おしらせ
兄以上の飛躍を/サイオン
先日、美浦・堀厩舎のジャッカネイプスを【注目馬】として取り上げたが、同じ堀厩舎ではサイオン(牡)も期待の2歳馬として注目が集まっている。 父はブラックシェルをダービーに送り込んだクロフネ。産駒のうちの一頭、ダート短距離で活躍してきたスリープレスナイトが芝重賞CBC賞を制したのは記憶に新しいところだ。母は現役時重賞4勝のフサイチエアデールで、代表的な産駒はなんといってもGI朝日杯FSを制したフサイチリシャールだろう。その父もクロフネで、つまりサイオンは全弟。血統的には大きく期待がかかるところだ。生産はノーザンファーム、所有は“サトノ”の冠号でおなじみの里見治氏。 「あか抜けて、バランスのとれた馬体をしてますよ。性格も落ち着きがあって、兄姉ほどはキツイ感じではない。扱いやすい仔ですよ。血統的にはやっぱりGIを狙ってほしいところだね」と、牧場関係者からはリシャール級の活躍を望むコメントが聞かれた。 4月24日の産地馬体検査(早来)で本馬をチェックした元JRA調教師の笹倉武久氏も、本誌「POG通」内で「いや?いい馬だね、ぜひ買いたい! オススメの一頭ですよ!」と、同日に見たアドマイヤコブラやネオレボルーションらを抑え、本馬に一番手の評価を下しており、ベタ惚れの様子。 5月中旬に入厩してからは、坂路中心で順調に乗り込まれている。育成時は函館、札幌でのデビューも噂されたが「どちらかといえば奥手のタイプ。馬に合わせて仕上げたいですね」と、管理する堀師はじっくり成長を待ってから使う心積もりを語っており、デビューを迎えるのは4回中山開幕週あたりになりそうだ。 デビュー2戦目から破竹の4連勝で朝日杯FSを制した全兄フサイチリシャールだが、3歳クラシック本番では栄誉に手が届かなかった。本馬にはその兄の無念を晴らす、春の大舞台での飛躍に期待したいところだ。