おしらせ
【今週の重賞】[日経賞]アスクビクターモアとタイトルホルダーの“新旧・菊花賞馬”対決
■3月25日、中山競馬場で第71回・日経賞(GII、芝2500m)が行なわれる。
昨年の菊花賞馬・アスクビクターモア(牡4、美浦・田村)は今年、本レースから始動する。弥生賞に勝ち、皐月賞は5着。ダービーでは3着と、春のクラシック戦線で頭角を現す。秋はセントライト記念2着後、菊花賞をコースレコードで制し、GIホースの仲間入りを果たした。その菊花賞は1000m通過58秒7というハイペースを2番手から押し切っており、タフな先行力は古馬を含めてもトップクラス。ダービーでは現役最強と目されるイクイノックス・ドウデュースと差のない走りをしており、ポテンシャルもひじょうに高い。また中山は5戦3勝2着1回とコース適性も有している。4歳馬が圧倒的に強いレースでもあり、掛け値なしに優勝の筆頭候補だ。気がかりなのは、本馬の父・ディープインパクトの産駒が過去に本レースを一度も勝っていないことくらいか。
連覇を狙うのはタイトルホルダー(牡5、美浦・栗田)だ。昨年の日経賞に勝つと、天皇賞・春では7馬身差の圧勝劇を披露。さらに宝塚記念では2分10秒を切る大レコードで優勝。パンサラッサが前半1000mを57秒6で飛ばす猛ラップを楽に追走し直線突き抜けた走りは、異次元のパフォーマンスだった。しかし日本の最強馬として勇躍参戦した凱旋門賞は大差の11着に惨敗。続く有馬記念でも9着に大敗した。海外遠征の反動があったのか、あるいは能力そのものに陰りが出てきたのか、判断はつきかねるところだ。弥生賞に勝ち、春の二冠で健闘し、秋は菊花賞に勝つという履歴はアスクビクターモアと瓜二つ。また先行力が武器であることや中山適性が高い点も重なる。もっとも、実績はGI3勝と本馬のほうが上であり、本レースの“タイトルホルダー”として復活ゴールを決める可能性は十分考えられる。
強力なGI牡馬2騎に胸を借りるのが、牝馬のライラック(牝4、美浦・相沢)。3歳春にフェアリーSを優勝。秋は紫苑Sで3着に好走するも、秋華賞は10着に大敗。しかし12番人気とノーマークだったエリザベス女王杯では同着ながら2着に激走し観衆を驚かせた。この好走はたぶんに馬場と展開に恵まれた面が大きく、前出2頭と力差があるのは間違いない。ただし本馬はマクリ差しをウリとしており、先の2頭が前で激しくやりあったときは展開面でチャンスが生まれるかも。また、前走同着だったウインマリリンは一昨年の本レースの優勝馬であり、次戦・香港ヴァーズでは見事にGI戴冠。勝ち馬・ジェラルディーナも有馬記念で3着に好走しており、昨年のエリザベス女王杯が活躍馬を複数送り出している点は看過できない。
ヒートオンビート(牡6、栗東・友道)は昨年の3着馬。3歳5月に初勝利と、クラシックとは無縁の道を歩みながらも、条件戦をコツコツ勝ち上がり、重賞初挑戦だった一昨年の目黒記念を2着に好走。その後は中長距離重賞で何度も馬券内に入り、GI・天皇賞・春でも4着に善戦。前走・アルゼンチン共和国杯も3着に好走しているが、ここまでまだ重賞タイトルには手が届いていない。デビューから崩れることがなく、22戦走って掲示板を外したのはわずか2回だけ。このように相手なりに走るタイプには映るものの、一方で、重賞で強いと思わせた場面もほとんどない。半兄のラストドラフトも重賞2、3着が多く、血統的に底力が足りないのだろう。3着だった昨年から年もひとつ重ねており、頼みはトップトレーナー・友道調教師の手腕だけか。
ほかには、日経新春杯2着のキングオブドラゴン(牡6、栗東・矢作)、目黒記念と中日新聞杯で重賞2勝、昨年の日経賞2着のボッケリーニ(牡7、栗東・池江)、万葉S1着や京都新聞杯3着などの実績を持つマカオンドール(牡5、栗東・今野)、一昨年のAJCC勝ち馬・アリストテレス(牡6、栗東・音無)などが出走予定。今年はアスクビクターモアとタイトルホルダーの2頭の力が抜けており、他のメンバーは3着争いが精一杯。“新旧・菊花賞馬”の対決が最大唯一の見どころだ。
(Text:Hattori)
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