おしらせ
バネある走り!/マルブツヴァース
本年度に産駒がデビューする種牡馬はサクラプレジデント、キングカメハメハ、イーグルカフェ、サニングデールらがいるが、現役実績と産駒の評判からもっとも注目されているのがネオユニヴァースなのは誰もが認めるところ。関東馬が関西で新馬勝ち、という異色のエピソード付きでロジユニヴァースがJRA初勝利を父にプレゼントしたが、その他にも数々の有力馬がデビューを控えている。マルブツヴァース(牡、栗東・加用厩舎)もその一頭だ。 06年のHBA(日高軽種馬農協)のセレクションセールにて、約2800万円で落札された。所有するのは馬名が明かすとおり“マルブツ”の冠でおなじみの大澤毅氏である。 馬っぷりの良さと、速い回転の脚さばきが早くから注目されていた。関係者の間では「バネがきいた感じで、父の走りと似ている」と、評判になっている。本誌「POG通」内では元JRA騎手・調教師の加賀武見氏が「背中、肩など全体のバランスが良く、バネがありそうだね!」と、自ら産地馬体検査で目撃した若駒数十頭のなかでトップクラスの評価を下した。ここでも“バネ”に言及されるほどに、本馬の弾力ある走りは目を惹くものがある。 母はカフェオペラ(その父サドラーズウェルズ)。競走成績はなく、繁殖としてもピサノシャムロック(中央1勝)が走ったぐらいで、大きく注目できる要素は少ない。しかし、3代母Balldeは世界的名牝。その牝系からはジャパンCを制したシングスピールやタイキシャトルの父デヴィルズバッグ、メイセイオペラの父グランドオペラなど種牡馬として血を残せるクラスの活躍馬を次々と送り出している。本馬にも大爆発の可能性があっておかしくない。 やや奥手なタイプでトレセン入りは秋以降を予定しているとのこと。マイネルスターリー、ビーチアイドルと管理した今年の3歳世代は惜しくもクラシック本番に進出ならず、の加用厩舎へ入厩の予定。来年はマルブツヴァースで本番進出、そして勝ち星まで狙いたいところだ。