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齋藤翔人

2022/10/14 18:30

【府中牝馬S】 連覇を懸けて今年も末脚一閃シャドウディーヴァ

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3日間開催が終わったと思ったら、あっという間に今週の競馬。1ヶ月半ぶりの3場開催で、重賞は2レース行なわれます。

早速予想に入りたいところですが、久々に先週の振り返りを。3レース行なわれた重賞の中から、京都大賞典を振り返ります。勝ったのはヴェラアズールでした。

このヴェラアズール。エイシンフラッシュ産駒にも関わらず、デビューから16戦連続ダートを走っていたという異色の存在。体質面で弱いところがあったようですが、それでも母父クロフネの良さが出たからか、16戦2勝2着4回3着3回とまずまずの成績を残していました。

そして今春、満を持して芝に転向すると素質が開花。いきなり淡路特別を快勝すると、その後は2戦連続3着とやや足踏みしたものの、前走のジューンSを完勝してオープン入り。さらに今回、別定GIIの京都大賞典がいきなり重賞初挑戦の舞台となりましたが、ここもあっさりとクリア。一気に重賞タイトルを手にしました。

これで、芝転向後は[3-0-2-0/5]。しかも、そのすべてで上がり最速をマークし、これら3勝の中では、今回が最も着差をつけての勝利。ややメンバーに恵まれた感は否めませんが、それでもスローな流れを後方10番手から差し切る強い内容で、この先が楽しみになりました。

血統を見ると、母の母がアドマイヤサンデーですから、母のヴェラブランカは、オークスなどGI2勝のトールポピーと秋華賞馬のアヴェンチュラ。さらには、重賞3勝のフサイチホウオーを兄姉妹に持つ良血。一方、父は上述したエイシンフラッシュで、同産駒は京成杯のオニャンコポンに続くJRAの重賞2勝目となりました。

その父は、キングズベスト産駒の持ち込み馬。現役時は、素晴らしい瞬発力を武器に活躍し、ダービーと天皇賞・秋を勝利しています。

しかし、本来のキングズベスト産駒といえば、トーラスジェミニやショウナンバルディのように持久力を武器にする馬が多く、エイシンフラッシュは異色の存在といえるでしょう。

ではなぜ、エイシンフラッシュが瞬発力タイプになったのか。おそらくですが、それは藤原英昭厩舎に所属していたことが大きかったと思います。

藤原厩舎といえば、馬術出身者が多数在籍。エイシンフラッシュも、本来は非常に前向きな気性の持ち主ですが、我慢を覚えさせる調教をした結果、東京のGIを勝つために最も重要な瞬発力を手にし、ダービー史上最速となる上がり32秒7の驚異的な末脚を発揮。見事、世代の頂点に立ったのです。

天才は例外という言葉がありますが、キングズベスト産駒の中でエイシンフラッシュがそうだったように、エイシンフラッシュ産駒の中でのヴェラアズールもまた、そういう存在かもしれません。

芝転向後の3勝を見る限り、直線の長いコースが向くことは明白。次走はジャパンCが目標ということで、一気に相手強化となりますが、今回のようにおそらく人気しない(2番人気には驚きました)はず。少なくとも相手には組み入れようと思います。

それでは振り返りはこのあたりにして、そろそろ予想に。

土曜日に行なわれる府中牝馬Sは、エリザベス女王杯の前哨戦。近年は本番と直結しており、全平地GIの中でも、最も重要な前哨戦といっても過言ではありません。

過去5年、府中牝馬S組のエリザベス女王杯での成績は[3-4-1-16/24]。勝率12.5%、複勝率33.3%。単勝回収率312%、複勝回収率147%。回収率に関していえば、昨年のアカイイトの一発が効いていますが、全部買っても良いくらいの好成績。現在、6年連続エリザベス女王杯に連対馬を送り出しています。

今回は、そんな府中牝馬Sの過去5年をさらに深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、予想を組み立てたいと思います。

(1)前走クラスと前走人気
(2)前走着差
(3)前走4コーナーでの位置取り
(4)前走場所と前走レース
(5)前走上がり
(6)前走枠順
(7)生産牧場

重視できそうな指標は、上記の7項目。その中で、まずは(1)。前走クラスと前走人気です。
別定GIIではあるものの、前走GI・GII組(海外GIは除く)が[0-1-1-11/13]と、振るわない府中牝馬S。

対して、前走がGIIIかオープンもしくは海外GIで、なおかつ前走9着以内の馬は[4-4-4-22/34]。勝率11.8%、複勝率35.3%。単勝回収率112%、複勝回収率108%と、まずまずの成績を収めていました。

次は(2)。前走着差について。
前走、大敗した馬はさすがに厳しい当レース。対して、前走勝ち馬から0秒5差以内に惜敗した馬は[2-3-4-18/27]。勝率7.4%、複勝率33.3%。単勝回収率57%、複勝回収率113%と、こちらもまずまずの成績。

一方、前走2着に0秒1以上の差をつけて勝った馬も[3-0-0-4/7]で、勝率、複勝率ともに42.9%。単勝回収率470%、複勝回収率108%と、勝ち切っている点が魅力です。

(3)は、前走4コーナーでの位置取り別成績について。
東京の長い直線を使って行なわれる府中牝馬S。そのせいか、差し追込み馬が強く、中でも前走4コーナーで7番手以下に位置していた馬は[4-3-3-15/25]。勝率16.0%、複勝率40.0%。単勝回収率152%、複勝回収率119%と、なかなかの成績。

そしてこれを、前走4コーナーで10番手以下に位置していた馬に限定すると[1-2-3-7/13]。複勝率46.2%、複勝回収率137%と、好走率がアップします。

続いては(4)。前走場所と前走レースについて。
府中牝馬Sは、前走札幌のレースに出走した馬が強く[3-2-3-10/18]。勝率16.7%、複勝率44.4%。単勝回収率108%、複勝回収率125%と、かなりの好成績。

また、前走レースを見るとクイーンS組が好調で[2-2-3-10/17]。複勝率41.2%、複勝回収率117%でした。

ただ、昨年クイーンSが行なわれたのは函館の芝1800m。そこから出走した4頭は、すべて4着以下に敗れており、逆にそれら4頭を抜くと[2-2-3-6/13]。勝率15.4%、複勝率53.8%。単勝回収率70%、複勝回収率153%と、素晴らしい成績になります。

(5)は、前走の上がりです。
前走、差しもしくは追込んだ馬が強い=前走速い上がりを使った馬が強い当レース。とりわけ、前走上がり2位以内の馬は[4-1-2-9/16]。勝率25.0%、複勝率43.8%。単勝回収率248%、複勝回収率131%と、こちらもかなりの好成績でした。

(6)は、前走の枠順について。
府中牝馬Sは前走7、8枠に入っていた馬が強く、その成績は[3-2-2-9/16]。勝率18.8%、複勝回収率43.8%。単勝回収率205%、複勝回収率118%と、十分な成績です。

最後は(7)。生産牧場について。
東京で行なわれる芝の中距離重賞=「絶対王者」ノーザンファームの庭。このレースでもサラキア、シャドウディーヴァと、生産馬が2連覇中です。

同場生産馬の好走条件は複数あり、まず前走7着以内のノーザンファーム生産馬は[3-2-2-9/16]。勝率18.8%、複勝回収率43.8%。単勝回収率195%、複勝回収率104%と、なかなかの成績。

続いて、前走と同じ騎手が騎乗するノーザンファーム生産馬も[3-1-1-7/12]。勝率25.0%、複勝率41.7%。単勝回収率260%、複勝回収率115%と好調。

ちなみに、これら3着内馬5頭は、すべて前走も1800mを走っていた馬か、今回距離延長となる馬で、その成績は[3-1-1-4/9]。勝率33.3%、複勝率55.6%。単勝回収率347%、複勝回収率153%と、素晴らしい成績。

逆に、ノーザンファーム生産馬でも今回距離短縮となる馬は、乗り替わりの有無にかかわらず[0-0-0-7/7]。ソダシにとっては、不吉なデータです。

他、キャリア16戦以上のノーザンファーム生産馬も[3-1-0-5/9]。勝率33.3%、複勝率44.4%。単勝回収率347%、複勝回収率133%と、なかなかの成績でした。

ということで、今回はこれら7項目を重視。印と買い目を下記のとおりとしました。

◎14 シャドウディーヴァ
○4  ホウオウピースフル
▲11 リアアメリア
☆7  ラヴユーライヴ
△10 サトノセシル
△15 アカイイト
△12 クールキャット
△3  ローザノワール
△8  ライティア
△1  アンドヴァラナウト
△5  クリノプレミアム
△13 ゴルトベルク
△2  ソダシ
△9  アブレイズ


【買い目】

・単勝 14
・馬単マルチ 14=4、11、7、10、15、12、3、8、1、5、13、2、9
4=11 計28点
・ワイド 14→4、11、7、10、15、12、3、8、1、5、13、2、9
4→11 計14点
・3連単ボックス 14、4、11 計6点


本命は、5項目に該当したラヴユーライヴ、と言いたいところですが、(7)で書いたとおり距離短縮組は不振。ノーザンファーム生産馬に限らずとも[1-0-0-16/17]で、本命には推しづらい馬です。

そうすると、4項目に該当したシャドウディーヴァ、ホウオウピースフル、リアアメリアが本命候補。非常に迷いますが、差し追込み馬が強い点を重視し、シャドウディーヴァを本命とします。

昨年の当レースを優勝して以来、1年間掲示板にも載れていない本馬。しかしその中身を見ると、ジャパンC、有馬記念と超一流牡馬に挑んだ年末に、今期初戦の金鯱賞は、結果的に大阪杯の上位馬が出走していたレベルの高い一戦。さらに、2走前のヴィクトリアマイルでは、先行有利のレースで9着に敗れたものの、上がり最速で追い込んで見せ場を作りました。

そして前走のエプソムCは、道悪かつスローペースの流れを中団よりも後ろから追走。直線、内に進路を取った結果、伸びあぐねてしまいました。

ただ、このレースで同じく展開に泣いたジャスティンカフェは、先週の毎日王冠であわやの2着。過去2年の府中牝馬Sで2、1着と好走しているシャドウディーヴァの三度の好走があっても不思議ではありません。

馬券は、の前に・・・、またしても印をつけすぎ、買い目が多くなり申し訳ありません。

まず、1番人気が濃厚なソダシは1項目のみ該当。なおかつ距離短縮の臨戦過程からノーマークにしなければなりませんが、さすがにGI3勝馬。全ての懸念材料を吹き飛ばす可能性があり、無印にする勇気はありませんでした。

また、2項目のみ該当のアブレイズも、このコースでオープン勝ちの実績があり、父はこのコースを最も得意とするキズナ。こちらも外せませんでした(これら2頭とイズジョーノキセキ以外の12頭は、すべて3項目以上に該当)。

馬券は、単勝と馬単マルチ、ワイドを購入。ただ、本命候補となったホウオウピースフルとリアアメリアも捨てがたいので、この2頭の馬単マルチとワイド。そして、3頭の3連単ボックスも買います。

京都大賞典に続き買いすぎ感は否めませんが、シャドウディーヴァが2着以内に入ってソダシが来なければ、それなりの配当も見込めるはずです。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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