・アルクトス
斤量59キロが焦点となっているが、この馬を狙える条件はわかりやすい。左回りかつ、脚抜きの良いダート。これに当てはまるか否かが取捨のポイントだ。今回は前者の条件こそ該当するが、後者が叶うかは微妙なシチュエーション。想定される当日の馬場コンディション次第で評価を変えたい1頭だ。

・サクセスエナジー
1400mのスペシャリストと呼ぶにふさわしい戦績の持ち主。ここは千載一遇のチャンスと思われるが……中央場所におけるオープンクラスの左回りでは【0-0-0-4】と不振傾向にある点は気がかりだ。直線急坂コースでの勝利は2018年までさかのぼる馬。苦戦は免れられないか。

・サブノジュニア
昨年のJBCスプリント勝ち馬。川崎記念を制したカジノフォンテンへとつながる地方馬躍進の火付け役となった1頭と言えるだろう。実力は申し分ないが、今回は地方ですら馬券圏外に敗れてしまっている1400mへの距離延長。一変を望むのは酷に映る。

・ステルヴィオ
戦列復帰後は1200-1400mを主戦場とする馬。まさか今回ダートに転じるとは思わなかったが、同じマイルGI馬モズアスコットに影を重ねているのかもしれない。昨年根岸Sを初ダートで制し、返す刀でフェブラリーSを勝った同馬。サンデーレーシングの芝GI勝ち馬タイムフライヤーがダート重賞のタイトルを獲得した現状を踏まえると、ただのお試し参戦と捉えないようにしたい。

・スマートセラヴィー
3走前の福島民友Cはかなりのハイレベルレース。勝ったオーヴェルニュはベテルギウスS→東海Sと連勝を伸ばし、3着ソリストサンダーもその後武蔵野S2着→門司S1着。この馬の出世も当然と言えるだろう。鞍上は根岸Sと好相性の戸崎圭太。何らかの印は打っておきたいところだ。

・スマートダンディー
阪神ダート1400mで4勝を挙げるスペシャリスト。7番人気2着の前走ギャラクシーSは同馬の特徴が如実に表れたレースだった。翻って、今回の舞台は昨年秋に2戦連続掲示板外に敗れた東京。前走との比較で評価を落とさざるを得ない。

・タイムフライヤー
昨年は夏のダート1700mで連勝。イマイチ適性を測りかねていたが、当時のパフォーマンスを見るより右回り巧者であることは確定と言えるだろう。C.ルメール騎乗で人気の一角を占める想定で捉えたとき、不安のほうが先走ってしまう。

・ダイメイフジ
栗東S、ギャラクシーSと今回対戦する相手に大敗を喫してしまっている現状。連続好走は難しい注文だろう。

・テイエムサウスダン
左回りのダート1400mでは【2-0-1-0】馬券内率100%。展開と斤量の恩恵があった2走前から一転、控える競馬で上がり3F最速勝利の前走内容は立派だ。暑い時季と寒い時季でパフォーマンスが激変する馬でもあり、ここは要警戒の1頭。

・デザートストーム
デビューから一貫して1200m以下を使われていたが、1400mに矛先を向けたことが功を奏したのだろう。追走が楽になり、前走は3-4コーナーにかけて位置取りを上げるレースで勝利を収めた。ウーマンズハート、サドンストームなど兄弟・近親には左回りの重賞好走馬がズラリ。舞台替わりも問題ない可能性が高く、侮れない。

・ブルベアイリーデ
重賞では【0-0-0-3】と厚い壁に跳ね返されてしまっている印象。厳しい。

・ヘリオス
この馬の前走パフォーマンスには驚かされた。良馬場東京ダート1400mを1分22秒8で走破……過去10年でこの時計を上回った馬は計4頭、ヘリオスを除く3頭はすべて根岸S連対馬なのだ。良績に乏しい休み明けでの参戦がどうかも、前走を見てしまうとノーマークにはできない。

・メイショウテンスイ
まとまった休みなく使われてきた弊害か、前走はあまりにもアッサリとした敗戦。12-2月の成績【0-0-0-3】が示すように寒い時季が合わない可能性が高く、ここは様子見が妥当か。

・ヤマニンアンプリメ
本格化を遂げて以降、大敗を喫したのはナイターの大井競馬場のみ。よほどその条件がマッチしないのだろう。左回りでは【2-0-2-1】と安定しており、唯一の馬券圏外は勝負どころでスムーズさを欠いた2年前の根岸Sに限定。ハイペースの差し決着だった昨年プロキオンSでは先行馬でただ1頭馬券内に粘り込んでおり、見限るにはまだ早い印象だ。

・レッドルゼル
ダート1200mで【2-2-0-0】、ダート1400mで【1-1-0-1】。昨年の成績を見るよりスプリントのほうが安心してみていられる馬だ。ここは距離延長がポイントと言えるが……前述の距離別成績で補足したいのが馬券圏外に敗れたレース。前走から1カ月以内かつ馬番ひと桁番……これは端午S7着時とまったく同じシチュエーションだったのだ。適度な間隔で望む今回、鍵は距離ではなく枠順。馬番フタ桁番なら信頼度は増す。

・ワンダーリーデル
なかなか結果が伴わない近走だが、中央場所における上がり3Fに関しては常に上位をキープ。要は展開次第なのだろう。その展開について、今回誤算なのは確たる逃げ馬が不在であること。2年前の武蔵野Sのような激流が見込めない点、主戦騎手が乗れない点を踏まえると評価を上げるには至らない。【5-0-1-1】の叩き2戦目で迎える次走が狙い目だろう。

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