競馬サロン

2022/05/07 19:30
【NHKマイルカップ】 枠順が予想をさらに難しくさせる!? 今年のGIを象徴するような大混戦

1990年代に入り、ヒシマサルやシンコウラブリイ、ヒシアマゾンといった強力な外国産馬が次々と出現し一大勢力に。ただ、当時は外国産馬にクラシックの出走権がなく、他、短距離適性のある馬にも目標となるレースを、ということで創設されたのが当レース。東京芝2000mのGIIで、ダービートライアルとして長年行なわれていたNHK杯が、芝1600mのGIに生まれ変わったのです。
その記念すべき第1回を制したのは、外国産馬のタイキフォーチュン。同じく外国産馬で、圧倒的1番人気に推されたファビラスラフインが直線失速するのを尻目に、馬場の中央を真一文字に伸び快勝しました。
このとき、2番手でレースを進めたファビラスラフインが失速する要因となったのは、前半800mを45秒1。1000mも56秒7という、驚異のハイペースで逃げたバンブーピノ。特に、関西の競馬ファンにとっては懐かしい馬名だと思いますが、タイキフォーチュンがマークしたタイムは、当時としては破格の1分32秒6でした。
オグリキャップのコースレコードには0秒2及ばなかったものの、3歳限定戦でこのタイムがマークされたという事実に度肝を抜かれたファンは、決して少なくなかったはずです。
その後、「マル外ダービー」の異名どおり、2001年のクロフネまで外国産馬が毎年勝利し続けましたが、そこからは一転、内国産馬が勝ち続けます。そんな中、タイキフォーチュンのレースレコードが、1頭の持ち込み馬によって塗り替えられました。
それがご存知、キングマンボ産駒のキングカメハメハです。従来のレースレコードを0秒1更新し、2着のコスモサンビームに5馬身差をつけて圧勝すると、3週間後のダービーも、再びレースレコードで完勝。世代の頂点に君臨し、同じ厩舎のクロフネやタニノギムレットが達成できなかった、いわゆる「マツクニローテ」での、マイルカップとダービーの連勝を実現したのです。
キングカメハメハは、次走の神戸新聞杯を勝利した後、残念ながら故障のため引退を余儀なくされました。しかし、松田国英調教師が目論んだ通り、種牡馬になってからの活躍ぶりは語るまでもないでしょう。
それから6年後。このレースレコードを塗り替えたのは、奇しくも松田国英調教師が管理するダノンシャンティです。キングカメハメハのレースレコードを、なんと1秒1も更新する1分31秒4という驚愕のタイム。これは同時に、芝1600mの日本レコードにもなるという、とてつもない好タイムでした。
その後、ダービーに出走予定だったダノンシャンティですが、骨折のためレース前日に出走を取消。この年のダービーは、史上最高のメンバーといわれただけに、もし出走が叶っていればどんなレースになっていたのか。想像するだけでもワクワクします。
そこから10年以上の歳月が流れ、迎えた2021年。シュネルマイスターが外国産馬として20年ぶりにNHKマイルカップを制覇。日本調教のドイツ産馬としては初のJRA・GI勝利で、マル外ここにありを久々にアピールしました。
しかも、勝ち時計の1分31秒6は、非常に優秀なタイム。マイルカップで31秒台がマークされたのはダノンシャンティ以来2頭目で、同馬はその後、古馬に混じって安田記念に出走し3着と好走。秋には毎日王冠を勝利し、マイルCSでもグランアレグリアの2着に惜敗するなど、能力の高さを示しました。
こうして、NHKマイルカップの歴史を、驚異的な勝ち時計とともに振り返りましたが、今年も驚速のタイムがマークされるのか。はたまた、メンバー唯一の外国産馬ジャングロの優勝はあるのか。過去5年の傾向を深掘りして重視できそうな指標を探り出し、そこから予想を組み立てたいと思います。
(1)枠順
(2)前走着順
(3)前走着差
(4)前走人気
(5)前走馬番
(6)前走斤量
重視できそうな指標は、上記の6項目。まず(1)は、枠順です。
NHKマイルカップは、外枠が強いレース。5枠から8枠が[5-4-2-39/50]、勝率10.0%、複勝率22.0%。単勝回収率112%、複勝回収率116%に対し、1枠から4枠は[0-1-3-36/40]。複勝率10.0%、複勝回収率27%と、大きな差がついています。
内枠に入り、馬券圏外に敗れた1番人気馬には、タワーオブロンドンやグランアレグリアといった、GI馬や後のGI馬も含まれます。外枠を全て買えば良いというわけではありませんが、有利であることは覚えておいたほうが良さそうです。
(2)は、前走着順について。
まず、驚くのは前走1着馬の成績。過去5年[0-0-0-22/22]と大不振で、連勝を狙う馬にとっては不吉なデータです。前哨戦とは、求められる能力が違うのでしょうか。
それに対し、好成績を残しているのが、前走2着から4着の馬。その成績は[4-4-5-17/30]で、勝率13.3%、複勝率43.3%。単勝回収率168%、複勝回収率211%と、好走馬の大半を占めます。
ただし、前走3着馬は[0-0-2-9/11]といまいち。極端に嫌う必要はないかもしれませんが、これを除いて前走2、4着馬に絞れば、複勝率57.9%、単勝回収率265%、複勝回収率289%と、超優秀な成績になります。
(2)と類似するデータになりますが、もう一つ注目したいのが(3)。前走の着差について。
前走、惜敗した馬が強いNHKマイルカップ。具体的には、前走勝ち馬から0秒3差以内であれば[4-4-5-14/27]。勝率14.8%、複勝率48.1%。単勝回収率192%、複勝回収率235%と、素晴らしい成績です。
(4)は、前走の人気です。
過去5年で3着内に好走した15頭は、すべて前走7番人気以内でした。とりわけ、前走2番人気以内の馬は[4-3-1-16/24]で、勝率16.7%、複勝率33.3%。単勝回収率210%、複勝回収率126%と、まずまず。
特に、前走1番人気は[2-1-1-5/9]。勝率22.2%、複勝率44.4%。単勝回収率471%、複勝回収率166%と好成績。
また、前走2番人気以内の関西馬も[3-2-1-7/13]で、勝率23.1%、複勝率46.2%。単勝回収率359%、複勝回収率149%と、好成績を収めていました。
続いて(5)は、前走の馬番。
NHKマイルカップは、前走外枠に入ったために惜敗した馬が強いレース。特に、前走10番から18番に入り、なおかつ、前走4コーナーで5番手以内に位置していた馬は[3-2-2-10/17]。勝率17.6%、複勝率41.2%。単勝回収率271%、複勝回収率189%と、こちらもなかなかの成績です。
最後は(6)。前走の斤量について。
前走と同じ斤量を背負った馬が強い当レース。これは主に、前走桜花賞か皐月賞に出走していた馬。もしくは、収得賞金の多い馬が前走重賞で斤量を増やされていた場合に該当します。
具体的にいうと、前走と今回が同じ斤量で、なおかつ前走5着以内の馬は[3-2-1-3/9]。勝率33.3%、複勝率66.7%。単勝回収率441%、複勝回収率314%と、驚異の好走率。
もしくは、前走と今回が同じ斤量で、なおかつ前走7番人気以内だった馬は[3-3-1-10/17]。勝率17.6%、複勝率41.2%。単勝回収率233%、複勝回収率185%と、こちらも好成績を収めていました。
今年の出走馬で該当するのは、トウシンマカオとアルーリングウェイの2頭です。
他、種牡馬でいえば、出走数は少ないものの、ダイワメジャー産駒が[1-1-1-2/5]。複勝回収率142%と、好成績。
これらの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。
◎1 マテンロウオリオン
○11 インダストリア
▲4 セリフォス
☆18 ダノンスコーピオン
△6 トウシンマカオ
△16 プルパレイ
△8 アルーリングェイ
△2 ソネットフレーズ
△7 タイセイディバイン
△10 カワキタレブリー
△15 オタルエバー
△5 キングエルメス
【買い目】
・馬単マルチ 1=11、4、18、6、16、8、2、7、10、15、5 計22点
・ワイド 1→6、16、8、2、7、10、15、5 計8点
枠順が発表されて、かなりまいりました…。
本命候補は、ともに前走2着に惜敗するなど、3項目に該当したダイワメジャー産駒のマテンロウオリオンとセリフォスでした。ところが、なんと2頭とも内枠に。それ以外の前走惜敗組もことごとく内枠に入り、不振なはずの前走1着馬が外枠へ。
とはいえ、ここから大きく予想を変えることもできないので、前走からの上積みが見込めそうなマテンロウオリオンを本命に。対抗は、昨年のシュネルマイスターと同じ弥生賞組で、外枠を引いたインダストリア。そして、セリフォスを単穴にしました。
前走のニュージーランドトロフィーで惜敗した臨戦過程、当レースの傾向にはいかにもピッタリと思えるマテンロウオリオン。今回も、この馬をよく知る横山典弘騎手が騎乗します。一昨年のような、先行馬有利の展開になってくれないでしょうか。
馬券は、相手をいつも以上に手広くした馬単マルチ。そして、上位人気馬を相手から外したワイドを買いますが、今年のGIを象徴するような大混戦。1番人気にはどの馬が推されるのか。それを予想することすら難しい一戦です。
最大10連休だったゴールデンウィークも、ついに終わってしまいますね。その締めに相応しく、8日の朝にアメリカで行なわれるケンタッキーダービーの馬券が、日本でも既に発売されています。クラウンプライドの応援はもちろんのこと、馬券をしっかり的中させ、新潟大賞典とNHKマイルカップにうまく繋げたいところですね。
それでは、日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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