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競馬サロン

田原基成

2022/06/25 18:09

【宝塚記念】クレイジーな前走のラップ。この馬について行ける馬はいるのだろうか?/阪神10R/東京11R

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【阪神11R 宝塚記念】

タイトルホルダー=キングカメハメハ。

この説に賛同いただけるサロン読者はどれだけいるだろうか。

7馬身差の圧勝劇を演じたタイトルホルダーの天皇賞(春)。3200mという特殊な距離、稍重の馬場コンディション、展開……いくらなんでも何かが味方したに違いない。願望に近いファン心理が断然の人気から遠ざけている印象だ。

「天皇賞(春)を勝った馬は近年相性が良くないからなぁ……」
「宝塚記念は外枠の差し馬が台頭するレースだからなぁ……」
「パンサラッサがいるから単騎逃げできないだろうし……」

次から次へと浮かび上がる不安要素。なるほど、この人気も頷ける。

話を冒頭に戻す。

なぜ私はタイトルホルダー=キングカメハメハ説を唱えたのか?

それは前走天皇賞(春)があまりに異様な光景だったからだ。

逃げて圧勝のレースで思い出すのは2004年のイングランディーレ。同じような圧勝だったわけだが、まことしやかに囁かれていたのが散水の影響。馬場の乾燥を防ぐために行った施策により時計はかかり、差しがまったく利かないシチュエーションが生まれたことで後続が成す術なく敗れたというものだ。

当時の向こう正面-勝負どころの3-4コーナーを振り返ると、各馬手綱をがっちり押さえていた。「どうせ止まるだろう」と前を行くイングランディーレを軽視したことで仕掛けのタイミングを逃し、あれよあれよという間に逃げ切られたわけだ。ビートブラックの天皇賞(春)然り、クィーンスプマンテのエリザベス女王杯然り。京都芝外回りではああいうことが珍しくない。

では、タイトルホルダーの前走天皇賞(春)はどうだったのか。

大外枠を引いた以上、前半出していかないとハナは奪えない。稍重での1000m通過は60秒5。仮に良馬場なら60秒を切っていたハイラップ、良馬場で1000m通過60秒0だった菊花賞より実質的に速い通過だったと私のなかで結論付けている。

あとは道中ラップを落とすだけ……そのプランはカラ馬シルヴァーソニックによって崩れ去る。本来息を入れるはずだった2週目の向こう正面。菊花賞では【14秒3-13秒1-12秒6】と急激にペースダウンした箇所だが、カラ馬に突かれたことでこの地点のラップは【12秒8-13秒3-12秒9】。これも稍重の馬場コンディションを考えると急激なペースダウンとは言い切れない。

「ヤバいかも……」

終始息が入らなかった有馬記念の再現が頭をよぎる。人気の盲点にあった菊花賞時とは異なり、ディープボンドと2強を形成したことで同馬と4人気馬テーオーロイヤルから徹底マークを受けた一戦だ。向こう正面から手応えが悪くなり、3-4コーナーでは馬群に飲み込まれるのでは……。

ところが、現実は違った。

向こう正面から各馬の手応えが怪しくなり、テーオーロイヤルにはムチが入る。3-4コーナーに差しかかるとディープボンド×和田竜二のコンビは激しく手綱を動かし必死についていこうとする有様。手綱をピクリとも動かさずに差を広げるタイトルホルダーの異質さが際立つ。

「前を追いかけようというところで身体が浮いてきました(和田竜二)」
「今日は初めて疲れたところを見ました(菱田裕二)」
「残り800mで力がつきました(武豊)」

このコメントで思い出したのがキングカメハメハが制した2004年の日本ダービー。1000m通過57秒6の超ハイペースにコスモバルクの早仕掛け、それを目がけて進出するキングカメハメハ、ハイアーゲーム、そしてダイワメジャー。2着ハーツクライ、5着スズカマンボなど振り返るととんでもないメンバーだった。

「3コーナー過ぎでもう脚が上がってしまうと思うぐらいで……(五十嵐冬樹)」
「最後は一杯になってしまった(M.デムーロ)」

その展開を押し切ったキングカメハメハ。私のなかでは揺るぎない最強のダービー馬だ。

タイトルホルダーに話を戻すと、菊花賞時は7度にわたり1F12秒5以上のラップが刻まれていた。当時は展開利があったと思われるが、それから1年も経っていない天皇賞(春)では稍重にもかかわらず1F12秒5以上のラップが5度に減っていたのだ。特にラスト6F-2Fにかけて計時した【12秒3-12秒0-11秒9-11秒5-11秒7】は驚異的。あのラップについて行ける馬など存在するのだろうか?

「しっかり出して行って折り合いも不安がありませんでしたので、後はこの馬を信じてリズム良くと思って運びました」

リズム良く、は私のなかで重要なキーワード。ペースや位置取りに関係なく、タイトルホルダーのリズムで運ぶことさえできれば大丈夫との絶大な信頼関係がうかがえる。奇しくも2004年、宝塚記念を制したタップダンスシチーの鞍上・佐藤哲三は「馬の行く気にまかせてスパートしました」とコメント。行く気にまかせつつリズム良く運んだタイトルホルダーがどんなラップを刻むかは前述のとおりだ。

阪神芝内回りコースは2戦2勝。
そのいずれも歴史的な圧勝だ。
横山和生は前走以上のデキと太鼓判。

もはや迷う理由などない。

タイトルホルダーが私の本命だ。

相手本線には抜擢するのはオーソリティ。

今年はサウジ→ドバイと海外競馬を連続好走。2度のフタ桁着順がある右回り替わりは不安材料だが、サウジ遠征を前に右回りの栗東ウッドで敢行した最終追い切りでは「キャリアハイの動きなのではないかというぐらい非常に良い動き」と調教師がコメント。キャリアを重ねて馬が変わってきたのかもしれない。C.ルメール騎乗時の成績【3-1-1-0】が示すように人馬の相性は抜群。ゴールドシップ産駒のウインマイティーが復活を遂げた先週のように、今週の阪神もステイゴールド系の爆走が見られるかもしれない。

エフフォーリアはこの位置。

年度代表馬の称号を引っ提げて臨んだ前走大阪杯。結果は9着と、まるで馬が変わってしまったかのようなパフォーマンスだった。この中間はブリンカーを着用するなど陣営が復権に向けてできることを躊躇なく試している。ただ本質的にはスローの上がり勝負が合うタイプで、天皇賞(秋)、ジャパンCなら普通に走れば勝つだろう。半信半疑の印象を踏まえつつ、この評価としたい。

さらにはポタジェ。

8人気の低評価を覆す勝利を飾った大阪杯。当時は1000m通過58秒8、淀みない展開になったことでこの馬の持ち味が発揮された印象だ。この馬が出走したレースにおいて、右回りで1000m通過59秒台以下だった際の成績は【3-0-0-0】。パンサラッサ・タイトルホルダーの参戦なら前述のペースになることだろう。夏競馬での連勝実績から暑さも問題なし。前走のフロック視は禁物だ。

【阪神11R 宝塚記念予想の印】
◎6 タイトルホルダー
〇1 オーソリティ
▲4 エフフォーリア
☆18 ポタジェ
△10 ヒシイグアス
△11 パンサラッサ
△15 ディープボンド
△13 アリーヴォ

【単勝】6(1点)
【馬連/ながし】6-1,4,18(3点)
【3連複/ながし】6-1,4,18,10,11,15,13(21点)
【3連単/フォーメ】6→1,4,18→1,4,18,10,11,15,13(18点)


次に、自信の一鞍。

【阪神10R 花のみちS】

東京スプリント勝ち馬シャマルをはじめ、オープン特別勝ち馬デュアリストにレモンポップと4歳ダート短距離路線は層が厚い。ここは4歳馬ローウェルが出走するが、同馬は阪神ダート1400mで【3-0-2-0】馬券外なし。左回りの前走は惜敗も1分23秒0と自身の持ち時計を大幅に更新していた。2走前勝利時と同じコースかつ良馬場替わりが見込めるここなら軸不動だ。

【阪神10R 花のみちS予想の印】
◎10 ローウェル
〇8 シェパードボーイ
▲11 ゴールドパラディン
☆16 オーヴァーネクサス
△2 アルメイダミノル
△14 ゴダイリキ
△6 イッシン
△9 ニホンピロランド

【単勝】10(1点)
【馬連/ながし】10-8,11,16(3点)
【3連複/ながし】10-8,11,16,2,14,6,9(21点)
【3連単/フォーメ】10→8,11,16→8,11,16,2,14,6,9(18点)


最後に太鼓判レース。

【東京11R パラダイスS】

近走は不振にあえぐルークズネストだが、左回りの1400mはファルコンS勝利実績あり。GI馬グレナディアガーズを負かしたのだから立派だ。距離短縮ローテでの成績は【2-0-0-1】掲示板なし。転厩初戦だが、久保田厩舎の主戦騎手・田辺裕信を配する以上は一定の勝負気配ありと判断したい。

【東京11R パラダイスS予想の印】
◎7 ルークズネスト
〇6 トリプルエース
▲10 グレイイングリーン
☆3 ラルナブリラーレ
△12 リレーションシップ
△11 リフレイム
△2 アイラブテーラー
△4 コムストックロード

【馬連/ながし】7-6,10,3(3点)
【3連複/ながし】7-6,10,3,12,11,2,4(21点)

田原基成のプロフィールはこちら
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