突然のご報告で申し訳ありません。神戸新聞杯のコラムにも書かせていただいたとおり、当コラム「必翔予想」は、今回をもって終了することになりました。長年ご愛顧いただいた方も、今回はじめてご覧いただく方も本当にありがとうございました。

神戸新聞杯のコラムでは、連載期間中の思い出の馬としてシャフリヤールをあげましたが、もう一頭、忘れ得ないのがファストフォースです。

2021年の日本ダービーから開始した当コラムで、予想が初めて的中したのは7月のCBC賞。そのとき本命に推したのがファストフォースでした。
同馬にとってはこれが8ヶ月半ぶりの実戦で、なおかつ格上挑戦。一見、不利な条件に思えたものの、結果は後のGI馬ピクシーナイト以下を抑え堂々の逃げ切り勝ちで、しかも日本レコード（当時）のおまけ付きでした。
そんなファストフォースは、もともと中央では未勝利戦を脱出できず、一度は地方・門別に移籍した馬。それでもコツコツと力をつけ、さらに1年9ヶ月後の高松宮記念では、直線、降りしきる雨を切り裂くように伸び、GIウイナーへと上り詰めた姿に心を打たれました。

読者の皆さまには馬券で貢献することがなかなかできず、申し訳ない気持ちと歯がゆい気持ちで一杯ですが、一頭の馬やそれに関わる人など、これだけたくさんのドラマが詰まったエンターテインメントは他にありません。その素晴らしさをしっかりと伝えていけるよう、今後も邁進していきたいと思います。

それでは予想に。

今回は、オールカマーの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、そこから本命馬を見つけます。

（1）今回の馬番
（2）前走場所
（3）前走着順（着差）
（4）馬齢
（5）前走クラス
（6）今回の斤量
（7）父の系統
（8）母父の系統
（9）馬主
（10）性別
（11）前走人気
（12）前走上がり

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記12項目。その中で（1）は今回の馬番について。
オールカマーは内枠有利のレース。特に良績を収めているのが今回1から4番を引いた馬で［4-4-1-11/20］。勝率20.0％、複勝率45.0％。単勝回収率174％、複勝回収率166％。複勝率は50％を下回っているものの、十分に買い条件といえます。
◇該当馬＝コスモキュランダ、リビアングラス、クロミナンス、レガレイラ

（2）は前走場所。
前走、北海道か東京か京都のレースに出走した馬がまずまずの成績を残しているオールカマー。そのうち、前走3コーナーで7番手以内に位置。もしくは前走海外のレースに出走した馬は［2-4-4-8/18］。勝率11.1％、複勝率55.6％。単勝回収率39％、複勝回収率178％と、文句なしの成績でした。
◇該当馬＝リビアングラス、ホーエリート、シュバルツクーゲル、フェアエールング、ワイドエンペラー

次は（3）。前走着順（着差）です。
素直に近走好調馬が買いの当レース。具体的には、前走1着か勝ち馬から0秒2差以内の惜敗を喫した馬が［3-1-4-9/17］。勝率17.6％、複勝率47.1％。単勝回収率95％、複勝回収率138％。こちらもまずまずの成績でした。
◇該当馬＝クロミナンス、ホーエリート、ドゥラドーレス、フェアエールング

（4）は馬齢で、ここは2パターンご紹介します。
まずは4歳馬で、他に条件をつけなくても［4-2-1-8/15］。勝率26.7％、複勝率46.7％。単勝回収率208％、複勝回収率125％と、好調。
◇該当馬＝コスモキュランダ、レガレイラ、ホーエリート、シュバルツクーゲル

一方、次に好走率が高いのは5歳馬で、こちらは前走斤量が56キロから57キロ以外。なおかつ、その時と斤量が同じか軽くなる馬が［1-1-3-5/10］。勝率10.0％、複勝率50.0％。単勝回収率91％、複勝回収率178％。該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝リビアングラス

（5）は前走クラスで、ここも2パターンご紹介します。まずは前走、海外のレースかGIIか3勝クラスに出走した馬。
こちらは、どういうわけか毛色が鹿毛か黒鹿毛の馬の成績が良く［0-4-4-7/15］。複勝率53.3％、複勝回収率201％と、勝ち切れていないものの文句なし。
◇該当馬＝コスモキュランダ、クロミナンス、ホーエリート

一方、前走GIII組も負けておらず、同じく毛色が鹿毛か黒鹿毛。かつ、キャリア15戦以下の馬が［4-0-1-4/9］。勝率44.4％、複勝率55.6％。単勝回収率396％、複勝回収率192％と、勝ち切っていました。
◇該当馬＝ドゥラドーレス

（6）は今回の斤量について。
オールカマーは、58キロか55キロ以下の斤量を背負う馬が［3-3-1-6/13］。勝率23.1％、複勝率53.8％。単勝回収率256％、複勝回収率163％。こちらも文句なしの成績でした。
◇該当馬＝ホーエリート、ヨーホーレイク、フェアエールング

（7）は父の系統。
ディープインパクト系種牡馬の産駒が好調の当レース。そのうち、結果を出していたのは前走馬番が1から6だった馬で［2-1-3-6/12］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率88％、複勝回収率145％。該当馬の半数が好走しています。
◇該当馬＝コスモキュランダ、リビアングラス、シュバルツクーゲル

続いては（8）。母父の系統です。
一方で、ロイヤルチャージャー系とニアークティック系種牡馬を母の父に持つ馬の好走率が低いオールカマー。逆に、母父の系統がこれら以外で、前走の出走頭数が今回より多い。なおかつ、そのレースから中23週以内の間隔で出走する馬は［4-0-2-4/10］。勝率40.0％、複勝率60.0％。単勝回収率209％、複勝回収率138％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝リビアングラス

（9）は馬主について。
キャロットファーム、サンデーレーシング、シルクレーシングの所有馬が強い当レース。そのうち、生月が2から5の馬は［4-0-1-5/10］。勝率40.0％、複勝率50.0％。単勝回収率357％、複勝回収率123％。勝率は（8）と同じでした。
◇該当馬＝クロミナンス、レガレイラ

（10）は性別。
牝馬の活躍が目立つオールカマー。中でも前走時、馬体重増減なしかプラスだった牝馬は［3-2-1-3/9］。勝率33.3％、複勝率66.7％。単勝回収率370％、複勝回収率216％と、凄まじい成績でした。
◇該当馬＝レガレイラ、フェアエールング

（11）は前走人気です。
近年のオールカマーは、前走1番人気だった馬が［3-2-0-3/8］。勝率37.5％、複勝率62.5％。単勝回収率332％、複勝回収率197％。こちらも複勝率は6割を超えていました。
◇該当馬＝クロミナンス、ドゥラドーレス

そして最後は（12）。前走上がりについて。
オールカマーは、前走上がり最速をマークした馬が［2-1-1-4/8］。勝率25.0％、複勝率50.0％。単勝回収率132％、複勝回収率157％。またまた該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝ドゥラドーレス

これら12の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎5ホーエリート
○2リビアングラス
▲3クロミナンス
☆4レガレイラ
△1コスモキュランダ
△9ドゥラドーレス
△10フェアエールング
△6シュバルツクーゲル

【単勝】5,2（2点）
【馬単/マルチ】5⇔2,3,4,1,9,10,6（14点）
【馬単/マルチ】2⇔3（2点）
【ワイド】5＝2,3,4,1,9,10,6（7点）
【ワイド】2＝3（1点）
【3連複/フォーメ】5,2,3＝5,2,3＝5,2,3,4,1,9,10,6（16点）

本命候補は、5項目に合致したリビアングラス、クロミナンス、ホーエリートの3頭。その中で、牝馬のホーエリートを本命としました。

当地でGI2勝のレガレイラなど、今年も中山巧者が複数出走してきたオールカマー。その中で、ホーエリートもまた［1-2-0-1/4］と、この舞台を得意としています。
牡馬に混じって2着と好走した前走の目黒記念は左回りで直線が長く、一見、今回とは正反対の条件に思えます。ただ、ダービーがおこなわれる2400ｍと目黒記念がおこなわれる2500ｍは僅か100ｍの差でも、後者はスタンド前の坂を二度上るなど、瞬発力以上にスタミナや底力が要求されるコース。その点は中山の2200ｍと共通しており、今回も高いパフォーマンスを発揮してくれるとみました。

馬券はまず、ホーエリートの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイドを購入。ただ、本命候補となった他の2頭にも魅力を感じるので、これら2頭の馬単マルチ、ワイドと、リビアングラスの単勝。さらに、これら3頭を1、2列目に塗り、3列目に印全馬を塗った3連複フォーメーションも買います。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。そして、4年4ヶ月もの間ご購読いただき本当にありがとうございました。また、どこかで皆さまにお目にかかれることを楽しみにしております。