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■自信の一鞍／小倉10R・西部日刊スポーツ杯

競馬に八百長はないとは言いきれないかもしれないが、地方競馬に比べ中央競馬のほうが、怪しいシーンや違和感を覚えるシーンが少ないのは事実。前提としてクリーンにレースが行われているはずである。しかし、八百長とまではいかずとも、すべての騎手が、すべてのレースで、なりふり構わず全力騎乗をしているとは限らない。騎手も感情を持った人間だ。忖度、気づかい、義理、人情、遠慮、萎縮など、さまざまな心理的要因によって、ほかの馬や騎手に有利な状況をつくるような騎乗をしてしまうことはあるだろう。このレースは、そんな人間の心理が結果に少なからず影響を及ぼす可能性が高いと判断して、予想対象に取り上げることにした。

注目したいのは、今週の騎乗をもって現役を引退することが決まっている水口優也騎手だ。このレースでは、3歳馬のハリーケーンに騎乗する。ラストライドはこのあとに控えている12Rとなるが、騎乗馬の能力を考えたら、おそらくここが勝利を挙げるラストチャンスになるだろう。水口騎手はこの馬にデビュー以来、すべてのレースで跨ってきたので、思い入れも相当強いはずである。

馬は年長馬と初対戦となった前走で3着。このクラスで戦えるメドを立てた。先着を許した2頭は2勝クラスでは明らかに能力上位の存在なので、相手関係やレース条件次第ですぐに勝ち上がることができるだろう。逃げたときに上位着を取っていることから、ここも先手を主張するレース運びをしてくるとみる。

ここでクローズアップされるのが水口騎手の存在だ。私はもちろん、お会いしたことはない。どんな性格なのか、ハッキリとはわからない。しかし、悪い噂は聞いたことがないし、インタビューの表情や口ぶりからは「間違いなくいい人」感が伝わってくる。騎手仲間の間でもおそらく好かれていて、敵も少ないキャラクターなのではないか。そんな気がする。

冒頭で触れたことに話を戻すと、八百長ではなくても、騎手が空気を読んだ騎乗をすることはきっとある。引退する水口騎手に花を持たせたい??内心そう思っている騎手は大勢いるだろう。となれば、同型の馬も無理に競りかけてこず、すんなりハナに立って自分の競馬に徹することができる可能性がグッと高まる。人気馬ゆえに、「八百長で勝たせた」と批判されることはまずない。ハリーケーンが逃げ切って水口騎手が有終の美を飾ることを期待し、1着固定で勝負したい。

■印・買い目
◎9ハリーケーン
○13グーヴェルナイユ
▲8オースミリン
△1タイセイウォリアー
△10ダノンスウィッチ
△4ダブルジャッジ

【馬単】9→13,8,1,10,4（5点）
【3連単/軸1着】9→13,8,1,10,4（20点）