競馬サロン
2020/10/02 19:10
【シリウスS】レース後「絶対に勝てない」と評した馬。その怪物に跨るここは不動の本命。/中京6R/中山11R
「バチェラー・ジャパン」という番組をご存じだろうか?
容姿端麗、確固たる社会的地位も確立している才色兼備の独身男性(バチェラー)。そのハートを射止めるべく集まった25名の独身女性たちが、ゴージャスでロマンチックなデートをしながら過酷なサバイバルバトルを繰り広げていくものだ。
いったい何が面白いのか?
私が好きなTV番組「水曜日のダウンタウン」に近いのではないか……私はそう思った。
意中の人を振り向かせるために頑張るその姿。健気な女性を応援しよう! これが表面。
今チラッとライバルの女性見てなかった? さりげなく勝ち誇ってマウント取ってない? これが裏面。
勝ち上がっていくにつれ、女性ひとりひとりの「人間として生々しい部分」が丸裸にされてしまうのだ。嫉妬、駆け引き、策略……どれだけ言葉をオブラートに包もうとも、発する言葉の本当の意味はあっという間に暴かれる。
とりわけ嫌われるのは【アザトカワイイ】立ち振る舞い。同じ土俵に立った女性陣同士で話すチャートはさながら「悪口大会」。徹頭徹尾、裏面の時間だ。
裏面といえば、陣営コメントは裏面のオンパレード。
「詰めが甘いのが課題」→「現級でコツコツ賞金を稼ぎ続けていきたい」
「未知の距離だけど折り合いさえつけば十分やれる」→「馬主主導での距離延長。まだ覚えさせることが多いし不安だらけ」
「調教では予想以上の好タイム。体調は良さそう」→「完全にオーバーワーク。レース前に燃え尽きてしまったかも」
SNS全盛の昨今、何らかのニュアンスを含ませたコメントはほとんど丸裸にされてしまう。私はそろそろ「陣営コメント分析家」なる肩書きを持つ競馬評論家が出てきてもおかしくないと思っているが、私がその先駆者になるのも悪くないだろう。この専門家になるためには、心理学との掛け算がポイントだ。
試しに、シリウスSのカフェファラオに関するコメントを取り上げてみよう。
まずはメイクデビュー後のコメント。
「賢いですし、特に言うことがありません(R.ムーア)」
次にヒヤシンスS後。
「メチャクチャ強いです(M.デムーロ)」
「勝った馬には絶対勝てないですね(C.ルメール)」
続いてユニコーンS後。
「状態が良ければどこでも戦えると思います(D.レーン)」
「勝った馬は化け物です(M.デムーロ)」
世界を知る名手たちがこぞって絶賛の嵐……そのなかにあってD.レーンのコメントは興味深い。
カフェファラオ陣営には、夏はひと息入れて武蔵野Sから始動との選択肢もあったはず。デビュー戦以降、ヒヤシンスS→ユニコーンSと決して間隔を詰めることなく使われてきた同馬。むしろ休ませるほうが自然だ。
ところが、次走に選んだのはナイターの大井競馬場で行われるジャパンダートダービー。
私が思うに、D.レーンが引き続き騎乗可能だったことが参戦理由として考えられる。馬より人を優先したローテーション……結果は完全に裏目に出た。
キャリアに傷がついたのは事実だが、ここで強調したいのは【惨敗から得たもの】が決して少なくなかった点。鞍上はレース後、以下のように敗因を挙げている。
・最初のコーナーの所にあった車のタイヤの跡に驚いた
・逆手前のままで向正面まで走ってしまい、脚のバランスを崩した
・キャリア初のキックバックを受け、それに反応してしまった
・3-4コーナーもタイトな形となり、スムーズな流れにならなかった
D.レーンが発した「どこでも戦える」を信じた結果、現状では戦える条件が限られることを露呈したカフェファラオ。私はこれを収穫であると捉える。
無敗の休み明け。
無敗の中央ダート。
無敗の左回り。
砂を被らない外枠。
言い訳無用の条件が揃った今回、C.ルメールは「絶対勝てない」と評した馬に跨る機会を得た。陣営がそのコメントをチェックしているかは知らないが、誰もが騎乗したい馬=カフェファラオというバチェラーを射止めるために最大級の賛辞を贈っていたとすればC.ルメールは恐ろしい。
ともあれ、ここはカフェファラオの評価を見直すレース。本命に迷いはない。
相手本線に抜擢するのはサクラアリュール。
この馬の成績はわかりやすい。暑い時季に凡走→涼しい秋競馬で巻き返すリズムを繰り返しているのだ。9-11月の秋競馬では【1-2-3-0】馬券圏外なし。2走前と同じ良馬場ダート1900m替わりが見込める今回、穴妙味を感じる1頭と言える。
ダノンスプレンダーも軽視禁物。
この馬は季節で成績を分けるとわかりやすい。11-3月での成績【0-2-2-0】に対し、4-10月では【4-0-0-0】。暖かい時期の適性はピカイチだ。先行力や末脚の破壊力など目立った武器がない点がどうかも、上位評価に据えるだけの価値はある。
さらにはアルドーレ。
この馬で評価すべきは8走前の伊勢佐木特別。2着に下したエルデュクラージュ、同じく3着のゴライアスはいずれもオープンクラスで複数回馬券圏内に入る活躍を見せているのだ。その2頭に加えて2走前に好勝負を演じた相手・クリンチャーを物差しにすれば、重賞でも通用する可能性は十分だ。
【中京11R シリウスS予想の印】
◎15 カフェファラオ
〇2 サクラアリュール
▲9 ダノンスプレンダー
☆4 アルドーレ
△16 ミツバ
△3 エイコーン
△6 メイショウワザシ
△10 ダイメイコリーダ
△11 グレートタイム
【馬単/ながし】15-2,9,4(3点)
【3連複/フォーメ】15-2,9,4-2,9,4,16,3,6,10,11(18点)
【3連単/フォーメ】15-2,9,4-2,9,4,16,3,6,10,11(21点)
次に、自信の一鞍。
【中京6R 3歳上1勝クラス】
土曜日は中京に参戦する横山典弘。先週終了時点で46勝を挙げており、すでに昨年の勝ち星を更新……2010年代後半以降のキャリアハイを叩き出すのは確実だ。
そんな同騎手は土曜中京6レース中3レースで昆厩舎の馬に騎乗。なかでも強い勝負気配を感じるのはマテンロウスパークだ。昨年12月-今年5月にかけては3戦連続でこの馬に騎乗。特徴を知り尽くしたコンビ再結成となる今回、一変の可能性は高い。
【中京6R 3歳上1勝クラス予想の印】
◎15 マテンロウスパーク
〇3 ロードセッション
▲1 リトルクレバー
☆6 スコルピウス
△2 サターン
△8 トゥルブレンシア
△11 ドスハーツ
△12 キースローガン
【3連複/フォーメ】15-3,1,6-3,1,6,2,8,11,12(15点)
最後に太鼓判レース。
【中山11R 秋風S】
フォルコメンは昨年9月中山芝1600mでのパフォーマンスが特Aランク。勝ち時計の1分32秒6は同条件の1勝クラスにおいて、歴代TOP5入りする好タイムだった。雨降り馬場の前走は参考外。絶好のシチュエーションが見込める今回は巻き返せるだろう。
【中山11R 秋風S予想の印】
◎2 フォルコメン
〇15 ウイングレイテスト
▲4 アドマイヤスコール
☆13 オールイズウェル
△11 スーパーブレイク
△6 アガラス
△1 ウィンドライジズ
△14 ロライマ
△7 インターミッション
【3連複/フォーメ】2-15,4,13-15,4,13,11,6,1,14,7(18点)
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