【今週の注目重賞】
■スプリンターズS
10月1日（日）、中山競馬場で第57回・スプリンターズS（3歳上、GI、定量、芝1200m）が行われる。

人気の中心はナムラクレア（牝4、栗東・長谷川）で間違いない。昨年のこのレースでは2番人気に推されながら5着と不本意な結果に終わったが、今年の高松宮記念では勝ち馬に0秒1差の2着に好走。悲願のGI制覇は手の届くところにありそうだ。前走・キーンランドCでは中団に構えると4コーナーで先団に取りつき、大外に出された直線で差し脚を伸ばして重賞4勝目を挙げた。今度こそGIウィナーの称号を手にし、新スプリント女王へと名乗りを挙げたい。

アグリ（牡4、栗東・安田隆）は阪急杯勝ち馬。前哨戦のセントウルSは勝ち馬に逃げ切られ2着に終わるも、後方から上がり最速の末脚を披露し、今までの先行する競馬から控える形で結果を残せたことは収穫だろう。来年の2月に定年引退を迎える短距離馬育成のスぺシャリスト・安田隆行調教師は、自身最後のスプリンターズSでGIタイトルの上積みとなるか。

今年のサマースプリントシリーズの王者ジャスパークローネ（牡4、栗東・森）も侮れない。前々走・CBC賞では7番人気と低評価を受けるも、まんまと逃げ切り勝利。重賞初勝利を飾った。続く前走・北九州記念でもスタートからハナを取り切り、そのまま先頭でゴールイン。逃げて重賞を2連勝中と絶好調が続いている。勢いそのままに3連勝で短距離界の頂点へ駆け上がれるか。

ママコチャ（牝4、栗東・池江）は全姉にマイルGI3勝のソダシがいる血統。前々走・リステッドの安土城Sでは3馬身差の圧勝を披露し、1番人気で迎えた前走・北九州記念では2着に好走した。上記のジャスパークローネに敗れはしたものの、初の1200m戦と考えれば上々の走りだろう。姉妹GI制覇に期待大だ。

そのほかには、2年ぶりの勝利を目指す2021年優勝馬ピクシーナイト（牡5、栗東・音無）、フタ桁着順から巻き返しを図る重賞6勝馬メイケイエール（牝6、栗東・武英）、昨年の高松宮記念を勝利しこのレースでも3着に食い込んだナランフレグ（牡7、美浦・宗像）、1年ぶりの復帰戦だった前走アイビスSDを快勝しアッと言わせたオールアットワンス（牝5、美浦・中舘）なども出走を予定。なお昨年の京阪杯勝ち馬で、事前発表のレーティング4位だったトウシンマカオは熱発のため回避が発表されている。

【そのほかの重賞】 ■シリウスS 9月30日（土）、阪神競馬場で第27回・シリウスS（3歳上、GIII、ハンデ、ダ2000m）が行われる。2020-22年の3年は中京芝1900mにて施行されたため、阪神芝2000mでの開催は4年ぶりとなる。昨年はジュンライトボルトがこのレースを勝利したのちに、チャンピオンズCを勝利してGIウィナーの仲間入りを果たした。今年も新たなスターが生まれるのか、注目のレースだ。主な出走予定馬は、名古屋大賞典勝ち馬で前走・帝王賞では4着に健闘したハギノアレグリアス（牡6、栗東・四位）、4走連続で馬券内に好走中、そろそろ重賞初勝利を手にしたいヴァンヤール（牡5、栗東・庄野）、初ダートの前走BSN賞で見事逃げ切り勝利したアイコンテーラー（牝5、栗東・河内）、骨折から約8カ月ぶりの復帰をする浦和記念勝ち馬クリノドラゴン（牡5、栗東・大橋）など。なお、フェブラリーS覇者レモンポップ（牡4、美浦・田中博）の登録もあるが、10月9日に開催される盛岡・南部杯マイルCSとの両にらみ。

(text:kanda)