秋競馬真っ盛りのこの1週間。ファンにとっては堪らない日々が続いていますが、先週の当コラムで、日本軽種馬協会（JBBA）が凱旋門賞馬ソットサスをはじめ3頭の種牡馬を導入したことについて書きました。一方、アルデバランII、スクワートルスクワート、バゴ、デビットジュニアの種牡馬引退も明らかになり、4頭ともに触れたいのですが、やはりバゴについて書きたいと思います。

2004年の凱旋門賞を制したバゴは、それも含めGI5勝。05年のジャパンC8着を最後に引退し、そのまま日本で種牡馬入りしました。すると、初年度産駒からいきなり菊花賞馬ビッグウィークや、桜花賞2着のオウケンサクラなどを輩出。また、近年はグランプリ3連勝を達成するなどGI4勝の名牝クロノジェネシスも送り出しました。
同馬は、サンデーレーシングから総額1,400万円（35万円×40口）で募集され、海外のレースも含めておおよそ12億円の賞金を獲得。回収率は約8600％で、いわゆる一口馬主クラブ馬の中では史上1位です。
また、バゴは5代母が大種牡馬ノーザンダンサーの母ナタルマで、この一族からは他にもマキャベリアンやデインヒルなどが出ている名牝系の出身。現役馬ではレモンポップも5代母がナタルマです。
バゴは現在23歳で種牡馬引退もやむなしですが、産駒ステラヴェローチェが先日の天皇賞後に屈腱炎を再発し現役引退、種牡馬入りが決定したため、後継としての活躍が期待されます。

それでは予想に。

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今回は、武蔵野Sの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

（1）前走3コーナーの位置取り
（2）馬齢
（3）生月
（4）前走頭数
（5）前走馬番
（6）前走斤量
（7）前走人気
（8）前走馬体重と前走距離
（9）父の系統
（10）母父の系統
（11）生産牧場

近年の好走傾向から買い条件となったのは上記11項目。その中で、（1）は前走3コーナーの位置取りについて。
東京の長い直線を使っておこなわれる武蔵野S。前走も今回も差しに回った馬が有利なレースです。とりわけ、前走3コーナーで7から10番手に位置していた馬は［3-3-2-9/17］。勝率17.6％、複勝率47.1％。単勝回収率213％、複勝回収率281％。好走率は僅かに50％を下回っているものの、十分な回収率でした。
◇該当馬＝キタノヴィジョン、ペリエール、タマモロック

（2）は馬齢。
ベテランが意地を見せている当レース。中でも、6から8歳の関西馬で前走がダート。かつ、前走が重馬場以外で、その時の斤量が56キロか57キロだった馬は［3-2-3-7/15］。勝率20.0％、複勝率53.3％。単勝回収率246％、複勝回収率305％。文句なしの成績を残していました。
◇該当馬＝サヴァ

次は（3）。生月です。
武蔵野Sは2、3月生まれの好走率が高く、そのうち前走の出走頭数が今回より少なかった馬は［1-2-4-7/14］。勝率7.1％、複勝率50.0％。単勝回収率30％、複勝回収率326％。該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝メイショウテンスイ、エルゲルージ、ペイシャエス、イーグルノワール

（4）は前走頭数について。
（3）とやや重なりますが、前走14頭以下のレースに出走した馬の好走率が高い武蔵野S。そのうち、今回56キロか58キロを背負う馬は［0-2-5-6/13］。複勝率53.8％、複勝回収率387％。勝ち切れてこそいないものの十分な成績です。
◇該当馬＝イーグルノワール

（5）は前走馬番。
武蔵野Sは、前走内枠か外枠を引いた馬の頑張りが目立つレース。具体的には、前走馬番が1から3か13から18で、かつ、前走勝ち馬から0秒7差以内の負けを喫した馬は［3-2-3-4/12］。勝率25.0％、複勝率66.7％。単勝回収率315％、複勝回収率392％と、凄まじい成績を残していました。
◇該当馬＝サンライズホーク

（6）は前走斤量です。
前走から斤量が軽くなる馬が強い当レース。とりわけ、前走に比べて斤量が1キロから1.5キロ軽くなり、なおかつ前走馬番が奇数だった馬は［3-2-2-5/12］。勝率25.0％、複勝率58.3％。単勝回収率315％、複勝回収率334％。好走率は6割に迫ります。
◇該当馬＝ペイシャエス

（7）は前走人気について。
近年の武蔵野Sは、前走、地方競馬のダート交流重賞で人気を集めた馬、もしくは、海外のレースに出走した馬が強さを発揮していました。とりわけ、前走、地方競馬のダート交流重賞で5番人気以内。もしくは海外のレースに出走した馬は［3-2-2-5/12］。勝率25.0％、複勝率58.3％。単勝回収率132％、複勝回収率168％。（6）と同じ好走率でした。
◇該当馬＝メイショウテンスイ、サンライズホーク

続いては（8）。前走馬体重と前走距離で、ここは2パターンご紹介します。まずは、前走馬体重が500kg以下だった馬。
こちらは、前走1200ｍか1600ｍか1700ｍのレースに出走したキャリア16戦から30戦の馬が［2-2-2-6/12］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率105％、複勝回収率175％で、該当馬の半数が好走。
◇該当馬＝ゼットリアン、キタノヴィジョン、ペイシャエス

一方、前走馬体重が520kgから540kgの馬は、前走距離が1800ｍ以下。なおかつキャリア30戦以下の馬が［3-0-1-4/8］。勝率37.5％、複勝率50.0％。単勝回収率431％、複勝回収率398％。勝率の高さが魅力です。
◇該当馬＝エルゲルージ、サヴァ、エンペラーワケア

（9）は父の系統。
ミスタープロスペクター系を中心とするネイティヴダンサー系種牡馬の産駒が頑張っている当レース。その中でも今回ブリンカー非装着、かつ今回4から8枠を引いた馬は［0-2-4-5/11］。複勝率54.5％、複勝回収率319％と、文句なしの成績でした。
◇該当馬＝エルゲルージ、サヴァ、エンペラーワケア、サンライズホーク

（10）は母父の系統です。
近年の武蔵野Sは、ロイヤルチャージャー系種牡馬かマンノウォー系種牡馬を母の父にもつ馬の好走率が高いレース。そのうち、今回美浦所属騎手か短期免許で来日中の外国人騎手が騎乗し、前走ダート戦に出走。なおかつ当時、馬体重増減なしかプラス1kgか2kgだった馬は［3-2-3-2/10］。勝率30.0％、複勝率80.0％。単勝回収率378％、複勝回収率451％と、凄まじい成績でした。
◇該当馬＝ドルチェモア、タマモロック

そして最後は（11）生産牧場について。
社台ファーム生産馬の活躍が目立つ当レース。過去5年の成績は［0-1-3-3/7］で、複勝率57.1％、複勝回収率444％。（4）（9）同様、勝ち切れていないものの十分な成績です。
◇該当馬＝イーグルノワール

これら11の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎14サンライズホーク
○15イーグルノワール
▲9ペイシャエス
☆8サヴァ
△7エルゲルージ
△12タマモロック
△5メイショウテンスイ
△10エンペラーワケア

【単勝】14（1点）
【馬単/マルチ】14⇔15,9,8,7,12,5,10（14点）
【ワイド】14＝15,9,8,7,12,5,10（7点）
【3連複/ボックス】14,15,9,8,7（10点）

本命候補は、3項目に合致したエルゲルージ、サヴァ、ペイシャエス、サンライズホーク、イーグルノワールと、なんと5頭。11個も買い条件を出しておきながらこれかよ……という感じになりましたが、サンライズホークを本命とします。

昨年、佐賀でおこなわれたサマーチャンピオンから交流重賞を3連勝したサンライズホーク。ところが、今年3月の黒船賞で大敗を喫すると、そのままズルズル4連敗。ただ、前走のオーバルスプリントは3着と復調の兆しを見せました。
サンライズホークは非常に気難しい面のある馬で、逃げられなかったり揉まれたりすると弱く、なおかつ黒船賞からの3戦はいずれも重か不良馬場。一方、今回は良馬場見込みで、なおかつ外枠を引き条件が好転しそう。エンペラーワケアは強敵ですが、巻き返しを期待します。

馬券は、サンライズホークの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイドを購入。ただ、気難しい面が出て大敗する可能性もなくはないので、邪道ともいうべき本命候補5頭の3連複ボックスも買います。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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