すべては2001年からはじまった。

同年暮れの香港国際競走において、ステイゴールド→エイシンプレストン→アグネスデジタルと日本馬が3勝。イチローがメジャー挑戦初年度でタイトルを総なめにし、サッカー日本代表がFIFAコンフェデレーションズカップで準優勝に輝いたように、日本が世界との差を感じなくなったエポックメイキングな年だ。

ロードカナロア。
モーリス。
ラヴズオンリーユー。
パンサラッサ。

その後も海外勢にとって脅威であり続けた日本馬。今年のマイルCSもブレイディヴェーグ、ソウルラッシュと日本馬が人気上位に推されており、外国馬だからといって気後れする時代はとっくに終わった。

「今年も日本馬だろう」

思考停止でそんな結論になりかけたが、レッテル貼りは予想における禁じ手。一応チェックするか、ぐらいの気持ちで観たのがチャリンの過去レースだ。

すると、どうだろう。

「え……この馬強くない？」

特に驚かされたのは3走前のジャック・ル・マロワ賞。当時の勝ち時計1分33秒98はゴルディコヴァ（GI通算14勝）、ムーンライトクラウド（GI通算6勝）に次ぐ同レース歴代3位。前述2頭の意味不明なGI通算勝利数がその凄さを物語る。

15日に発表された最新のロンジンワールドベストレースホースランキングのレーティングは“124”。これはジャパンCに参戦予定のオーギュストロダン、凱旋門賞馬ブルーストッキング、安田記念勝ち馬ロマンチックウォリアーを上回るものだ。過去に参戦をはたした外国馬とは一線を画す、正真正銘の大物の来日である事実は伝えておきたい。

「今年も日本馬だろう」

さきほどの言葉を改めて記したが、日本馬の海外GI制覇は2023年ドバイミーティングのイクイノックス、ウシュバテソーロを最後に1年以上遠ざかっているのが現実。春はロマンチックウォリアーに制圧された日本のマイル路線、その再現を望むのは決して無理筋ではない。

オーギュストロダン。
ゴリアット。
ブルーストッキング。

いま、海外を席巻するのは4歳馬。その世代の一角に名を連ねるチャリンに本命の印を託す。

相手にはブレイディヴェーグを。

昨年のエリザベス女王杯勝ち馬がマイルに参戦。これだけでも異例なのだが、この馬自身マイル経験がなく、馬主の使い分けを否が応でも感じるローテーションだ。器用さが強調された馬ではなく内枠がプラスとは言い難いが、純粋な能力でチャリンに対抗しうるのはこの馬と判断した。

3年連続参戦のソウルラッシュも軽視禁物。

5歳春までは危うさを感じる馬だったが、5歳秋以降の国内レースは【2-2-1-0】。敗れたレースでも勝ち馬と0秒1差以内にとどまっており、心身ともに今がキャリアピークなのだろう。かつては苦手だった東京芝1600mも、近走は安定。タフな京都芝はこの馬にとって庭と言える場所だ。

前年覇者・ナミュールはこの位置。

昨年の本レース勝ち馬。当時は藤岡康太を背に直線ですさまじい切れ味を発揮した。その後も香港マイル3着、ドバイターフ2着、安田記念2着と国内トップマイラーであることを証明。個人的に5歳牝馬の秋初戦はあまり信用したくないが、昨年のパフォーマンスを見せられてノーマークにする選択肢はない。

週中から評価を変えた馬として、外差し馬場の進行具合からフィアスプライドを消しとし、外差しが叶いそうなセリフォスを3列目に追加する。

【京都11R　マイルCS予想の印】
◎11 チャリン
〇２ ブレイディヴェーグ
▲13 ソウルラッシュ
☆４ ナミュール
△７ マテンロウスカイ
△５ ジュンブロッサム
△17 エルトンバローズ
△15 セリフォス

【単勝】11(1点)
【馬連】11＝2,13,4（3点）
【3連複/軸1頭】11＝2,13,4,7,5,17,15(21点)
【3連単/フォーメ】11→2,13,4→2,13,4,7,5,17,15(18点)