【今週の重賞】[毎日王冠]サリオス　ここは通過点にしたい[京都大賞典]無類の京都巧者グローリーヴェイズ[サウジアラビアRC]キングストンボーイ　才能非凡

■10月11日、東京競馬場で毎日王冠（GII、芝1800m）が行われる。

サリオス（牡3、美浦・堀）は無敗の3連勝で朝日杯FSを制覇。その後皐月賞、日本ダービーとコントレイルの後塵を拝してしまったが、クラシック2戦で3着を寄せ付けず連続して2着確保はやはり並大抵のことではない。初の古馬相手とはなるが、ここは通過点にしたい世代屈指の実力馬だ。中間の初時計だった9月10日の時点で素軽く動けており、ここまでは順調そのもの。先週はC.ルメール騎手騎乗で楽に追走併入。かなり内を回ったにしても、出色の時計をマークできておりほぼ申し分のない状態に仕上がりつつある。

サトノインプレッサ（牡3、栗東・矢作）は無傷の3連勝で毎日杯を制覇した素質馬。続くNHKマイルCは再三の不利があり、13着に終わったが続く日本ダービーでは2着サリオスに0秒3差、3着ヴェルトライゼンデにアタマ差の4着と反撃を果たしている。母は地元フランスのみならず香港、日本でも好走するなど世界をまたにかけて活躍した名マイラー・サプレザだけに距離は今回ぐらいがベストだろう。ダービーで先着されたサリオスに迫る走りを見せたいところだ。先週のコース追いでは終いの手応えを失ってしまったが、ここでしっかり負荷を掛けられたことで良くなってきそうな雰囲気はある。今週の稽古に注目したい。

ほか、今年のエプソムCなど全8勝を東京芝で挙げているダイワキャグニー（セ6、美浦・菊沢）、近走不振も重賞2勝の実績は侮れないコントラチェック（牝4、美浦・藤沢和）、関越Sを勝ち勢いに乗るザダル（牡4、美浦・大竹）らも上位進出を狙う。

■10月11日、京都競馬場で京都大賞典（GII、芝2400m）が行われる。

グローリーヴェイズ（牡5、美浦・尾関）は昨年の日経新春杯で重賞初V。天皇賞・春ではフィエールマンにクビ差の2着に入っており、関東馬ながら京都での強さは無類のものがある。昨年12月にはラッキーライラックらを突き放し、香港ヴァーズを制覇と地力も申し分なしだ。昨年のこのレースでは道中力んでしまい1番人気を裏切る6着となってしまったが、今年は折り合い面強化のため長めからの稽古で鍛錬を積んでいる。レース間隔も昨年の5カ月から、今年は3カ月半に短縮。昨年の徹は踏みたくない。

キセキ（牡6、栗東・角居）は、2017年の菊花賞を制し古馬となってはGIで2着が4回とトップレベルの底力を誇る。昨年の凱旋門賞遠征の疲れが影響したのか出遅れたり、先行できても折り合えず失速したりと一時期安定感を欠いていたが前走の宝塚記念で2着を確保。依然力に衰えがないところをアピールした。3歳時、4歳時の走りを振り返るに、このぐらいの時期がいちばん力を発揮できそうだし、開幕週の京都馬場もスピードの持続力に長けたこの馬にとっては上々の舞台。久々の勝利となる可能性は十分だ。先週は初コンビを組む浜中騎手が跨ってのコース追いを消化。行きたがるような面を見せず、鞍上の指示に従って終いにスッと反応できていた。いい状態で秋初戦を迎えられそうだ。

ほか、1勝クラスから前走目黒記念まで目下ぶっこ抜きの4連勝中キングオブコージ（牡4、栗東・安田翔）、今秋初戦のオールカマーで3着に入り相変わらずの安定味を感じさせているステイフーリッシュ（牡5、栗東・矢作）、GI戦線ではひと息だがこの相手関係ならやれていい京都巧者ダンビュライト（セ6、栗東・音無）、13カ月ぶりだった前走・鳴尾記念を制してアッと言わせたパフォーマプロミス（牡8、栗東・藤原英）らにも注目だ。

■10月10日、東京競馬場でサウジアラビアロイヤルC（GIII、芝1600m）が行われる。

キングストンボーイ（牡2、美浦・藤沢和）は、皐月賞馬エポカドーロの半弟という良血馬。8月16日、札幌芝1800mの新馬戦では体も気持ちもいかにも未完成といった雰囲気ながら押し切りを図った2着馬をゴール寸前でクビ差捕らえて勝利した。才能非凡で、1回使われてのレース慣れを考えれば重賞でも勝ち負けを意識できる。先週は坂路3頭併せの真ん中で軽快に伸び、10月4日のコース追いでは折り合い面を強化。久々を感じさせない雰囲気があり、ほぼ態勢十分と言える。

ほか、ブラックスピネルの半妹で新潟芝マイルの新馬戦を快勝したインフィナイト（牝2、栗東・音無）、札幌2歳S大敗から巻き返したいピンクカメハメハ（牡2、栗東・森秀）、札幌の2歳オープン・クローバー賞で3着だったジャンカズマ（牡2、栗東・安田翔）、中京芝マイルの未勝利勝ちが強い内容だったヴァーチャリティ（牝2、栗東・庄野）らにも注目だ。

（Text:Nishimura）

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