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調教ライター 西村武輝

2024/10/13 18:00

府中牝馬ステークス2024 最終結論【調教】本命はひと際好調のあの馬!新コンビを組む騎手との化学反応にも期待【重賞深掘りPROJECT】

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例年は毎日王冠、京都大賞典の週が3連休で3日間開催なのですが、今年は日にちの並びの都合上秋華賞週が3日間開催。

3日目の祝日月曜に東京競馬場で行われるのが「府中牝馬S」です。祝日月曜に開催は5年前の2019年以来。ちなみにその2019年10月14日は「スポーツの日」になる前の、歴史上最後の「体育の日」でした。そしてこの10月第2週は台風到来で土曜日曜の東京開催が中止。土曜分を火曜に、日曜分を翌週の月曜に振り替えるというドタバタ劇があったのを記憶されている方も多いかもしれません。

話が横道に逸れたついでに「10月東京の府中牝馬S」は今回で最後。2025年からはこれまでサブタイトル的に乗っかっていた「アイルランドトロフィー」を正式な重賞名として10月東京の牝馬GIIとして開催されます。そして「府中牝馬S」自体は6月東京に移設。同時期のマーメイドS(来年から消滅)の機能を引き継ぎ、牝馬の芝1800mハンデGIIIとして行われます。

じゃあ同舞台のエプソムCは?となりますが、エプソムCは5月に移るとのこと。先日の2025年上半期に関するJRA発表、「宝塚記念が前倒しになる」ぐらいしか把握してなかったんですが、改めて確認すると結構な変革ぶりですね。

さてそんな東京秋でラストの「府中牝馬S」。今年は別れを惜しむかのように例年以上の豪華メンバーが顔を揃えました。

まず過去の調教傾向を探ることとし、過去3回の馬券対象馬9例を見ていきます。

最終追いは7例が坂路、2例がコース追いで坂路組優勢。コース組は中間に坂路調整をこなしており、坂路経験は必須と考えていい。なお坂路組も7例中6例は中間にコースで追っており、併用調整で総合力を鍛えるのが望ましいということでしょう。

坂路オンリーは2021年1着シャドウディーヴァの1例だけ。夏の関屋記念が案外な走り(2番人気→7着)に終わっており、そこからの巻き返しを意識して通常より速く帰厩させウッドでの負荷よりも坂路での本数を多く稼ぐという調整で臨んだ策が見事ハマったものでした。陣営的に前年2020年に2着に終わっていたレースで、重賞初勝利を掴んだわけで会心の調整だったんではないでしょうか。

なお「中間の坂路」ということで言えば9例すべてで週末追い(ほぼ日曜追い)に坂路調整をこなしていました。やはり健康状態の確認、最終追いの指針決定のために日曜に流してより良い状態で最終追いを迎えた馬が結果を残す傾向にあるということか。

以上を踏まえ、まずは「府中牝馬S」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■アスコルティアーモ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 折り合い重視で3勝クラスを目標に追走。直線で促されるとスパッと弾け、5馬身差を一気に詰めての併入としている。仕掛けを待てる余裕があり、精神面でかなりいい状況のようだ。復帰戦だった前走から大幅に上昇。

■コンクシェル【7】
助手騎乗 栗東CW併せ馬 日曜追いで速い全体時計を出しており、今週は終い重点でレース感覚の研ぎ澄ましに注力。2歳未勝利に取り付き、相手に合わせて併入とした。時計は地味だが、オーバーワークを避けたものでまったく問題ない。中間に放馬があったが、以降は順調そのものだし、いい状態で走れそう。

■ハーパー【7】
武豊騎手騎乗 栗東CW単走 1週前に強い負荷を掛けられており、今週は鞍上が反応面を確かめるような内容。ゆったり入って時計となったのは4Fから。体を伸び伸びと使えており、前向きさもかなりのレベルだった。中間の動きは申し分なく、夏の休養で大きく立ち直ってきたようだ。好気配。

■フィアスプライド【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 オープン馬パラレルヴィジョン(富士S出走予定)と互角以上に動いた1週前が実質の最終追い。今週は楽な相手との併せ馬で操縦性を確認する程度の内容だった。直線での併走では常に優勢の手応えで前に出ようとする勢いを感じさせる。結局相手に合わせての併入となったが、促せば突き放せそうな雰囲気にあった。安田記念以来となるが、ほぼ万全の仕上がりだ。

■フィールシンパシー【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前追いで終いを鋭く伸ばされており、今週は実戦感覚を研ぎ澄ますことに専念したような内容。2秒以上先に行かせた2頭を楽に追い詰め、最内に進路を取った直線でも楽な手応えのまま切れ勝ちし、それぞれに半馬身ほど先着を果たしている。気持ちがしっかり乗っており、脚捌きも軽快。久々でも持てる力をフルに出せそう。

■ブレイディヴェーグ【7】
杉原騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 2頭を大きく先行させ追走する意欲的な調整。速いラップを刻んで進んでいくが、ラストまで勢いを失わず鋭く伸びて1頭に併入、1頭に先着とした。新潟記念を見送るなど順調さを欠いての1年弱ぶりだが、それを感じさせない好気配。

■モズゴールドバレル【7】
助手騎乗 栗東CW併せ馬 1週前の坂路単走で目一杯追われており、今週は終い重点の3頭併せで実戦感覚を涵養。直線では2頭の間に割って入る形となり、ラストの追い比べでは力強く伸びて1頭に先着、1頭と併入とした。レースでの結果が出ない状況続くが、調子自体は常に上々で、今回もいい状態で臨めそう。

■モリアーナ【8】
助手騎乗 美浦ウッド単走 1週前に岩田康騎手が駆け付けラスト1F10秒8(馬なり)をマークしたウッド追いが実質の最終追い。今週は終い重点でメリハリをつけること意識した内容をこなした。直線半ばから自然と重心を下げ加速していったあたり、気持ちの乗りは相当のレベルにありそう。大敗だった前走から大きく立ち直ってきたようで、目下絶好調と言える。

■ルージュリナージュ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 オープン馬コムストックロードを3馬身追走し、いい手応えで食らいついて半馬身差まで詰め寄っている。遅れ入線ではあるが、相手は今週のレースに出走する短距離ホースなことを考えればむしろ褒めていい内容。このひと追いで万全の状態に仕上がったのでは。

▼「府中牝馬S」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19855/0/112

調教採点【8】点と最高評価としたのはモリアーナ。紫苑Sでの鮮烈な末脚が印象深いですが、クイーンCでタイム差なし3着、外を回らされたヴィクトリアマイルで0秒5差7着で東京コースも問題なくこなせるクチです。

前走は大外枠で、武藤雅ジョッキーも序盤の進め方に相当迷ったような乗り方になってしまったよう。結局終始外々を回ることになり、最後は無理をさせていませんでした。着順には目を瞑っていい。

常に稽古ではよく見せ、体調や精神状態のブレが少ないタイプですが、この中間はひと際雰囲気がいい。1週前に岩田康騎手が騎乗した際の折り合いぶり、弾けっぷりは絶品でこのコンビ結成は大正解ではないでしょうか。最終追いもキビキビと動けており、能力をフルに発揮できそうな状況です。好枠に入りましたし、1年ぶりの勝利に期待し本命とします。

逆転候補の対抗としてフィアスプライド。この馬も常に好調を維持できるタイプですね。昨年6月エプソムC、今年3月中山牝馬Sを近2回の休み明けで案外な走りですが、前者は爪不安明けの半年ぶりでさすがに攻め切れていなかったし、後者は前残りの流れを外枠後方から追走する展開面の不利。今回は4カ月半ぶりの休み明けですが、予定通り順調に調整が進んでおり、過去2回のようなことはないでしょう。

ターコイズS勝ち、ヴィクトリアマイル2着などに導いたC.ルメール騎手ではなく初騎乗となるM.デムーロ騎手との相性がどうか。そのあたりで割り引きましたが、力量を考えれば勝ち負けになっていい。

そのルメール騎手とのコンビで臨んでくるのがエリザベス女王杯勝ち馬ブレイディヴェーグですね。この1年順調さを欠いてしまい、今回はかなり久々ですが先週と今週の動きから完全に立ち直ったと見ます。初勝利を挙げたのが骨折で半年休んだあとの2023年2月東京芝1800m戦で、6馬身差の圧勝でした。なんと2勝目も骨折休養を経ての4カ月半ぶり。気性的に久々をまったく苦にしないのはいいですね。メンバー内唯一の57キロがどう響くかですが、上位進出の可能性十分。▲とします。

全4勝が芝1800m戦。うち東京で2勝のアスコルティアーモ。前走の昇級初戦では大敗を喫しましたがルメール騎手の判断で逃げる形を取ったのが完全に裏目だっただけでしょう。相手強化のここか改めて試金石ですが、準オープン馬を楽にアオった最終追いの攻め気配から状態は攻め不足だった前走以上と見ていい。好枠から上手く立ち回っての好走に期待。

昨年の牝馬3冠+エリザベス女王杯ですべて上位争いに加わったハーパー。今年2戦の大敗は相手関係を考えれば仕方ない面もありますが、それにしても淡白過ぎる走りでした。気持ちの面でなにかしら問題を抱えているのかも。ただし攻めの動きは雄大で体調はいかにも良さそう。半信半疑ながら、力上位なのは間違いないですから印は回します。

穴でモズゴールドバレル。オープン入り後はパッとしませんが、2走前のクイーンSはかなり窮屈なレースを強いられ、勝負どころでも積極的に動けなかった不利がありながら0秒3差8着。条件戦自体はマイルで勝ち上がってきた馬ですが、オープンでは1800mぐらいがいいのかも。攻めでは常にいい動きを見せており、きっかけひとつで浮上があっていい。シュタルケ騎手騎乗が刺激になれば。あと、昨年秋に調子を上げており、11月ですが東京で勝利。ここでパフォーマンスを一気に上げてくるかも。

マスクトディーヴァは陣営コメントが示すように明らかに調子が戻っていませんね。坂路最終追いではラスト2Fラップがまさかの失速。そして「休み明け&東京」は東京新聞杯の大敗が頭をよぎるところ。それで上位人気になるのならここは敢えて消します。

採点【7】点のうちコンクシェルは内枠ラリュエルとの逃げ争いで無駄な脚を使いそう。狙うならターコイズSではないでしょうか。ここは無印としました。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「府中牝馬S」最終結論>

◎4 モリアーナ
○7 フィアスプライド
▲5 ブレイディヴェーグ
☆2 アスコルティアーモ
△1 ハーパー
△9 フィールシンパシー
△15 ルージュリナージュ
△13 モズゴールドバレル

【単勝】4(1点)
【馬連】4=7,5,2,1,9,15,13(7点)
【3連複/フォーメ】4,7=4,7,5,2=4,7,5,2,1,9,15,13(24点)
【3連単/フォーメ】4,7→4,7,5,2→4,7,5,2,1,9,15,13(36点)

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