【今週の重賞】[NHKマイルC]レシステンシア　非凡なスピード[京都新聞杯]アドマイヤビルゴ　3連勝でダービーへ[新潟大賞典]レッドガラン　一気に本格化

■5月10日、東京競馬場でNHKマイルC（GI、芝1600m）が行われる。

レシステンシア（牝3、栗東・松下）は、非凡なスピードを武器に阪神JFで5馬身差のレコードV。意識的にペースを落としたチューリップ賞が3着、重い馬場に脚を削られた感のあった桜花賞が2着に終わっているが、いずれもそこまで崩れておらず絶対能力の高さは牡牝通じて世代最上位級と見て差し支えないだろう。ここでも強気の競馬に出て、GI2勝目を狙いたい。中間の時計は1本のみで時計もこの馬にしては平凡だが、前走時にある程度仕上がっているし強い負荷が必要ないタイプ。いまの時計が出にくい栗東坂路で楽にラスト1F12秒6を出せているのなら、好調キープと見ていいだろう。なお、鞍上はC.ルメール騎手を予定している。

タイセイビジョン（牡3、栗東・西村）は、デビュー3戦目の京王杯2歳Sでコースレコードを更新し重賞初勝利。その後朝日杯FSでサリオスの2着、そして久々だった前走・アーリントンCで重賞2勝目を挙げている。確実に終いの脚を使える安定感が持ち味で、ここまでオール連対。東京での勝利経験があるのは強みで、勝ち負けの競馬になってなんら不思議はない。坂路ではズブく追わせる馬だが、先週はそこまでの負荷を掛けずとも終いに鋭く伸びていた。前走を使われての上積みは大きそう。

サトノインプレッサ（牡3、栗東・矢作）はソエや気性の若さなどがありながら新馬戦、1勝クラス特別と連勝。そして前走・毎日杯でも出遅れてしまったが、直線では抜群の手応えから馬群を割って鋭く抜け出した。これで無傷の3連勝。母が世界を股にかけて活躍したマイル女王サプレザという血統背景も魅力で、相手強化のGIでも好勝負があっていい。まだソエは完全に収まっておらず、この中間はケアに苦心していたようだが先月下旬から速い時計を順調に出せているのでひとまず問題はなさそう。今週コースで速い時計を出せれば自分の力を出せるだろう。

ほか、NZTなどここまで無傷3連勝のルフトシュトローム(牡3、美浦・堀）、ファルコンSを快勝したシャインガーネット（牝3、美浦・栗田徹）、アーリントンCで2着だったギルデッドミラー（牝3、栗東・松永幹）らも3歳マイル王の座を狙う。

■5月9日、京都競馬場で京都新聞杯（GII、芝2200m）が行われる。

アドマイヤビルゴ（牡3、栗東・友道）は2017年のセレクトセールで6億円オーバーの金額で取引された超良血馬だ。実戦も期待にたがわず、新馬戦、若葉Sとここまで無敗の2連勝。いずれも好位で折り合い、終いには圧巻の瞬発力から勝ち切る大物感あふれる内容で、ここも通過点としそうな雰囲気が漂う。堂々の勝利を収め、日本ダービーへ駒を進めることができるか。小柄な馬だが中間はいい負荷を再三掛けられており、馬体維持に苦労している雰囲気はないのは好材料。先週は終いだけ重点だったが、攻め駆けする準オープン馬と互角以上の動きを見せた。高いレベルで好調維持。

ほか、前走・すみれSなどリステッドレースで2着2回があるアリストテレス（牡3、栗東・音無）、前走のスプリングSで出遅れながら4着に入ったファルコニア（牡3、栗東・角居）、ダートで2連勝だが血統背景的に芝でもやれそうなプレシオーソ（牡3、栗東・清水久）らも上位進出を狙う。

■5月10日、新潟競馬場で新潟大賞典（GIII、芝2000m）が行われる。

レッドガラン（牡5、栗東・安田隆）は、オープンへの昇級2戦目だった前走・大阪城Sで正攻法からの勝利。体質に弱さがあり、休み休みでなかなか軌道に乗れなかったが、ここへ来て一気に本格化を果たした印象だ。2月、3月と続けて使われており体質面の強化も大きいのだろう。斤量は実績組に対して有利な56キロに収まったし、初の重賞挑戦でも勝ち負けに期待だ。先週のウッドコース追いではハロー明けだったとは言え、6F77秒4-3F36秒4-1F11秒5（一杯）の猛時計をマーク。2カ月ぶりを感じさせない絶好の仕上がりにある。

ほか、東京でオープン特別5勝のサウスポーダイワキャグニー（牡6、美浦・菊沢）、今回7カ月ぶりの復帰戦となる重賞勝ち馬エアウィンザー（牡6、栗東・角居）、連勝でオープンに昇級してきた上がり馬ブラヴァス（牡4、栗東・友道）らも上位進出を狙う。

（Text:Nishimura）

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