年　フェブラリーＳ　1着　コパノリッキー　単勝272.1倍　複勝3,310円
・15年　ヴィクトリアマイル　3着　ミナレット　単勝291.8倍　複勝8,500円
・18年　日本ダービー　3着　コズミックフォース　単勝223.7倍　複勝3,640円
・19年　高松宮記念　3着　ショウナンアンセム　単勝358.9倍　複勝6,410円
・19年　朝日杯フューチュリティＳ　3着　グランレイ　単勝229.3倍　複勝2,360円
・21年　オークス　3着　ハギノピリナ　単勝215.4倍　複勝2,820円
・22年　高松宮記念　3着　キルロード　単勝225.8倍　複勝4,500円
・22年　NHKマイルＣ　3着　カワキタレブリー　単勝229.1倍　複勝4,780円

単勝200倍以上の超人気薄にも関わらず、激走を果たしたのは上記12頭。集計は37年間で、平均すると3年に1回の割合で発生していることになりますが、00年から15年近くは激走なし。逆に、それ以降はコンスタントに出ており、半数の6例は直近5年以内の出来事です。

こうしてみるとマイル以下、特に1200ｍ戦が多く、2400ｍのレースはすべて3歳限定戦。言い換えると、古馬2000ｍ以上のGIで単勝200倍以上の超穴馬が激走した例は、少なくとも86年以降は一度もありません。

また、開催場に関しては、GIの施行数が多い東京競馬場が最多となるのは当然ですが、意外にも、京都と阪神は一度ずつでした。

好走率などを考慮すると、わざわざ狙うほどの価値はありませんが（それでも期間内の単勝回収率は114％）、超大穴馬が激走する可能性があるのはスプリントGI。もしくは、東京のマイルGIかオークス、ダービーということになります。

それにしても……、いつも思うことですが、サンドピアリスの430.6倍は、神々しいというか何度見てもインパクトがありますよね。当時、3連単が発売されていたら、どれだけの配当になっていたでしょうか。

では、そろそろ予想のほうに。

今回は、超難解なGI高松宮記念の過去5年を深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、そこから予想を組み立てます。

（1）前走頭数
（2）今回馬番
（3）父の系統
（4）東西別
（5）前走4コーナーでの位置取り
（6）前走着順と前走からの間隔
（7）外国産馬

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記7項目。その中でまずは（1）。前走頭数について。
GIに昇格した96年こそ13頭立てで争われた当レースですが、以後は大半が17頭以上で争われています。そのせいか、前走も多頭数を経験した馬が有利で、具体的には前走17頭立て以上のレースで5番人気以内に推され、なおかつそれが中央場所（東京、中山、京都、阪神）で開催されたレースだと［3-4-2-10/19］。勝率15.8％、複勝率47.4％。単勝回収率240％、複勝回収率254％と、かなりの好成績でした。

次は（2）。今回の馬番。
ご存知のとおり、高松宮記念で結果を大きく左右するのが枠順。言うまでもなく内有利で、前走480kg以上500kg未満の馬が今回1から10番を引くと［3-2-2-6/13］。勝率23.1％、複勝率53.8％。単勝回収率316％、複勝回収率650％と、超のつく好成績でした。

続いて（3）は、父の系統について。
高松宮記念はミスタープロスペクター系を中心とするネイティブダンサー系種牡馬の産駒が強く、その中でも5、6歳馬は［3-2-1-7/13］。勝率23.1％、複勝率46.2％。単勝回収率336％、複勝回収率306％と、こちらもかなりの好成績でした。

（4）は、東西別の成績。
近年の高松宮記念で3着内に好走した馬の半数以上は関西馬ですが、大穴を出しているのは関東馬。そのうち、前走も1200ｍのレースに出走し、なおかつ前走5枠から8枠を引いていた馬は［1-1-3-7/12］。勝率8.3％、複勝率41.7％。単勝回収率231％、複勝回収率1210％と、複勝回収率がとんでもないことに。

具体的な馬名と単勝人気を記すと、これら3着内馬5頭で最も人気があったのは、昨年優勝したナランフレグで、それでも8番人気。以下、10、12番人気が1頭ずつで、キルロードとショウナンアンセムに至ってはいずれも17番人気という、超のつく穴馬が激走していました。

（5）は、前走4コーナーの位置取り別成績です。
近走、先行していた馬が強い当レース。前走4コーナーで2番手以内に位置し、母父にニアークティック系かナスルーラ系種牡馬を持つ馬は［2-3-1-6/12］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率315％、複勝回収率693％と、素晴らしい成績を収めています。

（6）は、前走着順について。
穴馬が激走しているとはいえ、前走大敗した馬にとっては厳しい高松宮記念。具体的には、前走7着以内で、前走からの間隔が中4週以上。なおかつ、前走奇数番を引いていた馬は［3-3-0-5/11］。勝率27.3％、複勝率54.5％。単勝回収率398％、複勝回収率191％と、超抜の成績。

一方、前走7着以内で、前走からの間隔が中2週か3週。さらに、前走4コーナーで4番手から8番手に位置していた馬は［1-0-4-7/12］。複勝率41.7％、複勝回収率663％と、まずまずの成績でした。

そして、最後は（7）。外国産馬について。
高松宮記念は、外国産馬（外国調教馬除く）が強く［2-1-0-6/9］。勝率22.2％、複勝率33.3％。単勝回収率445％、複勝回収率172％と、まずまずの成績。

（3）と少し重なりますが、瞬発力がそこまで要求されない短距離戦は、サンデーサイレンスを持たない馬。もしくは、サンデーサイレンスの血が薄い馬が好走するということでしょうか。

これら7項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎2　 ウォーターナビレラ
○8　 ロータスランド
▲1　 トゥラヴェスーラ
☆14　トウシンマカオ
△5　 メイケイエール
△6　 ナランフレグ
△7　 ヴェントヴォーチェ
△12　アグリ
△4　 ダディーズビビッド
△16　グレナディアガーズ
△18　ウインマーベル
△9　 ディヴィナシオン
△13　ファストフォース

【買い目】

・単勝　2
・馬単マルチ　2＝1、4、5、6、7、8、9、12、13、14、16、18　計24点
・ワイド　2→全　計17点
・3連複ボックス　1、2、8、14　計4点

本命は、単独3項目に該当したウォーターナビレラ。以下、2項目該当のロータスランド、トゥラヴェスーラ、トウシンマカオの順に印をつけました。

桜花賞2着から一転、4戦連続で大敗を喫しているウォーターナビレラ。オークスから秋華賞までの3戦はおそらく距離が敗因で、前走に関してはやめてしまっているところもあるという陣営のコメントは気になりますが、スプリントGIの激流で目覚めれば、復活は十分可能と考えます。

また、桜花賞の前走チューリップ賞でも、控える競馬を試したとはいえ5着に敗れており、休み明けが苦手の可能性も。もしこの推測が正しいとすると、明け2戦目の今回は絶好の狙い目となります。

一方、8戦連続騎乗した武豊騎手から乗り替わりとなりますが、それ以前にデビューから2戦2勝と好相性だったのが、今回コンビ再結成となる吉田隼人騎手ですから、なんの心配もいりません。

血統面でも、母父キングヘイローは当レースの勝ち馬。そして、ロータスランドにもあてはまりますが、前走京都牝馬Ｓ組は、過去5年で2頭出走して2着1回。集計期間外ですが、レッツゴードンキも同様のローテーションで2着に好走しています。

馬券は、まず単勝と馬単マルチ、ワイドを購入。ただ、ワイドに関しては申し訳ありません。どの馬がきてもおかしくないレースのため、相手全頭とさせてください。また、これらに加え、2項目以上に該当した4頭の3連複ボックスも買います。

それでは、この後のドバイワールドカップデーと日曜日の競馬も全力で楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。