【今週の重賞】[フラワーC]木村厩舎からフラワーC覇者ダンスインザムードの孫ヒップホップソウルと女傑リスグラシューの姪ココクレーターが出走

■3月18日、中山競馬場で第37回・フラワーC（GIII、芝1800m）が行われる。

ヒップホップソウル（牝3、美浦・木村）はフェアリーSの大敗から巻き返しを期す。中山1600mで行われた新馬戦では出遅れながら外を回って位置を上げていくと、上がり最速の末脚を繰り出し4馬身差の圧勝。ラスト1ハロンは11秒2と鋭い脚を披露した。続くベゴニア賞では、逃げたシャンパンカラーをクビ差捕らえきることが出来なかったが、出遅れることなく2番手の競馬でレースぶりに進境を見せた。この2戦のパフォーマンスが評価されて前走・フェアリーSでは1番人気に支持されたが結果は11着。馬込みで窮屈な道中となり、4角では力でねじ伏せるかのように大外を回る競馬。さすがに大味過ぎた。また直線ではさらに外へと追いやられてしまった。初の多頭数だったことやロスが響きスムーズさを欠いたことが敗因だろう。祖母は桜花賞などGI2勝、フラワーCに勝利しているダンスインザムード。フェアリーSでは母仔制覇が叶わなかったので、ここで祖母に続くタイトル奪取に期待したい。

木村厩舎からはもう1頭、ココクレーター（牝3、美浦・木村）がC.ルメール騎手を背に重賞挑戦。祖母がリリサイドで叔母には春秋グランプリ制覇などGI4勝の女傑リスグラシューがいる良血だ。スローで流れた新馬戦では上がり最速をマークし、今回出走するエメリヨンにクビ差の2着に敗れたが、次走距離を詰めたマイル戦では抜け出すと鋭く伸びて完勝を収めた。異なるペースでのレースを経験し、脚質に自在性がありそうなのは好感。木村厩舎がこちらにC.ルメール騎手を配しただけに本馬のほうが色気を持っていそうな雰囲気だ。

同舞台のデイシー賞を勝利して挑むのはエミュー（牝3、美浦・和田郎）。昨年9月にデビューして勝ち上がりまでに3戦を要したものの、ここまで5戦中4戦が中山と適性重視で使われている。2走前の菜の花賞では前々で決着し見どころなく終わってしまったが、1ハロン距離を延ばした前走・デイシー賞では先行集団を差し切り勝利。距離延長で流れに乗りやすくなり、持ち味の持続力を活かすことができた。初重賞も適性のある舞台なら渡り合えそうだ。

デイシー賞2着馬はゴールデンハインド（牝3、美浦・武市）。福島の新馬戦を逃げて勝ち上がると、芙蓉Sでも逃げて2着に好走。後にホープフルSで0秒6差の9着に健闘した勝ち馬シーウィザードにはクビ差に留める内容だった。紅一点となったアイビーSでは、次走きさらぎ賞で2着したオープンファイアに続く4着。牝馬限定のGIIIなら十分通用するだけの実績だ。終いに甘いところがあるものの、先行力と立ち回りの巧さが求められる当レースならマッチする。渋太さを活かした走りができれば好走のチャンスがあるだろう。

ニシノコウフク（牝3、美浦・伊藤大）はデイシー賞の3着馬。2走前には菜の花賞に出走しており、この時はエミューより先着を果たし2着に好走している。切れる脚がないため東京舞台では通用しなかったが、中山に舞台を移してからは成績が安定。弥生賞でサトノクラウン産駒のタスティエーラが勝利したように同産駒は切れないが長い脚を使える傾向にありそうだ。ニシノコウフクも同様の傾向にあり、流れ次第でデイシー賞の中でも逆転可能か。

他にも、中京芝2000mの未勝利戦を勝ち上がったマテンロウアルテ（牝3、栗東・坂口）、新馬戦では赤松賞2着馬のビヨンドザヴァレーに詰め寄ったパルティキュリエ（牝3、美浦・田中博）、母はマイル重賞2勝のドナウブルーで叔母にGI7勝のジェンティルドンナがいる良血ドナウパール（牝3、栗東・斉藤崇）などがエントリー。昨年はスタニングローズがここに勝利してオークス2着→秋華賞優勝と飛躍を見せただけに、今年も要チェックのレースとなる。

（Text:Funaki）

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