おしらせ
今週の3歳戦「ここが見どころ」
今週は注目のトライアル重賞が行われる。クラシックへの出走に向け、大きなカギとなるレースなだけに、POGファンも注目していることだろう。 それではまず弥生賞から、出走予定各馬の陣営コメントを中心にお伝えしていく。 1番人気が予想されるヴィクトワールピサ(牡、栗東・角居)はこの中間は牧場でも緩めることなく鍛え上げられたのだろう。すごいボリュームのある馬体で、精神的にもいい意味でのズ太さが出てきているだけに、このまま順調ならばクラシックの最有力候補。先週の追い切りは直線での反応がいまいちだったが、今週はCウッドの3頭併せで非常に力強い動きができていた。多少太目感があるのか、ゴール盤を過ぎても1コーナーまでハードに追われたが、それだけいきなり勝負にきているととれる。あとは週末渋る可能性がある馬場対応だけだ。 エイシンアポロン(牡、栗東・岡田)について岡田師に聞くと、「追い切りは単走だったけど、他厩舎の馬に追いかけられるかたちになって時計は思ったより速くなったね。それでもオーバーワークにはなってないし、小気味よいフットワークで気分良く走っていたよ。体は少し太い程度で、輸送でちょうど良くなると思う。ノメる馬場は気にしないので、道悪になっても大丈夫。距離は心配だけど、展開に注文のつかないタイプだし、うまく脚をタメられれば問題ないんじゃないかな。力をつけてくれているし、皐月賞が楽しみになるような競馬を期待したい」との話。こちらは道悪を気にしていないようだ。 前走は逃げる展開となったアドマイヤテンクウ(牡、栗東・松田博)。以前は背肉からトモにかけて緩みがあったが、筋肉の輪郭がはっきりとわかるぐらい隆起して逞しい馬体へと変貌した。そのためか前走の直前追い切りとは雲泥の差で、今回は追われてからも重心が高くならずに力強く走れるようになっている。松田博師も「ここまで順調にきたし、力強くなってきた」と成長ぶりに満足そうだった。 ダイワファルコン(牡、美浦・上原)について飯田助手は「前走は4角外に出して正攻法の競馬をしたが、勝った馬にうまく内をすくわれてしまったからね。まだ7分程度の力しか発揮できていないが、持っている素質はここでも十分通用する。今週の稽古内容も良かったし、使う以上は当然好レースを期待しています」とコメント。 コスモヘレノス(牡、美浦・菊川)陣営からは「共同通信杯を予定していたけど、熱発で回避しました。でも牧場でもかなり乗ってきたし、力の出せる態勢にあります。前走は流れが遅く逃げましたが、前々走は番手でもいい競馬ができているので、今回は特にハナにはこだわりません。競馬の上手な馬ですし、出たなりで決めようと思っています。週末は雨で馬場が渋りそうですが、切れ味に欠けるところがあるので、この馬には好材料だとみています」との話。コスモ・石橋脩騎手のコンビで、不気味な1頭だ。 藤沢和厩舎陣営の動向も気になる。当初はリリエンタールを連闘させる予定だったが、水曜の午後にミッションモード(牡、美浦・藤沢)を出走と変えてきた。葛西助手は「先週勝ったリリエンタールを使う予定だったが、不良馬場を激走した反動が気になるので自重。当初は毎日杯を予定していたミッションモードを、テンションが上がりすぎないうちにと、使うことにした。十分乗り込んでいるから力を出せる仕上がりだし、血統的に道悪も大丈夫。今後のためにも賞金を加算したい」と話してくれた。 続いては桜花賞トライアルのチューリップ賞の出走予定馬について。 まず、栗東滞在中のアパパネ(牝、美浦・国枝)について、福田調教厩務員からは「追い切りは予定通り。ただ、動きは少し重いかな。休み明けだけど、坂路調教しかしてないからね。前走時に栗東に入った時は、使っていたので調整程度だったし、それほどカイ食いは上がらなかったけど、今回は休み明けで仕上げていってるので、少しカイ食いが細くなっている。体重は追い切り後に計って482キロだから、馬体重は増えているけど、この中間は胴が長くなった感じで見た目の太目感はない。距離が持ちそうな体型になってきたよ。ただ、やはり目標はこの次だからね。本番に繋がる競馬を期待したいね」とコメントが聞けた。 ヴィクトリーマーチ(牝、栗東・大久保龍)はエルフィンSで2着ながら、まだ1勝馬の身。抽選をくぐり抜けて、本番への出走権を狙う。とにかく数字以上に馬体を大きく見せる馬で、特に丸み十分のトモと腰周りが走る牝馬独特のもの。ただし全体的にまだ硬さがあるだけに、その影響からか素軽さを感じないが、潜在能力だけで十分通用しそうな雰囲気を感じさせる。抽選対象馬ながら池添騎手がこの馬のために予定を空けていたというから、期待も高まる。 そのヴィクトリーマーチに前走で先着しているエーシンリターンズ(牝、栗東・坂口則)。栗東Cウッドを単走で67秒5?53秒0?39秒8?12秒9をマーク。「ここ2走と同様に動きは良かったよ。欲を言えばもっと体が増えて欲しいが維持はできている。この馬のいいところは、どんな展開になっても終い確実に脚を使えること。相手は強くなるが、次につながるレースを期待したいね」と坂口則師のコメント。前走がフロックでないことを証明できるか。 本番は先約があるものの、武豊騎手に権利獲りを託したオメガブルーハワイ(牝、栗東・笹田)。笹田師は「前走後もここを目標に順調だよ。2走を見る限り、レースセンスが凄くいいね。初めて一線級のメンバーと戦うけど、どれだけやれるか楽しみだよ。道中は前向きではあるけど、それほどムキにはなってないので、1ハロン延長もこなせると思う。権利だけじゃなく、桜につながる競馬を見せて欲しいね。武豊騎手は桜花賞で乗る馬が決まったようだけど、『決めるのが早かった』と言わせたいね」と話してくれた。 未勝利勝ちからここに挑戦するショウリュウムーン(牝、栗東・佐々木)。佐々木師の評価の高い1頭で「ここでもやれる」と手応えを口にする。「前回は結構メンバーが揃っていたし、ウチのは放牧明けだったからどうかな、と思っていた。それがあの勝ちっぷり。状態は今回の方が明らかにいいからね。メンバーは強くなるけど、権利くらいとっても不思議はないかも」という。警戒しておきたい。 500万クラスからはアルメリア賞のルーラーシップ(牡、栗東・角居)に注目が集まる。エアグルーヴの仔だけあって、新馬から2戦連続で1番人気。しかし、前走の若駒Sではヒルノダムールの瞬発力に屈した。その後、フレグモーネや熱発により、ローテが調整され、ここへの出走となったが、追い切りでも岩田騎手が気合をつける内容で、体調面に不安はなさそう。注目度の高い1頭だけに、自己条件のここは勝ちきるまでの期待をかけるファンも多いことだろう。 今週は新馬戦にも屈指の良血馬が登場する。日曜阪神5Rに出走するスティルインラブの仔、ジューダ(牡、栗東・松元)についてはすでにニュースでもお伝えしているが、直前に聞けた松元師のコメントでは「やっと仕上ったが、まだまだ成長途上で本当に良くなるは先だと思う。ただ、能力はすごいモノを持っているよ」との内容。その走りに注目か。 同じレースには同厩舎から2頭出し。ネオポラリス(牡、栗東・松元)について田代助手は「稽古でいい動きを見せているし、息もできている。走ることに集中できる真面目なタイプ。初戦から走りそうな感じだよ」と評価する。人気はジューダだろうが、なかなか良血でもあり、妙味のあるのはこちらかもしれない。 もう1頭、ミッキーバラード(牡、栗東・池江郎)にも注目。「少しズブいところはありそうで、長い距離が良さそうだね。初戦は分からないが、先々は走ってきそうだよ」と村本助手。じっくりと丹念に調整され、馬体の良さが目立っている。 日曜中山6Rからも2頭を紹介。クラックシード(牝、美浦・鈴木康)の母ファビラスキャットは3歳時のオープン特別で2着。その後は体質の弱さに泣いたが、同馬は細身の割にパワーもあり、体質も強い。「馬なり主体ではあるけど、プール調教も取り入れて態勢は整っています。先週に除外の権利をとって今週にスライドしたのは予定通りですからね。いいスピードがあって楽しみです」と陣営。祖母に秋華賞優勝馬ファビラスラフィンがいる良血だ。 もう1頭はバトルドミナ(牝、美浦・牧)。除外で1週延びたが、乗り込みが増えて雰囲気は良さそう。牧師は「全体的に弱くてデビューが遅れたけど、気性が前向きで初戦向きのタイプ。先々は短距離馬になりそうな感じはするが、現状ではマイルくらいで走らせた方が結果は出そう。いい位置で上手く立ち回れれば、好結果を期待できそうだね」と教えてくれた。 土曜阪神5Rではタツサファイヤ(牡、栗東・鮫島)に注目。永岩調教厩務員から「初めてまたがった時から『これは走る』という感触がありました。2週前に坂路でまたがった安藤勝騎手も褒めてくれましたからね。父がサクラバクシンオーなのでやはり短距離向きだと思います。体もまったく太くないですし、気のいいタイプなので初戦から動けそうですよ」と、期待の高いコメントだった。