●2月12日　京都記念（GII、阪神、芝2200m）

■アフリカンゴールド　助手騎乗、栗東CW併せ馬。格下2頭を外からマクりに行く3頭併せ。一定の力強さは感じさせるものの、叩き一杯に追われてもギアが上がらず、それぞれに遅れ入線に終わっている。まったく稽古駆けしないタイプではあるが、さすがに気持ちの面で整っていない印象。変わり身は強調しづらい。【5】

■インプレス　助手騎乗、栗東坂路単走。他厩舎の馬を一応の目標に置き、気持ちを乗せて登坂。序盤に飛ばした分ラストは若干手応えが鈍ったものの、気持ちを切らさず1F12秒3（一杯）でまとめた。先週もCWで速い時計を出しており、自分の力を出せる状態。【6】

■ウインマイティー　助手騎乗、栗東ポリ単走。馬の気持ちに任せて気分良く走らせる内容。力みは感じられず、外ラチ沿いを通った直線で軽快に加速できていた。精神的にかなりいい状態のよう。有馬記念後は在厩で丹念にケアされており、デキ落ちはなく高いレベルで好調維持。【7】

■エフフォーリア　横山武騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。準オープンを追走。直線では内へ進路を取り、スムーズに手前を換えると直線半ばで楽に抜け出す。そこからもフワっとすることなく集中して走り、相手の反撃を許さなかった。終始前向きさがあり手応えも申し分なし。前走時から大幅に良化。【7】

■キラーアビリティ　団野騎手騎乗、栗東CW単走。先週B.ムルザバエフ騎手が騎乗したCW追いで速い時計を出しており、今週は終い重点で操縦性の錬磨に努めた。序盤はしっかり溜めが利いており、ラストの促しには重心を沈めて加速。単走とは思えない気迫が感じられたのもいい。中8週とひと息入っていることを感じさせない、好仕上がり。【7】

■キングオブドラゴン　助手騎乗、栗東坂路単走。序盤は落ち着き払ってリズミカルに走り、ラストは溜めた脚をスパッと弾けさせた。前走時からの上積みが見込める。【6】

■スカーフェイス　助手騎乗、栗東坂路単走。やや粗削りながら前向きさにあふれた雰囲気で進み、ラストでは鞍上の仕掛けに応えて長くいい脚を使った。年末年始を挟んで変則的な調整過程だった前走時より攻めを強化しているのはいい傾向。休み明けを2回使われ着実に前進だ。【6】

■ドウデュース　助手騎乗、栗東ポリ単走。先週、武豊騎手が騎乗しCW併せ馬で強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週はポリトラック単走で疲れを残さないことを主眼に置いた調整となった。直線に入ったところで手前の変換に手間取ったが、仕掛けられた直線ではこの馬らしい迫力ある伸びができていた。あと少し素軽さが欲しいものの、海外遠征からの帰国初戦とすれば悪くない状態。【6】

■プラダリア　池添騎手騎乗、栗東CW単走。コンビ再結成となる鞍上が感触を確かめる終い重点の内容。直線では馬自ら重心を沈めて加速、鞍上がもう1枚ギアを上げるべく仕掛けるとスッと反応してさらに伸びた。心身ともに充実といった感があるし、人馬の意思疎通ぶりも文句なし。好気配だった前走時よりさらに上昇し、目下絶好調では。【8】

■マイネルファンロン　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。中山記念出走を控える僚馬シュネルマイスターのリードホース役。外先導から、直線ではあっさりパスされたが、相手を考えれば致し方なしか。この馬なりの時計は出せているし、一定の軽快さもあった。持てる力は出せそう。【6】

■マテンロウレオ　助手騎乗、栗東CW単走。先週CW6F78秒4（一杯）という猛時計を出したのが実質の最終追い。今週は息を整える程度の内容となり、馬場の真ん中をブレのないフォームで駆け抜けた。あと1枚ギアを上げて欲しい感はあったが、踏み込みは力強く体調は良さそう。順調だ。【6】

■ユニコーンライオン　坂井騎手騎乗、栗東CW併せ馬。2頭を追走する3頭併せ。手前の変換にモタついたようでスッと加速はできなかったものの、鞍上渾身の仕掛けにジワジワと脚を伸ばし、結局それぞれに先着を果たしている。先週も目一杯負荷を掛けられているし、脚元や体調に不安は感じられない。まだ良化の余地はありそうだが、ひとまず走れる状態。【6】

■ラストドラフト　松岡騎手騎乗、美浦ウッド単走。先週速い全体時計を出しており、これが実質の最終追い。輸送を控えた今週は鞍上とのコンタクトを深めることに主眼を置いた内容となった。やや力み加減だが、活気は上々。ラストのギアチェンジもスムーズだった。有馬記念大敗のダメージは感じられず、この馬の競馬はできそう。【6】


●2月12日　共同通信杯（GIII、東京、芝1800m）

■ウインオーディン　西塚騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。序盤はゆったり入り、反応を確認する終い重点の併せ馬。余力十分の手応えで古馬オープンをアオり、併入とした。道中でしっかり折り合えていたのは好感。馬なりオンリーではあるが、ここまでの乗り込み量は十二分だし自分の競馬はできそう。【7】

■キョウエイブリッサ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。2頭を追走し直線では最内へ。巧みなコーナーワークから早々と抜け出しても気持ちを切らさず、追いすがる2頭を尻目に抜群の手応えを保って先着を果たした。ブレのないフォーム、脚捌きの軽快さともにかなりのレベルで気配は絶好。【8】

■コレペティトール　松山騎手騎乗、栗東坂路単走。序盤からある程度スピードに乗っていくがラストまで力強さは衰えず、仕掛けにもいい反応を示して伸びた。4F51秒9（強め）は自己ベストを大幅に更新する数字。中9週と間隔を取ってのリフレッシュ効果はかなりありそうで、好気配だ。【7】

■シュタールヴィント　助手騎乗、栗東坂路併せ馬。序盤からグイグイと進んでいき、ラストは手応えこそ見劣ったものの目標とした古馬2勝クラスに併入した。あと少し切れて欲しいところだったが、活気は上々。中10週とすれば悪くない仕上がり。【6】

■シルバースペード　騎手候補生騎乗、美浦ウッド併せ馬。サウジ遠征を控える大先輩リュウノユキナのリードホースを務める。内後方から詰め寄られたものの、しっかり抵抗し半馬身の先着を果たした。ワンペースながら、力強さはまずまず。極端なデキ落ちはなく、順調だろう。【6】

■シーズンリッチ　吉田隼騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。中山記念出走へ調整されているイルーシヴパンサーを目標に追われる。手応えの差は歴然だったが、渋太く食らいつき併入に持ち込んだ。このひと追いで走れる態勢は整ったようだ。【6】

■タスティエーラ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。直線で2頭の間に割って入る3頭併せ。満を持しての仕掛けにいい反応を示し、外の準オープン馬と併入、内のオープン馬ルフトシュトロームには先着を果たした。手応えは最優勢。ここまでの乗り込みは質量ともに十分だし、いい状態で走れそう。【7】

■タッチウッド　武幸師騎乗、栗東CW単走。先週浜中騎手が騎乗したCWでの併せ馬が実質の最終追い。今週は指揮官が脚捌きを確認する程度の内容だった。序盤はリラックスしつつ闘志を秘めたような走りを見せ、ラストも素軽さ満点のまま軽快に伸びた。四肢を柔軟に使えていたのも好感。さっそく力をフルに出せそうな態勢だ。【7】

■ダノンザタイガー　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。オープン馬サトノエルドールを目標にゆったりと進み、直線入口で若干のモタつきはあったが取り付いていき、そのまま相手に合わせて併入とした。先週の3頭併せで気持ちがグンと乗ってきたような印象。まだ体に余裕を感じさせているあたり、先々を見据えている感はあるものの、持てる力はしっかり出せそう。【6】

■トーアライデン　中井騎手騎乗、栗東CW併せ馬。準オープン馬を追走し、相手をロックオンすると気持ちをグンと高めて伸び2馬身の先着を果たした。中10週を考えるとあとひと追い欲しいところだが、ひとまず走れる態勢だろう。【6】

■ファントムシーフ　助手騎乗、栗東CW併せ馬。先週C.ルメール騎手が騎乗した併せ馬が実質の最終追い。今週は終い重点で操縦性の確認に留まる。3頭併走となった際、やや口向きの悪さは見せたが伸びそのものは上々。稽古駆けする相手には遅れたものの、もう1頭には大きく先着を果たした。GI後の中5週でも余念なく攻められており、体調は安定と見ていい。デキ落ちはなく順調。【6】

■レイベリング　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。3歳1勝馬を目標に進み、直線に入ってもまだ仕掛けを待つ余裕を見せる。脚力の違いを見せつけるように楽な手応えのまま自然と並び掛け、そこからの仕掛けでもうひと伸び。半馬身の先着でフィニッシュした。相手を追い詰める際の気迫は上々で、いかにも実戦で良さそうな雰囲気。好気配だ。【7】

■ロードプレイヤー　田辺騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。序盤は折り合いを意識し、ラストで伸ばす併せ馬。準オープン馬に併入としたが、相手が合わせてくれた感があり、ロードプレイヤー自身に溜めたほどの鋭さはなかった。1週前追いでもモタモタしていたし、なんとか及第点のデキ。【5】


●2月11日　クイーンC（GIII、東京、芝1600m）

■アスパルディーコ　 蛯名正師騎乗、美浦坂路併せ馬。ギアチェンジにやや手間取ったものの、直線では力強い走りからデビュー前の新馬と併入している。テンション面に課題があるのか馬なりオンリーの仕上げだが、本数は十分。力は出せそう。【6】

■イングランドアイズ　横山和騎手騎乗、栗東CW併せ馬。3歳未勝利にスッと取り付き、ラストのゴーサインへ鋭く反応すると1馬身の先着を果たした。仕掛ければもっと突き放せそうな雰囲気。攻め本数は少ないが華奢なタイプなので、これで問題なし。好仕上がり。【7】

■ウヴァロヴァイト　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。デビュー前の新馬をアオりつつ併走。ラストであと少し切れて欲しかったが、ジワッと伸びて半馬身先着とした。馬体維持が念頭にあり手控え気味の攻めでも、しっかり気持ちが乗っているのはいい。走れる状態。【6】

■ウンブライル　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。2頭を前に見ながら序盤はピタッと折り合い、最内へ進路を取った直線では素軽く伸びて1頭と併入、1頭に先着した。メリハリがあり、操縦性も上々。中8週とひと息入れたのがいいリフレッシュになったようだ。いい状態で走れる。【7】

■オンザブロッサム　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。ウッドでは走らないこの馬としてはなかなかのスピード感で行きだし、ラストは余力を保って目標の古馬1勝クラスと併入した。力みがありワンペースではあるが、一定の力強さは評価できる。持てる力をしっかり出せそう。【6】

■グランベルナデット　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。先週ある程度速い時計を出しており、今週は脚慣らし程度の併せ馬。2頭を目標に序盤は力まず進み、直線ではブレの少ないフォームで鋭く伸びて1頭と併入、1頭に先着した。四肢を大きく使えており、見た目以上にいい数字を出せているのは好感。好気配にある。【7】

■ゴールドレコーダー　田中勝騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。華奢な馬の小倉遠征から中2週とあって、状態維持に専念するような軽い内容。併走馬相手に集中を切らさず併入できていたのはいい。デキ落ちはなく順調。【6】

■ドゥアイズ　加藤騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。先週のCW3頭併せで仕上げはほぼ完了。今週は14-14で入り、終いだけ軽く促すという、輸送を考慮した内容に留まった。目標に置いた3歳未勝利に1馬身ほど遅れたが、無理をさせなかったのでそこまで懸念視する必要はないか。悪くない状態。【6】

■ニシノカシミヤ　永野騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。3歳1勝クラスを外で先導する形。取り付いてきた相手に合わせるように、手応え十分のまま併入としている。そこまでスパッと切れておらず芝でどうかだが、体調そのものは悪くない。【6】

■ハーパー　助手騎乗、栗東坂路単走。ドウデュースらを相手にした先週のCW3頭併せが実質の最終追い。今週は単走・馬なりで息を整える程度だった。序盤は緩いペースのなか自分の走りに集中。ラストはまったくの馬なりながら、馬自ら重心を沈めて滑らかな加速を披露した。精神面でかなりいい状況のようだ。力をフルに出せる。【7】

■ブラウンウェーブ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。3歳未勝利を外で先導するも、アオられて最後は半馬身の遅れ入線に終わっている。稽古ではまったく走らない馬とはいえ、気迫不足は気になる。良くて平行線といったところ。【5】

■ミカッテヨンデイイ　助手騎乗、美浦ウッド単走。序盤はじっくり進んで終いの伸びを確認する内容。ラストの仕掛けに対しギアが上がり切らなかった感はあるが、走り全体はまずまずの力強さはあった。中13週と間隔を取り、一定程度は立ち直ってきたか。【6】

■ミシシッピテソーロ　菅原隆騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。3歳未勝利2頭を追走する3頭併せ。直線では最内へ進路を取り、追い比べを渋太く制してそれぞれに先着を果たしている。戸崎騎手が騎乗した先週の調教でもしっかり併せ馬をこなせているし、コンスタントに使われての疲れは感じられない。一連の好調維持。【7】

■メイドイットマム　船橋競馬場単走。ハードにやる必要のないタイプで、脚慣らし程度の調整。鞍上との意思疎通はしっかり図れており、精神面ではかなり安定した状況のようだ。メイチだったであろうSIを勝利した後だが、反動はそこまでではないか。順調と言える。　【6】

■モリアーナ　武藤騎手騎乗、美浦ウッド単走。折り合い重視だった序盤から集中して進み、直線では機敏に手前を変換。馬場の真ん中をブレのないフォームで駆け抜けた。単走とは思えない気迫があったのもいい。阪神遠征を考慮してか手控えた印象があった前走時より攻めを強化しているのは好感。絶好調と見ていい。【8】

■リックスター　三浦騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。14-14ペースで入り、直線の反応を見る終い重点の内容。目標とした準オープンと併走に持ち込み、そのまま楽な手応えで併入とした。テンション面を気遣って強く攻められない状況ながら、本数をしっかりこなしているのは好感。3カ月ぶりだった前走からの上積みを見込める。【6】


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。
（Text:Nishimura）