【今週の注目重賞】
■クイーンS
7月28日（日）、札幌競馬場で第72回・クイーンS（3歳上、GIII、別定、芝1800m）が行なわれる。

ドゥアイズ（牝4、栗東・庄野）は待望の重賞初制覇を狙う。札幌2歳SとクイーンCで2着、阪神JFでは3着と、デビュー当初より重賞で好走をしながらもタイトルには手が届かず。リステッドの洛陽Sは勝利したものの、その後も重賞未勝利のまま。とはいえGI以外では掲示板を外したことがなく、桜花賞5着、ヴィクトリアマイル4着の結果からも重賞を勝てる力があるのは明らかだ。札幌芝1800mは3戦1勝2着2回と相性のいい舞台。末脚がハマる展開になれば、勝ち負けに加わってくるはずだ。

注目度ナンバーワンはボンドガール（牝3、美浦・手塚）か。オークス馬・チェルヴィニアを筆頭に活躍馬を多数輩出した東京の新馬戦を勝利。その後はサウジアラビアRCとニュージーランドTで続けて2着に好走したが、期待度が高かっただけに物足りなさが残った印象。また阪神JFを放馬で出走回避したり、前走・NHKマイルCでは直線で大きな不利を被るなど、ここまで不運も多かった。今回は牧場でしっかり立て直され、満を持しての参戦。51キロの斤量は明らかに有利だし、デビュー戦の輝きを取り戻せば重賞初制覇の可能性も十分。

スタニングローズ（牝5、栗東・高野）は実績最上位。3歳春にフラワーCに勝つと、続くオークスで2着に好走。秋初戦の紫苑Sを優勝すると、秋華賞も制してGIウイナーとなった。ただしその後はスランプに陥り、昨春には脚部不安を発症し長期休養。今春に戦線復帰するも、2戦いずれも着外に敗れている。その2戦はGIだったとはいえ、走りには精彩を欠き、良化はスローの様子。本調子に戻れば勝ち負けになっておかしくないのだが、斤量57キロも含めて好走には課題が多い。

コンクシェル（牝4、栗東・清水久）も有力候補の一頭。新馬勝ち後しばらくは勝ち切れない競馬が続いていたが、昨夏の鞍ケ池特別で初めて逃げを打つと5馬身差の圧勝。続く不知火特別も5馬身差で逃げ切り、自身のスタイルを確立する。今年2月に初音Sを勝ってOP入りを果たすと、続く中山牝馬Sを逃げ切って重賞タイトルを獲得した。勝つときは大勝、負けるときは惨敗と、逃げ馬らしいピンパー傾向にあり、自分のかたちに持ち込めるかどうかが最大の焦点。小回りの1800mはベストの舞台なので、楽にハナに立てればそのまま逃げ切りも。

モリアーナ（牝4、美浦・武藤）は決め手はメンバートップクラス。新馬、コスモス賞と快勝し、阪神JFでは2番人気に支持されたほどの注目馬。3歳春は重賞路線で惜敗が続くも、名手・横山典騎手に替わって2戦目の紫苑Sで待望の重賞初勝利を挙げる。その後もGI・GIIで差のない走りを続け、前走ヴィクトリアマイルも0秒5差の7着とまずまずの内容だった。末脚を活かす競馬が板につき、近5走中3走は上がり最速、1走は上がり3位タイをマーク。斤量57キロがどうかも、差しが決まる展開なら出番はある。

そのほかには、NHKマイルCや阪神牝馬Sなど重賞2着3回のウンブライル（牝4、美浦・木村）、昨年の本レース2着、前走・福島牝馬Sで3着好走のウインピクシス（牝5、美浦・上原博）、フェアリーSを優勝し、NHKマイルCでも5着に健闘したイフェイオン（牝3、栗東・杉山佳）、3連勝でスイートピーSを制したコガネノソラ（牝3、美浦・菊沢）、母キャトルフィーユが本レースに優勝しているアルジーヌ（牝4、栗東・中内田）なども出走を予定している。

【そのほかの重賞】
■アイビスサマーダッシュ
7月28日（日）、新潟競馬場では第24回・アイビスサマーダッシュ（3歳上、GIII、別定、芝1000m）が行なわれる。主な出走予定馬は、スワンS勝ち馬のウイングレイテスト（牡7、美浦・畠山）、昨年CBC賞と北九州記念を連破したジャスパークローネ（牡5、栗東・森）、春の新潟開催で同コースの韋駄天Sを制したチェイスザドリーム（牝5、栗東・矢作）、チューリップ賞と葵Sを勝利し、前走・北九州記念では3着に激走したモズメイメイ（牝4、栗東・音無）、みちのくS1着、カーバンクルS2着と、ここに来て充実期を迎えたグレイトゲイナー（牡7、栗東・森）など。

（Text:Hattori）