おしらせ
【今週の重賞】[中山牝馬S]重賞3勝目を狙うアートハウスと連覇がかかるクリノプレミアムの対決
■3月11日、中山競馬場で第41回・中山牝馬S(GIII、芝1800m)が行なわれる。
牝馬限定のハンデ戦ということで、荒れるレースとして有名。過去10年のうち5回、3連単の配当が10万円を超え、昨年はブービー人気が勝って173万馬券が打ち上げられた。例年、展開や枠ひとつで好走馬が変わるようなメンバーで、勝ち馬の名前を見ても、その後GIで活躍した馬はほとんど見当たらない。いま好調の馬やレース相性のいい馬、展開がハマッた馬が好走するレースで、その分、予想は困難を極めるだろう。
そんな混戦レースでも今年の1番人気はアートハウス(牝4、栗東・中内田)で決まりだろう。忘れな草賞を圧勝し、オークスでは2番人気に(7着)。ローズSで重賞初制覇を果たすと、秋華賞でも5着に健闘。初の古馬対戦となった愛知杯は1番人気に応えて重賞2勝目を挙げた。実績・能力はメンバー随一。楽に好位を取れるスピードがあるうえ、終いの脚もしっかり。好位抜け出しの安定した走りが最大の魅力だ。ただし、実績からトップハンデは確実だし、今走の1800mは初距離。関東遠征の経験も少なく、母のパールコードが本レースで人気を裏切っていること(2番人気4着)など、気がかりな点も多い。またデビュー以来、1着と着外を交互に繰り返しており、順番からいえば今回は「着外」の番だ。
クリノプレミアム(牝6、美浦・伊藤伸)はディフェンディング・クイーンとして参戦。こつこつと条件戦を勝ち上がり4歳夏にOPに昇格するも、その後は低迷。ところが5歳の初春、昨年の本レースで突如激走。ブービー15番人気で先頭ゴールし、大波乱の主役を演じた。次走・福島牝馬Sでも2着に好走。その後は京成杯AH3着、中山金杯2着と、牡馬混合の重賞でも結果を残し、中山牝馬Sでの走りがフロックでないことを証明してみせた。レース適性があるのは間違いないうえ、中山金杯でハナ差1着だったラーグルフが強力メンバーの中山記念でも2着に走ったことから、昨年より力をつけている可能性も大いに考えられる。重ハンデを克服できれば、連覇の目も十分。
コース適性の高さではスルーセブンシーズ(牝5、美浦・尾関)も負けてはいない。中山コースでは5戦して3勝、2着と3着が1回ずつと好走率は100%。しかもこの中にはミモザ賞の2馬身半差快勝や重賞・紫苑Sでの2着、OP昇格を果たした前走・初富士Sの勝利など、高いパフォーマンスを見せたレースが含まれている。また、紫苑Sで先着したファインルージュは次走・GI秋華賞で2着に好走しており、能力面でも牝馬限定のGIIIハンデ戦なら十分勝負になると推測できる。ただし体質が弱いせいか、連戦の経験に乏しく、中8週のローテが最短の好走例。中6週となる今回の臨戦過程をクリアできるかどうかが最大のカギとなる。
上がり馬として注目を集めるのは、ウインピクシス(牝4、美浦・上原博)だ。新馬戦ではのちに弥生賞で3着好走するボーンディスウェイに3馬身半差で勝利、3戦目のサフラン賞では次走・ファンタジーSを制するウォーターナビレラの2着に入るなど、若い頃より能力の片りんを見せる。その後1年近い休養を経ると本格化。復帰2戦目に1勝クラスを勝ち上がると、3着1戦を挟んで五色沼特別、壇之浦Sと連勝しOP入りを果たした。壇之浦Sで2着に下したリューベックは次走すぐに勝ち上がり、強豪が集った中山記念でも0秒2差の6着に大健闘。この力関係を見れば、ウインピクシスも牝馬重賞なら十分勝負になる。軽快な先行力が売りで、しかも直線に入っても脚色はなかなか衰えない。したがって中山コース自体は適性が高そう。ただし本レース自体は差し優勢の傾向が出ているので、その点は気になるところだ。
そのほかでは、愛知杯に勝っているルビーカサブランカ(牝6、栗東・須貝)、福島記念とクイーンSで2着に走ったサトノセシル(牝7、美浦・堀)、メイS2着のエイシンチラー(牝5、美浦・田中剛)なども参戦予定。例年以上に小粒なメンバー構成で、重賞3勝目を狙うアートハウスと連覇がかかっているクリノプレミアムの2頭が馬券の中心になるだろう。
(Text:Hattori)
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