【今週の重賞】[秋華賞]突出した能力と人馬の絆　デアリングタクト無敗3冠へ　[府中牝馬S]実力馬ラヴズオンリーユー　復活V狙う

■10月18日、京都競馬場で秋華賞（GI、芝2000m）が行われる。

デアリングタクト（牝3、栗東・杉山）はデビュー戦、エルフィンSと非凡な瞬発力からデビュー2連勝。1冠目・桜花賞は中8週のぶっつけかつ切れ味が削がれる重馬場でどうか……と思われたが、直線では後方から1頭だけ別次元の末脚を繰り出し初戴冠を果たした。2着が道中2番手のレシステンシア、3着が逃げたスマイルカナ。4角12番手から追い込んでの快勝は、能力突出の証だ。オークスでは道中接触などがあり決してスムーズではなかったが、鞍上松山騎手の懸命の手綱捌きから厳しいレースを勝ち切った。人馬の絆も世代随一と言っていいだろう。秋華賞直行というのは当初からの予定通りで、帰厩後はコースと坂路を併用し、春と変わらない順調な調整ぶり。体は一段と逞しくなったが、重苦しさは一切感じさせない。前人未到の無敗3冠達成へ、視界は良好。

リアアメリア（牝3、栗東・中内田）は新馬戦が8馬身差V、5カ月ぶりのアルテミスSが気難しさを見せながら快勝と、能力は間違いなく世代トップクラス。阪神JFで高速決着に戸惑ったか6着、桜花賞は道悪馬場に脚を取られて10着と精彩を欠く走りを続けてしまったが、オークスでは0秒3差4着と気を吐いた。そして秋初戦のローズSではスローの流れを番手で追走し抜け出すという、それまでとは一転した“大人の走り”で完勝。あらためて能力の高さをアピールし、2冠女王へのトップコンテンダーとして名乗りを上げた。前走から中3週となるが、4日の日曜から速い時計を出し先週は芝コースで実戦ばりの猛時計を出すなど中間の調整は意欲的。体調面になんの不安も感じられず、上積みはきわめて大きそうだ。

マルターズディオサ（牝3、美浦・手塚）は阪神JFで勝ち馬に5馬身差をつけられはしたが、渋太く2着を確保。そしてチューリップ賞を制し、勇躍クラシック本番に挑むも精神面の若さと道悪に泣き結果を出せなかった。しかし夏の休養による精神面の進境著しかったようで、ゆったりした流れだった紫苑Sでは前々で脚を溜めると抜群の手応えのまま直線で抜け出し勝利。プラス12キロでもまったく太く感じさせなかったあたり、肉体面の成長も大きいようで春とは別馬に変貌を遂げたか。2冠馬の牙城を崩す走りに期待。前走である程度仕上がっていたため、中間は静に徹した調整が続く。素軽くは走れており、デキ落ちはなさそうだ。

ほか、フローラSを勝ちオークスでは2着だったウインマリリン（牝3、美浦・手塚）、阪神JFで3着、チューリップ賞2着などがあるクラヴァシュドール（牝3、栗東・中内田）、ここまでデビューから無傷3連勝の上がり馬レイパパレ（牝3、栗東・高野）らも最後の1冠を狙う。なお登録のあったスイートピーS勝ち馬デゼル（牝3、栗東・友道）は爪を痛めたため回避している。

■10月17日、東京競馬場で府中牝馬S（GII、芝1800m）が行われる。

ラヴズオンリーユー（牝4、栗東・矢作）は“カラ輸送”に終わったドバイ遠征帰り初戦のヴィクトリアマイルが7着。自身初の大敗に終わった影響が懸念されたが、前走・鳴尾記念でハナ差の2着と前進を果たした。スタート直後の接触や、降雨があり滑るような馬場でのレースながら戦意を失わず走れたのは好材料だろう。牧場でいいケアを施されたようで、帰厩そうそうCWコースで躍動感あふれる動きを披露。先週は余力を残して6F80秒フラットの好タイムを出せた。これまでの休み明けのなかではいちばんいい部類か。コースや距離はほぼベストと言える条件。無敗でオークスを制した実力馬が復活Vなるか。

ほか、2018年の阪神JF覇者ダノンファンタジー（牝4、栗東・中内田）、京成杯AHを連覇したトロワゼトワル（牝5、栗東・安田隆）、前走・小倉日経オープンを快勝し復調気配感じさせたサラキア（牝5、栗東・池添学）、フローラSや東京新聞杯で2着がありコース適性は高そうなシャドウディーヴァ（牝4、美浦・斎藤誠）らにも注目だ。

（Text:Nishimura）

▽【関連リンク】
■【競馬サロン】“冷静分析”田原氏が京都大賞典で万馬券！

■【Weekly POG2020⇒2021】先週の結果を公開中！

■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ