■阪神11R・大阪杯

私の予想は「逃げ馬が作り出す血統的なペース・流れ」によってレースが支配されると考えることから、どの馬が逃げるかを考察することから始まる。

＜想定逃げ馬＞
今回の登録メンバーから診て、デシエルトの逃げが有力と診る。
レース一週間前の段階で鞍上が未定、結局テン乗り騎手となるが、誰が乗っても抑えが効かないほどの逃げを披露しており、陣営も制御することを諦めているようで、デシエルトの逃げが濃厚である。

＜想定血統ペース＞
・血統ペースを作り出す想定逃げ馬：デシエルト
・父ドレフォン、母アドマイヤセプター
・形相遺伝対象：Relaunch（父の母父の母父）
・形相遺伝系統：Northern Dancer系統経由Fair Play系統

狙いは、形相遺伝系統またはこの系統と親和性のある系統を、父や形相遺伝背景に持つ馬。また、父＋母父の組合せ等により、相似関係が認められる馬も補充対象となる。

＜血統ペース適合ランク＞（想定逃げ馬除く。ランク内はアイウエオ順）
・適合ランクA
該当なし

・適合ランクB
ホウオウビスケッツ、ヨーホーレイク、ラヴェル

・適合ランクC
エコロヴァルツ、コスモキュランダ、シックスペンス、ベラジオオペラ

・適合ランクD
ジャスティンパレス、ロードデルレイ

※Aが最も適合が良く、以下Cまでが適合を示す判定を表し、Dは上位馬の不具合によるキャンセル待ちなら可。記載の無い馬は適合していない馬であり、一部の例外を除き原則的には評価対象とはならない。
※あくまでも血統ペースへの適合を示すランクであり、個体能力を示すものではない。

＜本命馬考察＞
◎ホウオウビスケッツ（5歳牡馬）
・形相遺伝対象：ホウオウサブリナ（母）
・形相遺伝系統：Mr. Prospector系統
・料的遺伝数値：4.25（普通）
・闘争本能：優
・頭脳：普
・配合質：配合メリット無
・コンプレックス：無

本馬は前走金鯱賞に出走、デシエルトが暴走気味に逃げるという展開の中で2番手で運び、このデシエルトを捕まえに行かなければならないという、難しい役回りとなったが、これが差し馬勢の動き出しの目標となってしまい2着惜敗、それでもハナ差であり、負けて強しの内容と云える。

今回想定するデシエルトが逃げて作り出す血統ペースに対しては、形相遺伝系統が親和性を示すことから適合しており、父も米国型Northern Dancer系統で合致、二つの適合要素を持つことから、登録メンバーの中でも適合性が高い存在である。実際に、前出の金鯱賞ではデシエルトが逃げる展開でハナ差2着と好走しており、この走りは、血統ペースが適合しているからこそ実現したパフォーマンスである。

本馬はスプリント型の父の影響から中距離では逃げ先行型に出ているが、形相遺伝系統であり母父のルーラーシップから診て、実は広いコースを伸び伸びと走ることが向くタイプであり、昨秋の毎日王冠から天皇賞・秋の連続好走にも表れているが、今回の舞台である小回り急坂コースへの対応が求められる。

それでも、血統ペース適合の良さは走りやすさ・アシストに繋がることから、先行型が毎年好走するレースでもあり、好走可能な存在と診る。

本馬は5歳古馬牡馬であるが、父マインドユアビスケッツの初年度産駒ということで、国内産駒数から診て父がマイナーの血の存在であり、古馬牡馬が血を残そうとする本能レベルに基づいて、現在も闘争本能が旺盛である。既に父系の血が溢れ返って飽和状態すら超えてしまっている、父サンデー系や父キンカメ系の古馬牡馬が、本能レベルに基づいて闘争本能が減退・喪失するのに対し、本馬はボス争いに参加できる古馬牡馬であり、特に繁殖シーズン期にある春戦線では重用されるべき存在であることを補足する。

以下は血統ペース適合ランクに基づき評価を付す。

■印・買い目と資金配分

◎2ホウオウビスケッツ
◯7ヨーホーレイク
▲11デシエルト
☆10シックスペンス
注3ラヴェル
△13ロードデルレイ
△9コスモキュランダ

【複勝】3（1点）＝1000円
【馬連】2＝7,11,10（3点）＝各500円
【ワイド】2＝7,11,3,13,9（5点）＝各500円

■阪神10R・夢洲S

私の予想は「逃げ馬が作り出す血統的なペース・流れ」によってレースが支配されると考えることから、どの馬が逃げるかを考察することから始まる。

＜想定逃げ馬＞
血統ペースを作り出す想定逃げ馬はナムラエイハブと診る。
本馬はこれまでの3勝中2勝は逃げ作戦であり、今回の鞍上松山騎手でも前々走で逃げて勝利している。
前走も松山騎手だったが逃げられず4着敗戦しており、陣営としても再度松山騎手を配し、今回は何が何でも逃げを企画するはずである。競合馬もおらず、逃げるのはナムラエイハブと診る。

＜想定血統ペース＞
・血統ペースを作り出す想定逃げ馬：ナムラエイハブ
・父リアルスティール、母父エンパイアメーカー
・形相遺伝対象：Toussaud（母父の母）
・形相遺伝系統：Northern Dancer系統

狙いは、形相遺伝系統またはこの系統と親和性のある系統を、父や形相遺伝背景に持つ馬。また、父＋母父の組合せ等により、相似関係が認められる馬も補充対象となる。

＜血統ペース適合ランク＞（想定逃げ馬除く。ランク内はアイウエオ順）
・適合ランクA
該当なし

・適合ランクB
該当なし

・適合ランクC
ウルトラソニック、プッシュオン、ブリュットミレジメ、ユハンヌス、ワンダイレクト

・適合ランクD
ムーンリットナイト、ヤマニンアストロイド

※Aが最も適合が良く、以下Cまでが適合を示す判定を表し、Dは上位馬の不具合によるキャンセル待ちなら可。記載の無い馬は適合していない馬であり、一部の例外を除き原則的には評価対象とはならない。
※あくまでも血統ペースへの適合を示すランクであり、個体能力を示すものではない。

＜本命馬考察＞
◎ナムラエイハブ（4歳牡馬）
・形相遺伝対象：Toussaud（母父の母）
・形相遺伝系統：Northern Dancer系統
・料的遺伝数値：4.50（普通）
・闘争本能：劣
・頭脳：優
・配合質：配合メリット無
・コンプレックス：無

本馬の形相遺伝対象Toussaudはエンパイアメーカーの母であるが、英米国で15戦7勝と全て芝のマイルから中距離路線で活躍しており、エンパイアメーカー自身が米国ダート実績馬ながら、時折芝対応型の産駒を輩出するのは、この血の背景が有るからである。本馬の母のナムラアンもこのような影響を受けているので、父エンパイアメーカーでもダートではなく芝で戦績を残している。

本馬は現在、逃げた際の走りが連勝中だが、父が満8歳時種付けにより0遺伝配合となっており、このことで母父の米国的な走行ベクトルの加工処理を受けていることから、スピードを自足させる走りが合っていることになり、今回も最内枠から逃げて自分のレースができることは強調材料と言える。

血統を研究する私にとって、本馬の血統表を見て真っ先に目が行くのは、サンデーサイレンス3×3の血の配合である。一般的にこのような強い近親配合を抱えている場合、多くは流産死産、運良く生まれてきても外形面・内臓面などに奇形を抱えてしまい、競走馬登録に至らないケースや、順調に使えない、休み休み使われるような虚弱な競走馬になる。

人間でも、なぜ多くの国や地域で近親婚が禁止されているのかと言えば、倫理的・宗教的という側面と合わせて、生まれてくる子供が望まない事態に至ってしまうことを避けるためである。そのため、このような悲劇を招かないために、馬産においては近親配合の弊害を除去する配合手法が必要となり、その中の一つが、本馬に見られる0遺伝配合である。

この配合手法により、本馬の母母父サンデーサイレンスの血も近親配合がリセットされ、その効果で資質の固定が図られることに繋がっている。もしも仮に本馬の父リアルスティールが0遺伝配合でなければ、本馬は強い近親配合を抱えることとなり、様々に苦しむことは容易に想像できる。

世間一般に「奇跡の血量4×3」などと安易に言われるが、一見して近親配合で活躍している馬は、例外なく全て何らかの近親配合の弊害が除去される、生産者の工夫が施されている。そうでなければ、生物として可哀想過ぎる。

生身の馬は、決してゲームのキャラクターではない。

話がやや逸れてしまったが、単騎逃げ濃厚で、道悪見込みの馬場も苦にしない本馬を評価し、以下は血統ペース適合ランクに基づき評価を付す。

■印・買い目と資金配分

◎1ナムラエイハブ
◯11プッシュオン
△5ワンダイレクト
△7ブリュットミレジメ
△13ユハンヌス
△4ムーンリットナイト

【馬連】1＝11（1点）＝1000円
【ワイド】1＝5,7,13,4（4点）＝各1000円