ダービー卿チャレンジＴのコラムではドバイWCを振り返りましたが、国内の競馬も振り返ろうと思います。4レースおこなわれた中で取り上げたいのは毎日杯。勝ったのはシーズンリッチでした。

先週末は天気が悪く3場とも道悪となりましたが、土曜の阪神芝はやや重から良へと回復。パンパンの良馬場というわけではありませんが、まずまず時計がでていました。

そんな中おこなわれた毎日杯。まず、不可解だったのが、圧倒的1番人気に推されたキングズレインの大敗です。

上述したとおり、この日はいわゆるパンパンの良馬場ではありませんでしたが、むしろルーラーシップ産駒にはちょうど良いくらいにも思えました。しかも、母タッチングスピーチは、同じ舞台でおこなわれたローズＳの勝ち馬です。

ところが、最後方を追走したキングズレインは、勝負所で岩田康誠騎手が手綱をしごいてもまったく進んでいかず、見せ場なく12着と大敗。陣営は、熱発で弥生賞ディープインパクト記念を回避した影響はないと戦前にコメントしていましたが、実際はあったのかもしれません。

一方、勝ったのはドゥラメンテ産駒のシーズンリッチ。1番人気に推された2走前の百日草特別でキングズレインの4着に敗れた馬が、共同通信杯6着を経て巻き返しました。

馬券に関しては、ノッキングポイントを本命にした結果2着と好走してくれたため、本当に久々のクリーンヒット。ただ、前走はシーズンリッチに本命を打っており、それに勝たれたのは正直少し悔しいですが、日曜日にはこれを上回る悔しいレースがありました。それはまた後ほど。

さて、その共同通信杯。上位3頭は、その後レースに出走していませんが、4着タスティエーラは弥生賞ディープインパクト記念を勝利し、シーズンリッチも毎日杯を制覇。そのため、今年の3歳戦で最もメンバーが揃っていたレースは、今のところ共同通信杯とみて間違いなさそうです。

毎日杯に話を戻すと、勝ち時計は9レースにおこなわれた1勝クラスの君子蘭賞（3歳牝馬限定）と0秒4しか違わず、タイム面ではあまり評価できません。そのため、既報どおりシーズンリッチがダービーに直行しても、おそらくそこまで人気にはならないでしょう。

ただ、例年通りパンパンの良馬場でおこなわれれば、さらにパフォーマンスを上げることも考えられ、父はなんといってもダービー馬のドゥラメンテ。馬券的な妙味はありそうで、大混戦が予想される今年のメンバーでは、少なくとも相手に加えておきたい1頭です。

また、血統表を見ると、父の母アドマイヤグルーヴと母の父ハーツクライは、ともに父がサンデーサイレンスで母父トニービン（＝シーズンリッチはサンデーサイレンス3×3とトニービンの4×4のクロスを保持）と、似たような血統構成。非常に魅力的な配合といえます。

一方、翌日曜日の高松宮記念を制したのは、7歳馬ファストフォース。12番人気の低評価を覆してのGI初制覇でした。

ファストフォースといえば、過去このコラムで4度本命にし、昨年の京阪杯では、私が勝手に「酸いも甘いも味わった相棒」と称した馬。しかし、今回はデータ面で本命にできず、ウォーターナビレラを軸にした結果、馬券は箸にも棒にもかからないほどの惨敗。ただ、ファストフォースが勝ったことについては、悔しさもありましたが、反面、清々しいというか、むしろちょっと嬉しいくらいでした（←言うてる場合か）。

前走のシルクロードＳでは、今回2番人気2着だったナムラクレアとタイム差なしの接戦を演じていたファストフォース。近走は、控える競馬を覚えさせていたせいか、結果が出るまでに少し時間はかかりましたが、それが大一番で見事に実を結びました。もし、以前のように逃げ一辺倒であれば、今回のような結果にはならなかったかもしれません。

その立役者の一人でもある西村真幸調教師は、開業9年目でこれが嬉しいGI初勝利。また、2週間後の皐月賞にも、共同通信杯を勝ったファントムシーフがスタンバイしており、立て続けにビッグタイトルを獲得する可能性は十分にあります。

と、振り返りが非常に長くなってしまいました……。そろそろ予想に移ります。

今回は、大阪杯の過去5年を深掘り調査。重視できそうな傾向を探し出し、そこから予想を組み立てます。

（1）キャリア
（2）馬齢
（3）種牡馬
（4）生産牧場
（5）前走枠順
（6）性別
（7）生月

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記7項目。まずは（1）。キャリアです。
消耗の少ない馬が強さを発揮する大阪杯。キャリア15戦以下の馬に、前走と同じ騎手が騎乗すると［4-3-3-11/21］。勝率19.0％、複勝率47.6％。単勝回収率373％、複勝回収率133％と、かなりの好成績。

一方、キャリア15戦以下で乗り替わりとなる馬は、GI勝ちの実績があれば［1-1-1-4/7］。勝率14.3％、複勝率42.9％。単勝回収率317％、複勝回収率154％と、十分に買えます。

次は（2）。馬齢について。
（1）とやや重なりますが、大阪杯は若馬が強いレース。具体的には、5歳以下。なおかつ母の父がニアークティック系種牡馬かナスルーラ系種牡馬だと［3-3-3-10/19］。勝率15.8％、複勝率47.4％。単勝回収率490％、複勝回収率228％と、こちらもかなりの好成績でした。

（3）は種牡馬。
大阪杯は、GIに昇格する以前からディープインパクト産駒が無類の強さを発揮しているレース。前走5番人気以内、かつ5着以内のディープインパクト産駒は［3-1-4-7/15］。勝率20.0％、複勝率53.3％。単勝回収率620％、複勝回収率196％と、超がつくほどの好成績でした。

続いて、（4）は生産牧場について。
大阪杯を5連覇中の「絶対王者」ノーザンファーム生産馬。その中でも、前走上がりが3位以内の関西馬は［4-2-3-4/13］。勝率30.8％、複勝率69.2％。単勝回収率603％、複勝回収率303％と、こちらも超抜の成績を収めています。

（5）は、前走の枠順です。
大阪杯は、前走外枠を引いた馬が強いレース。前走7枠か8枠に入り、なおかつ前走4コーナーで2番手から5番手に位置していた馬は［3-2-1-6/12］。勝率25.0％、複勝率50.0％。単勝回収率248％、複勝回収率121％。該当馬の半数が好走していました。

（6）は性別について。
牝馬が強いことで知られる大阪杯。［2-2-0-5/9］で、勝率22.2％、複勝率44.4％。単勝回収率181％、複勝回収率105％と、サンプルは少ないもののなかなかの成績。

ちなみに、3着内馬4頭はすべてノーザンファームの生産。同場生産の牝馬に限れば［2-2-0-1/5］と、恐ろしいほどの成績です。

そして最後は（7）。生月について。
大阪杯は5月生まれが強さを発揮しており［1-1-2-5/9］。勝率11.1％、複勝率44.4％。単勝回収率246％、複勝回収率223％と、かなりの好成績でした。

これら7項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎1　 ジェラルディーナ
○12　キラーアビリティ
▲16　ノースザワールド
☆11　スターズオンアース
△13　ダノンザキッド
△6　 ヴェルトライゼンデ
△9　 ジャックドール
△4　 ノースブリッジ
△8　 ラーグルフ
△2　 マリアエレーナ
△15　ヒンドゥタイムズ
△7　 マテンロウレオ
△5　 ワンダフルタウン

【買い目】

・馬単マルチ　1＝2、4、5、6、7、8、9、11、13、15　計20点
・馬単ボックス　1、12、16　計6点
・ワイド　1→2、4、5、6、7、8、13、15　計8点
・ワイドボックス　1、12、16　計3点
・3連複フォーメーション　1、12、16→1、12、16→1、11、12、13、16　計7点

本命候補は、3項目該当のジェラルディーナ、キラーアビリティ、ノースザワールドの3頭。ぱっと見、3勝クラスから上がってきたばかりのノースザワールドは格下ですが、（2）（3）（5）に該当して、血統的な魅力も十分。ただ、さすがに大外枠は少し厳しいように思います。

そうすると、ジェラルディーナとキラーアビリティが残り、最も好走率が高い（4）に該当しているジェラルディーナを本命とします。

1年前は、重賞で勝ち切るどころか掲示板に載ることもままならなかったジェラルディーナ。ところが、6月の鳴尾記念で初めて連対を果たすと、現在5戦連続3着内に好走中。特に近走は、オールカマーとエリザベス女王杯を連勝し、出遅れた有馬記念でもイクイノックスには突き放されましたが、3着に食い込みました。

今回も出遅れは心配ですが、エリザベス女王杯を制した阪神の内回りコースであれば、好走は十分に可能。充実期に入っていることは明らかで、狙わない手はありません。

馬券は、ジェラルディーナからの馬単マルチとワイド。そして、本命候補となった3頭の馬単、ワイドのボックスを購入。さらに、これら3頭を1列目と2列目に塗り、2項目に該当した2頭の計5頭を3列目に塗った3連複フォーメーションも購入。

こうなると、馬券的にはノースザワールドの激走を願うしかないわけですが、昨年の二冠牝馬を筆頭に、豪華メンバーが集結した一戦。果たして、どういった結末になるでしょうか。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。