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【今週の重賞】[フィリーズR]ビッグアーサー産駒・ブトンドールが重賞2勝目狙う

■3月12日、阪神競馬場で第57回・フィリーズR(GII、芝1400m)が行われる。3着までの馬に桜花賞の優先出走権が付与される。

人気を集めそうなのはブトンドール(牝3、栗東・池添)となりそう。新馬戦は先行押し切りで勝利し、次走・函館2歳Sでは差しに転じて世代最初のJRA重賞ウイナーに。さらにこれがビッグアーサー産駒の重賞初勝利ともなった。休養を挟み秋には距離を延ばしてファンタジーSに出走。じっくり後方に構え、4角は大外を回る競馬で2着。うまく逃げたリバーラには届かなかったものの、ペースと休み明けというコンディションを考えれば地力の高さは証明できたと言っていい。前走・阪神JFは距離が長かったためか大敗。ベストの距離に戻る今回なら重賞2勝目に期待できる。

リバーラ(牝3、美浦・高柳瑞)は新潟芝1200mの未勝戦勝ち上がりがクビ差の辛勝。そこから3カ月ぶりの一戦として臨んだファンタジーSは10番人気という評価だったが、明確な逃げ馬不在の中で主導権を握ると、前半3F34秒5-後半3F35秒0とマイペースに進んで勝利を果たした。前走・阪神JFはブトンドールと同様に距離が長すぎたために惨敗に終わっており、ここでの巻き返しを期す。今回は同型も多数いるのでペースに対応できるかがポイントになりそうだ。

2連勝中のトラベログ(牝3、美浦・岩戸)は無傷の重賞制覇を目指す。新馬戦は福島芝1200mで2番手を進み押し切って勝利し、距離を延ばした次走・菜の花賞ではテンの速さを活かして逃げ切り勝ち。中山マイル戦で速いラップを刻んでの勝利実績から、芝1400mの重賞で速い流れへの対応を要求されても問題なくこなしてくれそう。グレーターロンドンの産駒には同じく下河辺牧場生産の小倉2歳S勝ち馬ロンドンプランがおり、トラベログ自身も新馬で勝ち上がったように距離短縮で良さが出そうだ。

シングザットソング(牝3、栗東・高野)はエルフィンSの3着馬。新馬戦は超スローペースの中、中団から差し脚を伸ばして勝利。次走の白菊賞は出遅れて最後方からの競馬。内を通って直線を迎えるもスムーズさを欠き5着までだった。前走もダッシュがつかず最後方からとなり、大外から鋭く脚を伸ばしたものの3着。若さが残りスタートに課題があるが、これまで3戦は全てで上がり最速をマークしており抜群の切れ味を有する。今回は初の1400m。スローになると掛かり気味になるので折り合い面を考えれば距離短縮はプラスであるものの、ダッシュがつかない点は気がかりだ。スタート五分で流れに乗れればチャンスがありそう。今年のメンバーは逃げ馬が多く展開は向きそう。抽選突破できれば面白いかもしれない。

スピードオブライト(牝3、美浦・相沢)は重賞好走歴のある実績上位馬。1200mの新馬戦を勝利後、距離を1ハロン延長し京王杯2歳Sへ出走。新馬戦同様に番手追走で3着に粘り込んだ。次走はさらに距離を延ばしてフェアリーSに出走し、そこでも持ち前の先行力でハナを切った。前半3F34秒5-後半3F36秒1とハイペースで流れ、追い込み決着となった中で3着。距離を延ばしたうえに先行して結果を出せたことは大きい。今回は初の関西遠征で、420キロで走った新馬戦以降、馬体重が減り続けている点が気がかりだが、本番を目指すにあたって抽選を突破し輸送をクリアしたい。

阪神JF組からは赤松賞の勝ち馬ミスヨコハマ(牝3、美浦・斎藤誠)、白菊賞勝ちのムーンプローブ(牝3、栗東・上村)、りんどう賞勝ちのイティネラートル(牝3、栗東・長谷川)が巻き返しを図る。他には未勝利戦で4馬身差をつけて快勝し次走・萌黄賞も勝利したルーフ(牝3、栗東・清水久)や、春菜賞2着のアンタノバラード(牝3、美浦・伊藤大)などが集まり、抽選は7/18頭と多くの馬がエントリー。先週のチューリップ賞に続き、今週も注目のトライアルとなる。

(Text:Funaki)

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