おしらせ
今週の3歳戦「ここが見どころ」
今週は3歳世代最初の重賞が東西で行われる。まずはシンザン記念について、出走各馬の陣営コメントを中心にお伝えしていこう。 ピサノユリシーズ(牡、栗東・安田)の安田師からは「スローペースの前走でも終いはよく伸びてくれたね。追い切りも余力残しでいい反応だったよ。ただ、今回は重賞で相手が強い。力試しの1戦だね。直線が平坦になるのも、この馬にはマイナスだろうし、あまり強気にはなれないよ。今後に繋がる競馬ができればと思っています」と慎重なコメントにとどまった。 エーシンホワイティ(牡、栗東・松元)について田代助手は「イレ込み対策をしてきたのに、前走でも出遅れてしまった。この中間はゲートに括りつけて、練習では落ち着きが出てきたよ。前走はメンバー中最速の上がりを使っているんだし、マイルでもやれたのは収穫。五分のスタートで流れに乗れれば、重賞でも勝負になると思うんだけどね」と話してくれた。 前走は未勝利を勝ち上がったばかりながら、GIで4着と好走したガルボ(牡、美浦・清水英)。清水英師は「トモがパンとしてきたことで、終いまでしっかり脚を使えるようになった。直前は輸送を考慮して軽めにしたが、前走の好調をキープできている。重賞でも十分チャンスがありそうだ」と気合いが入っていた。 続いて、牝馬限定のフェアリーS。注目はアプリコットフィズ(牝、美浦・小島太)だろうか。小島太師からは「先に言うけど、間違いなくGI級。持っているエンジンが違うんだ。桜花賞を逆算して、ここからの始動になるけど、当然目標は先だから一杯には仕上げていない。その証拠に中間は楽をさせているし、最終追いもソフトに坂路で仕上げたんだ。正直、この程度の仕上がりで勝てない様なら桜花賞なんて夢のまた夢。まぁ、小柄な馬で、ここで目イチに仕上げたらお釣りがなくなるのも本音なんだけど。とにかく、これだけの馬は何年振り。手応えがある馬の時には必ずやるんだが、追い切りが終わった後、ゲン担ぎの散髪も済ませたし、負けてもらっては困る」とかなりの意気込みが伝わってきた。 関西馬ではテイラーバートン(牝、栗東・角居)が対抗格だろうか。清山助手は「普段から馬の後ろにつけて好位差しを意識した調教を積んできた。それが前走の結果に表れてくれたね。前走後、四位騎手が『ちょっと早仕掛けになってしまった。失敗した』と言っていた。それでも押し切るんだから、素材の確かさを感じさせる競馬だったね。長距離輸送も苦にしないタイプだし、牝馬限定なら重賞でも好レースできるんじゃないかな」と話してくれた。 血統的にはアドマイヤテンバ(牝、栗東・橋田)も注目される1頭。最終追い切りは坂路で3歳未勝利アドマイヤマリンとの併せ馬。結果的には遅れをとったが、陣営からは「相手は稽古駆けする馬だし、こちらは気性と輸送を考慮して、手綱を抑えてもらった。これで予定通り」と納得している様子だった。 ミエノグレース(牝、美浦・鹿戸雄)については「今日は3頭併せの真ん中で動きは良かった。カイ食いも非常にいいし、状態はすこぶるいいよ。重賞が初めての芝と条件的に分は悪いけど、今のデキの良さなら何とかカバーできるんじゃないかと思う。それに芝は試してみたかったからね。ちょっと脚のさばきが硬いのでダートから始動したっていう経緯だったけど、今の感じなら芝も問題ないはず。相手はグンと強くなるけど、自在性があるのは強味だし、ここでもそう引けはとらないよ」と陣営。 未勝利を勝ち上がったばかりのコスモネモシン(牝、美浦・清水英)について清水英師は「1戦ごとに状態が上がってきたし、前走も馬群を割って伸びてきたように勝負強さを持っている。不利や展開が向かないで未勝利を勝つのに4戦かかっただけで、素質はオープン級。期待は大きい」と教えてくれた。 土曜京都の福寿草特別も500万特別ながら、なかなか好メンバーが揃った。ドレスアフェアー(牡、栗東・橋口)、レーヴドリアン(牡、栗東・松田博)などはPOGでも人気のある馬だが、ここではその他から2頭を紹介しておく。 ブラックゼット(牡、栗東・池添)の池添師は「前走後は放牧に出して、良くなって帰ってきたよ。前2走はかなり体に余裕があったけど、引き締まっていい体になってきた。まだ重心の高さはあるけど、全身を使えるようになったらかなり出世してくると思う。ズブいぐらいの馬で折り合いの心配がないので、1ハロン延長はプラス。いい競馬を期待しているよ」と話してくれた。 タムロスカイ(牡、栗東・西園)の西園師は「1走ごとに競馬を覚えて、少しずつ確実に力をつけてきたね。今週も余力残しで先着。いい動きだったよ。前走は五分のスタートが切れたように、落ち着きも出てきた。血統的にも、まだまだこれから伸びていく馬。昇級でも差はないと思っています」と思い入れのある血統だけに期待も高い。 新馬戦では土曜京都4Rのロングロウ(牡、栗東・松田国)が注目の1頭か。母は南部杯などダートの重賞を5勝したゴールドティアラだ。入念に乗り込まれ、今週はポリトラックで6ハロン77秒台の好時計。松田国師は「全姉のココシェニックは物見をしたり、気性難で1000万どまりだったが、この馬は落ち着きがあるのがいいね。繋ぎが柔らかく、シルエットが綺麗で、スケールの大きさを感じる。きっちり乗り込んで仕上がりもいいからね」とコメント。担当するのは父クロフネを担当した渡辺勉助手ということからも期待の高さがうかがえる。 日曜中山6Rからはミラクルゴールド(牡、美浦・古賀慎)をピックアップ。「先週新馬勝ちしたサンテミリオンよりも素質は高いですよ。アグネスタキオン産駒で反応がいい。センスがあり、追ってからも素晴らしいですね」と古賀慎師。祖母、近親に米国GI馬がいる良血だけに注目しておきたい。