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田原基成

2021/02/06 21:06

【東京新聞杯】取るべき進路は内にあり。アノ馬の大駆けに期待。/きさらぎ賞/東京4R/中京12R

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【東京11R 東京新聞杯】

【0-3-0-8】馬券内率27.3%。

東京新聞杯を紐解く前に、意識しておきたいのがこの数字だ。

上記が示すものは過去10年の同レースにおける上がり3F最速馬成績。同じ東京芝1600mの安田記念は【4-2-3-2】馬券内率81.8%と、その差は歴然だ。

なぜ、このような「格差」が生まれているのか?

理由として挙げられるのは施行時期によるレース性質の違い。連続開催後半に行われる安田記念に対し、開幕週から数えて4日目に開催される東京新聞杯。馬場傾向の違いは誰の目にも明らかだろう。

改めてこのレースを見返すと、先行抜け出しもしくは中団あたりにつけた馬が上がり3F上位の脚を使わずとも真っ先にゴール板を駆け抜けるシーンが飛び込んでくる。リスグラシュー、インディチャンプ、プリモシーン……直近3年の勝ち馬はすべて上がり3F4位以下だった事実は見逃せない。

それを踏まえ、メンバーを見ていこう。

人気の中心は3頭。2走前に富士Sを制したヴァンドギャルドに絶好調のC.ルメールが跨るトリプルエース、昨年2着馬シャドウディーヴァ。以下カラテ、サトノウィザード、ダイワキャグニーと続く。

展開予想としては最内枠を引き当てたダイワキャグニーにプロディガルサンが絡む形が濃厚。絶対に逃げたいタイプは不在、淡々とペースは流れることだろう。

今回、私が展開のキーマンと捉えているのは横山典弘だ。

この人を語るうえで外せないのが「奇想天外」とも思える戦法。いわゆる「ポツン」がその代表といえるが差し・追込馬を突如として先行させるケースも珍しくない。乗り替わりで臨んだ前走は2走前よりポジションを上げていたが、元を正せばデビュー戦は逃げ切り勝ちを収めていた馬。「ポツン」と急な先行策。「ふたつの顔」を使い分けるしたたかさがこの人にはある。

狂気の天才・横山典弘騎乗のトライン。

私がこのレースで本命を託す馬だ。

むろん鞍上だけが理由ではない。パフォーマンスを落としてしまった前走は休み明け好走→間隔を詰めたローテの2走ボケの可能性が高いと私は捉えている。重要なのは2走前、東京芝1600mの舞台で1分32秒台をマークしたこと。時計勝負はこの馬にとって「庭」と言えるもの。

仮にいつも通り差す競馬に転じたとしよう。

大外から豪快な末脚……を想像してしまうシチュエーションだが、ヒントとなるのは昨年。クリノガウディー騎乗で3着入線の当時、鞍上の横山典弘は迷わずインに進路を取った。7枠13番の馬をスッと内に入れる技術……正直言って痺れた。

少し古い話になるが、2013年東京新聞杯3着馬トライアンフマーチも同じパターン。この時期の東京芝の特徴を手の内に入れるからこそ成し得る高等技術。理屈云々じゃなく、もはや体で覚えているレベルと言えよう。

取るべき進路は内にあり。ここはトラインの大駆けに期待する。

相手本線に据えるのはヴァンドギャルド。

昨年2番人気6着からの雪辱戦となる今回。当時の鞍上が発した「両サイドが牝馬で、ゲートに入ったとき馬がソワソワしていつも以上にじっとしていられませんでした」とのコメントはある意味衝撃的だった。翻って、今年のメンバーに牝馬は1頭だけ。絶好調男・福永祐一を背に臨むリベンジマッチ、強豪揃いのマイルCS6着を実績通り受け取れば大崩れは考えにくい。

カラテも軽視禁物。

昨年以降、異常に時計がかかり出した中山芝。その条件にあって1600mで記録した「1分32秒9」の価値は計り知れない。時をさかのぼり、昨年この時計をマークしたのはダービー卿CTの勝ち馬クルーガーただ1頭。全4勝中3勝を寒い時季に挙げる冬馬でもあり、重賞の舞台でも侮れない。

さらにはシャドウディーヴァ。

昨年のこのレース2着馬が2年連続の参戦。フローラS2着、府中牝馬S2着を含め左回り適性は牡馬相手でも群を抜いている。過去10年の東京新聞杯において、前走エリザベス女王杯組の成績は【3-0-0-1】。適鞍替わりで評価の見直しが必要だろう。

【東京11R 東京新聞杯予想の印】
◎5 トライン
〇13 ヴァンドギャルド
▲10 カラテ
☆11 シャドウディーヴァ
△12 トリプルエース
△3 ロードマイウェイ
△2 サトノウィザード
△14 エントシャイデン
△16 サトノインプレッサ

【3連複/フォーメ】5-13,10,11-13,10,11,12,3,2,14,16(18点)


【中京11R きさらぎ賞】

スペシャルウィーク。
ナリタトップロード。
トーセンラー。

きさらぎ賞は「惜敗の歴史」とともにある。

上記GI馬3頭に共通するのは前走条件戦で敗戦を喫していたこと。なかでもスペシャルウィークは単勝241倍、武幸四郎が騎乗していたアサヒクリークに足元をすくわれる想像もしない結果……仮に勝利を収めていたとしたら、きさらぎ賞参戦は幻に終わったことだろう。

オルフェーヴルもそうだ。

芙蓉Sに京王杯2歳S、シンザン記念とクラシック出走の「確約賞金」を得るチャンスは何度もあったがモノにしきれず。フルゲートが珍しく、比較的賞金加算が容易なきさらぎ賞に駒を進めた。結果的に3着と目論みは外れたわけだが……。

「出世のための駆け込み寺」

きさらぎ賞を紐解くうえで、見逃せないストーリーと言えよう。

今年のメンバーを見渡すと、上記人気馬3頭にはそれぞれのストーリーがある。

例えばヨーホーレイク。無傷の3連勝を狙ったホープフルSは3着と黒星を喫してしまったが今は亡きディープインパクトの仔に金子真人オーナー、武豊となれば夢は広がるというものだ。

ランドオブリバティはそのホープフルSでまさかの逸走。「話にならない……」からはじまる怒りとも失望ともとれるレース後コメントはあえて感情を隠さない「リアル」が混じった良いものだったと思う。問題のシーンまでの手応えは鞍上の悲願の中央GI制覇に手がかかったと思わせるもの。当然、陣営が期するのはリベンジ以外にない。

そして、ラーゴム。

私の本命馬だ。

冒頭で私はきさらぎ賞を「惜敗の歴史」とともにあると綴った。ラーゴムの戦績を振り返ると2走前は勝ち馬とタイム差なし、前走は勝ち馬と0秒1差……ことごとく惜敗が続いている。

シンプルに勝負弱いだけなのか?

そんな思考も頭をもたげたが、先着を許した2頭はオーソクレースとワンダフルタウン。前者はホープフルS2着馬、後者は新馬戦でダノンザキッドの2着に入っていた。シンプルに相手が強かった。そう捉えるのが妥当に映る。

ラーゴムに関して補足すると、陣営にはいくつかの選択肢があったと思う。

1.ホープフルSに参戦
2.京成杯or共同通信杯に参戦
3.ひと息入れて春競馬から参戦

注目すべきは1.の選択肢を除外したこと。賞金面から出走は確約されていたし、内回りの芝2000mは経験済み。ダノンザキッド、オーソクレース、ヨーホーレイクにはない経験値を満たす点からチャンス十分と思われたが……使い詰めのローテーションが与える影響を懸念したのだろう。今はまだ早い、と。

「デビューから体がしっかりして徐々に良くなってきました」

コンスタントに使うのではなく、適度な間隔をあけて成長を促す。これはノーザンファームが確立した育成理論のひとつだ。馬柱では知り得ない成長力の項目をアテにすることはできないが、この馬には左回りと急坂芝2000mの経験値あり。その事実が私の本命への自信を深めてくれる。

出世レースを制し、トップグループへと駆け上がれ。

ラーゴムの本命迷いはない。

相手本線に抜擢するのはダノンジェネラル。

ダノックス×中内田師×川田将雅。この組み合わせというだけで惹かれるものがある。前走2着に負かしたマテンロウエールは次走を快勝。いまだ重賞未勝利と結果を残せていないドゥラメンテ産駒、1億6000万円ホースのこの馬が勝ち名乗りを上げる可能性は想定すべきだ。

ヨーホーレイクはこの位置。

きさらぎ賞と好相性の騎手、中京芝2000mを得意とする厩舎。このレースで賞金をきっちり加算するプランは陣営のなかで出来上がっている印象だ。そんな同馬に唯一懸念があるとすれば「レース間隔」。3歳上半期に重賞参戦歴がある兄姉のストーンリッジ、クリアザトラック、ラベンダーヴァレイらは間隔を詰めたことで凡走を喫してしまっていたのだ。無論この馬の実績は評価すべきなのだが、不安要素ゼロと言い切るには早計だろう。

さらにはドゥラモンド。

前走朝日杯FSはレコード決着。稍重で連勝を飾った馬にとって厳しいシチュエーションだったことは明白だろう。時計のかかる馬場巧者をこの馬の前提としたとき、1分33秒0の前走走破タイムは健闘の部類に入るもの。当時の阪神より時計のかかる馬場コンディションにある今の中京は好都合だ。

【中京11R きさらぎ賞予想の印】
◎2 ラーゴム
〇4 ダノンジェネラル
▲3 ヨーホーレイク
☆10 ドゥラモンド
△9 ランドオブリバティ
△11 アランデル
△7 ショウナンアレス
△1 ジャンカルド

【3連複/フォーメ】2-4,3,10-4,3,10,9,11,7,1(15点)


次に、自信の一鞍。

【中京12R 4歳上2勝クラス】

前走はこの条件で人気を裏切ってしまったクラシックココア。左回りが向かなかったのか急坂がダメなのか……否、私は高速馬場がすべての答えだと思っている。

当時の中京芝は開幕週。勝ち馬の上がり3Fは32秒台……この日の中京4Rで2歳レコードが飛び出したように異常なレベルの高速馬場だった。これが重馬場かつ洋芝で圧勝歴のある同馬を馬券圏外へと追いやった要因と私は捉えている。同じく道悪だった2走前の敗因は坂路での時計がこの馬にしては平凡なものだった。

翻って、今回は時計のかかる馬場コンディションへと変貌した中京。加えて中間の坂路では4F49秒台の猛時計をマークと準備は万端だ。鞍上の北村友一は新馬戦で同馬を勝利へ導いて以来の手綱。もう一度言う、陣営の準備は万端だ。

【中京12R 4歳上2勝クラス予想の印】
◎6 クラシックココア
〇7 ウォーターエデン
▲13 ライバーバード
☆3 レッドイリーゼ
△1 イーサンティラノ
△10 ディアボレット
△4 キーダイヤ
△12 ショウナンバニラ

【3連複/フォーメ】6-7,13,3-7,13,3,1,10,4,12(15点)


最後に太鼓判レース。

【東京4R 3歳1勝クラス】

サトノムスタングがデビュー戦で敗れたレモンホップは3歳ダート路線におけるトップクラス。それを踏まえると前走の楽勝はプラン通りと言えるものだろう。この馬も優にオープン級だと思うが、陣営が選択したのは平場のレース。確勝を期して臨む今回、東京適性のアドバンテージも含め死角なしと判断する。

【東京4R 3歳1勝クラス予想の印】
◎6 サトノムスタング
〇13 ホワイトクロウ
▲11 ジャスパーゴールド
☆4 アドマイヤレビン
△10 パルデンス
△16 ニシノライトニング
△2 コモレビキラリ
△1 ペイシャフェスタ

【3連複/フォーメ】6-13,11,4-13,11,4,10,16,2,1(15点)

田原基成のプロフィールはこちら
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