ありがたいことに、中央競馬は今週末も3日間開催。先週のシリウスSに始まり、スプリンターズS、ダービーグランプリ、凱旋門賞ときて、週中は東京盃とレディスプレリュード。さらに、今週末は1日1レース重賞がおこなわれ、この素晴らしい10日間を締めくくるのが、盛岡でおこなわれるGIマイルチャンピオンシップ南部杯です。

早速、3日間開催の開幕戦、サウジアラビアロイヤルCの予想に入りたいところですが、まずは先週の振り返りを。9月30日におこなわれたシリウスSを取り上げます。

勝ったのは6歳馬ハギノアレグリアス。1番人気に応える完勝で、JRAの重賞初勝利となりました。

レースは、揃ったスタートからサンマルレジェンドが先手を切り、サンライズホープ、アイコンテーラーが続く展開。第2集団は、内からキリンジ、ヴァンヤール、ヘラルドバローズ、ハギノアレグリアスがほぼ横一線となって1コーナーに進入し、上位人気馬は軒並み前、もしくは中団に位置していました。

前半1000ｍ通過は1分2秒4の平均ペースで、先頭から最後方のクリノドラゴンまでは、およそ12馬身の差。さほど縦長の隊列にならず、レースは勝負所の3、4コーナー中間へ。
ここでキリンジが後退。一方、第2集団に位置していたその他3頭がスパートを開始し、前は6頭が一団に。中でも、アイコンテーラーとハギノアレグリアスが絶好の手応えで4コーナーを回り、そのまま直線勝負を迎えました。

直線に入ると、アイコンテーラーがすぐに抜け出しリードは2馬身。追ってきたのはハギノアレグリアスただ一頭で、坂下から徐々に差を詰めると、残り50ｍでアイコンテーラーを捕らえ、１馬身1/4差をつけ先頭でゴールイン。2着にアイコンテーラーが入り、フルヴォートの追撃を抑えたヴァンヤールが3馬身1/2差の3着に粘り切りました。

良馬場の勝ちタイムは2分4秒4。サンライズホープと並んでトップハンデの58.5kgを背負ったハギノアレグリアスが、3月の名古屋大賞典に続く重賞2勝目。管理する四位洋文調教師ともどもJRAのダート重賞は初制覇で、キズナ産駒も同じくJRAのダート重賞は初勝利となりました。

6歳秋を迎えたハギノアレグリアスは、まだこれが15戦目。3歳秋にオープン入りしたほどの素質馬でしたが、両前肢に屈腱炎が判明。1年8ヶ月に及ぶ長期の休養を強いられたものの、昨年6月に復帰してからは8戦3勝2着3回4着2回と安定しています。

また、長期の休養を挟んでいるため消耗は少ないはず。前走の交流GI帝王賞も4着と好走しているだけに、次走がJBCクラシックやチャンピオンズCでも十分に好走できると思いますが、素晴らしいスタミナを有しているため、2000ｍ以上が適していそう。脚元が順調にいけば、高齢になっても第一線で活躍してくれるのではないでしょうか。

一方、2着の牝馬アイコンテーラーも、ダート2戦目とは思えないほど堂々とした走り。直線、早目抜け出しから押し切りを図る横綱相撲のようなレース運びで、敗れたとはいえ牡馬相手にこの内容は素晴らしく、次走予定されているJBCレディスクラシックでも好勝負は必至とみます。
また、同レースを勝利すれば、昨年のヴァレーデラルナに続き、ドゥラメンテ産駒の連覇ということになります（もちろん、ヴァレーデラルナが連覇する可能性もあります）。

それでは予想に。

今回は、サウジアラビアロイヤルCの過去5年を深掘り調査。好走傾向から重視できそうな指標を探し、本命馬を見つけます。

（1）前走距離
（2）生月
（3）前走場所
（4）前走馬体重
（5）前走着差
（6）生産牧場
（7）前走からの間隔
（8）前走人気

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記8項目。まず（1）は前走距離です。
前走も1600ｍか、札幌芝1500ｍのレースに出走した馬が活躍しているサウジアラビアロイヤルC。その中でも、前走の出走頭数が11頭立て以上だった馬は［4-4-4-7/19］。勝率21.1％、複勝率63.2％。単勝回収率84％、複勝回収率167％。文句なしの好成績でした。

次は（2）。生月について。
2歳限定の重賞だけあって、早生まれが活躍している当レース。1、2月生まれを合算すると［5-4-3-5/17］で、勝率29.4％、複勝率70.6％。単勝回収率102％、複勝回収率164％。これまた、文句なしの好成績でした。

（3）は前走場所。
左回りや、長い直線など。当レースがおこなわれる東京競馬場と、新潟競馬場には複数の共通点があります。サウジアラビアロイヤルCは、前走東京か新潟のレースに出走した馬が強さを発揮しており［3-4-4-6/17］。勝率17.6％、複勝率64.7％。単勝回収率29％、複勝回収率195％。これまた好走率が6割超の素晴らしい指標です。

（4）は、前走の馬体重について。
大型馬が良績を収めている当レース。前走馬体重が480kg以上だと［4-1-4-4/13］。勝率30.8％、複勝率69.2％。単勝回収率124％、複勝回収率133％。

一方、前走440kg以上460kg未満の中型馬は、前走上がりが1位であれば［1-3-1-2/7］。複勝率71.4％。複勝回収率168％。サンプルは少ないものの、素晴らしい成績を収めていました。

折り返しの（5）は、前走着差です。
当レース出走馬の半数近くは、前走新馬戦を勝ち上がってきた馬ですが、そのときの内容は重要。前走新馬戦で2着に0秒2以上の差をつけて勝った馬は［4-4-1-2/11］。勝率36.4％、複勝率81.8％。単勝回収率107％、複勝回収率152％。好走率は、なんと8割を超えています。

続いて、（6）は生産牧場。
数多の活躍馬を輩出してきたサウジアラビアロイヤルCは、「絶対王者」ノーザンファームの生産馬が強さを発揮してきた舞台。中でも、キャリア1戦の同場生産馬は［4-2-1-2/9］。勝率44.4％、複勝率77.8％。単勝回収率118％、複勝回収率106％。複勝回収率はやや低いものの好走率は8割に迫り、まったく無視できない指標です。

一方、ノーザンファーム生産の牝馬は［1-2-2-0/5］。複勝回収率110％。過去5年の該当馬はすべて馬券に絡んでいました。

（7）は、前走からの間隔について。
前走から、ややゆとりのある間隔で臨む馬が健闘している当レース。具体的には、前走から中5週以上。なおかつ、その前走で奇数馬番を引いていた馬は［3-2-3-1/9］。勝率33.3％、複勝率88.9％。単勝回収率104％、複勝回収率264％。恐ろしいほどの好走率です。

そして最後は（8）。前走人気について。
サウジアラビアロイヤルCは、前走1番人気馬を素直に買いたいレース。その中でも、母父がネイティヴダンサー系以外の種牡馬であれば［3-2-2-1/8］。勝率37.5％、複勝率87.5％。単勝回収率128％、複勝回収率177％。意外にも、今年の該当馬はシュトラウスだけでした。

これら8つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎1　シュトラウス
○3　ボンドガール
▲2　ゴンバデカーブース
☆7　レーヴジーニアル
△9　マイネルブリックス
△4　エコロマーズ
△8　マリンバンカー
△6　ウインアクトゥール

【買い目】

・馬単マルチ　1＝2、3、4、6、7、8、9　計14点
・ワイド　1→4、6、7、8、9　計5点
・3連単1、2着ながし　1→3→2、4、6、7、8、9　　計6点
・3連単1、3着ながし　1→2、4、6、7、8、9→3　　計6点

本命は、6項目に該当したシュトラウス。5項目該当のボンドガールを対抗としました。

父はモーリスで、母もGIマイルCSの勝ち馬ブルーメンブラットという良血馬のシュトラウス。今年、東日本で最初におこなわれた新馬戦を9馬身差で圧勝しましたが、このレースは不良馬場でおこなわれ、他の出走メンバーで後に勝ち上がったのは10月6日時点で1頭だけ。そのため、この9馬身という着差をそのまま鵜呑みにはできないものの、同馬の素質の高さは疑いようがありません。

また、これは私自身の話ですが、昨年の当レースで同じくノーザンファーム生産のモーリス産駒、ルメール騎手騎乗のノッキングポイントを本命にして痛い目にあっているため、今年はなんとかリベンジをとも思っています。

馬券は、シュトラウスからの馬単マルチとワイドを購入。さらに、シュトラウス1着、ボンドガール2着と、シュトラウス1着、ボンドガール3着の3連単ながしを2パターン購入。当然、配当がつくのは後者。2着に穴馬が突っ込み、なんとか一角崩ししてくれることを願っています。

それでは、土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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