まず、はじめに「前提」を。

「1番人気の勝率は3割」

1番人気が負ける確率は7割もあり、逆に言えば2番人気以下は勝率7割もある。「危険な人気馬理論」とは、想定1-4人気ゾーンの人気一角を「消し」とし、妙味を追い続ける馬券術である。

なお、SPREADさん連載スケジュールの都合上、想定と実際の人気がズレることはあるのであしからず。

「当てたいのか、勝ちたいのか」

極論を言えば、当てたいだけなら全18頭の単勝でも買えばいい。仮に1鞍回収率500％の馬券なら、5回に1回以上あれば、的中率20％でも収支はプラス。当てるのではなく、勝ちにいく。負けを恐れず、勝ちにいけ。

そのハズレ馬券は決して紙くずではなく、勝利への招待状である。

■世代トップクラスの実力はあるのか？

デビューから2連勝でアイビーSを制し、ホープフルSでGI勝ちを期待されたマスカレードボール。2戦2勝と得意の左回りで巻き返しを期す同馬が、今回の「危険な人気馬」のターゲットだ。

過去10年の共同通信杯で、複勝圏内の30頭中26頭は、前走で4着以内だった馬。5着以下からの優勝例はなく、2桁着順に敗れていた馬も【0.0.2.9】と連対すらなく、基本的には前走で好走してきた馬が上位を賑わせるレースだ。GIとはいえ、前走11着という点は大きな減点材料となる。

血統面では、ドゥラメンテ産駒ということもあり、東京芝1800mとは相性が良く、期待値は高いようにも思えるが、意外にもこのコースでの重賞は勝っておらず、オープン（リステッド）でも、アイビーSでの本馬が初勝利だった。上級クラスになると、取りこぼす危険性をはらんでいる。

もとより、マスカレードボールについては、筆者は高い評価を与えていなかった。2走前のアイビーSは、2歳戦のコースレコード2位となる好時計で勝利していたが、2着ピコチャンブラックは、続くホープフルSで本馬より人気を集めるも13着に大敗。3着シルバーレイン以下は、全頭その後出走しているが、1勝クラスでさえ、勝ち星を挙げることができていないように、メンバーに恵まれていた面がある。

前評判の高い実績馬が勝てず、隠れた素質馬がここで開花しクラシックへ、というのが近年の共同通信杯のトレンドだ。マスカレードボールも鞍上や血統背景、東京芝1800mでの実績など、まだまだ前評判の高い1頭。しかし、人気ほどの能力は感じられず、妙味を考慮すると、今回は思い切って「消し」でいってみたい。

■上がり最速が勝利への必須条件

本命にはリトルジャイアンツを抜擢する。デビュー2戦目から、4戦連続で上がり最速の末脚を繰り出しており、その切れ味は東京コースでこそ生きるはず。特に近走は直線で内にモタれる面を見せながら、追われることなく上がり最速のタイムで駆け抜けており、レースを重ねるごとに気性面が改善されれば、底知れぬ可能性を秘めている。

過去10年の共同通信杯で、上がり最速の馬は【5.1.1.4】の成績で、掲示板を外していない。前走で上がり最速だった馬も【7.3.3.28】と勝率はナンバーワンだ。先週の東京でも、芝1800mで行われた3鞍は、すべて上がり最速の馬が制しており、この条件では、瞬発力のある馬が、優勝への必須条件と言えるだろう。

父トーセンラーは地味な存在だが、重賞3勝はすべて左回りで、同条件では、2021年エプソムCをザダルが制覇。過去10年の共同通信杯でも、ディープインパクト系の産駒は【4.1.4.21】と相性が良く、血統面での後押しもある。

コンビを組む横山典は、昨年年間19勝にとどまったが、今年はすでに9勝とハイペースで勝ち星を量産。そのうち、東京での3歳新馬3連勝を含む、3歳戦では7勝をマークしているように、3歳戦での相性の良さも加味して、鞍上の勢いにも1票を投じたい。

相手には、未知の魅力満載のネブラディスクが筆頭。リスグラシューの半弟という良血で、デビュー戦も上がり最速の末脚で鮮やかな勝ちっぷり。過去10年の共同通信杯で、前走新馬戦組は【3.3.2.5】の好成績という点も見逃せない。さらに、カラマティアノスも3戦連続上がり最速をマークしており、東京で勝っている点も評価したい。

馬券は単勝と、馬連は少頭数なので2点に絞って厚めに。3連単はお好みで。

それでは皆さま、ボナ・フォルトゥーナ（あなたに幸運を）。

■共同通信杯予想【印・買い目】

◎9 リトルジャイアンツ
○5 ネブラディスク
▲4 カラマティアノス
☆1 サトノカルナバル
☆8 レッドキングリー
△3 ワンモアスマイル

【単勝】9（1点）
【馬連】9＝5,4（2点）
【3連単/フォーメ】9→5,4,1,8→5,4,1,8,3（16点）

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