おしらせ
中山牝馬S/ニシノマナムスメ 思いを託されて
栗東 CW 稍 83.5-67.7-53.7-40.1-12.6 強め 「自分が乗っていた馬だから、やっぱり思い入れがあるよね」 ある日、ニシノマナムスメについて河内師にたずねると、静かな口調でこんな答えが返ってきた。 そこに特別な感情があるのは当然だ。同馬の父・アグネスタキオンでは自らの手綱で皐月賞を勝ち、母・ニシノフラワーは桜花賞・スプリンターズSと2つのGIをプレゼントしてくれた。 共通点はあるか、と聞けば、「お父さんにも、お母さんにも、どっちにも似ていないんだよ」という。心の底には、3歳時から活躍した両親と比べるのはかわいそう、という思いもあったかもしれない。 だが、マナムスメはここに来て、本格化の兆しを見せつつある。4走前の500万下条件から3連勝、前走・愛知杯では、勝ったディアデラノビアからわずか0秒1差の2着。その成績を追うだけでも、着実に力をつけていることは一目瞭然だ。 今日の追い切りでは、しまいを伸ばす形で、ラスト1ハロンは12秒6というタイム。休み明けということもあり、前走時ほどの迫力はないが、それでも順調さは伝わってくる、スムーズな脚さばきだった。 3歳時のフィリーズレビューから数えて、これで3度目となる重賞挑戦。父も母も一発で射止めたステークスウイナーの勲章を、ようやく照準に入れるところまできた。勝てば調教師・河内洋にとって、初の重賞制覇となる。