「厩（うまや）スポイラー」とは、トレセン、牧場、競馬場、外厩など、日々、競馬情報に聞き耳を立てている「ウマ屋」が仕入れたスポイラー＝馬券直結情報をお届けする「事情通集団」である。

■スポイラー：栗東取材班・T

阪神11R　桜花賞
3枠6番　ビップデイジー（幸英明騎手／栗東・松下武士厩舎）
スポイラーレベル：S

「よしよし、まだバレとらんよな？」

意味深に話をはじめたのは栗東取材班・T。先週はダービー卿CTのキープカルム、大阪杯のべラジオオペラに関する情報をスポイラーとして提供、本人の財布もホクホクだったよう。やけに上機嫌のままビップデイジーの話題を振ってきた。

「競走馬にはいろんなタイプがおるけど、ビップデイジーはオールドスタイルの馬やね。レース数を絞って使う傾向にある現代競馬にあって、この馬は前哨戦のチューリップ賞を叩いての桜花賞参戦。テキの経験則から来る、確固たる信念を持った臨戦過程なんやろうな」

かつて、松下武士厩舎はレシステンシアというGI馬を管理していた。同馬は3歳以降の国内レースで3度のGI2着があったが、そのすべてが前哨戦を使われたうえでの好走。厩舎伝統の得意ローテと言えよう。

「ビップデイジーにもその成功パターンを踏襲しているのは一目瞭然。なにせ中間の坂路は4F51秒6-ラスト1Fは11秒8の自己ベスト、ひと叩きされたことで馬にスイッチが入ったのは火を見るよりも明らか。ぶっつけ本番のローテーションが悪いとは言わんけど、前哨戦と本番、この馬はふたつの調整過程の違いがわかりやすいから今回は狙い撃つべきターンなんじゃないかな」

バレていない、という表現を冒頭で用いていたが、戦前のオッズをみると前走圧勝の関東馬2頭（エリカエクスプレス、エンブロイダリー）＋ぶっつけ本番ローテの2歳女王・アルマヴェローチェが上位人気。ド派手な馬柱に惹かれるファン心理がうかがえる。スポイラーの思惑通り“バレていない”ビップデイジー。桜の女王戴冠に向けて陣営の準備は万端だ。

（厩スポイラー情報部）

なお、厩スポイラーのオフレコレベルは3段階。

「スポイラーレベル：SS」…物議を呼ぶ可能性のある情報でオフレコレベルMAX
「スポイラーレベル：S」…世に公開されていない裏話満載でオフレコレベル上
「スポイラーレベル：A」…馬券的中への重要参考情報でオフレコレベル中

他ではゼッタイ知り得ない現場からの「オフレコ話」を信じるか信じないかはアナタ次第……！