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二大セールで明暗くっきり!【アメリカ・ノベンバーセール レポート 2】

前川氏が購入した、父シーキングザゴールドの繁殖牝馬。エニーギブンサタデーの仔を宿している。

 米ケンタッキー州で開催された大手2社のノベンバー(11月)セールのうち、ファシグティプトン社のセールは想像を上回る活況ぶりを見せた。ノベンバーセールのレポート後編は、キーンランド社セールの模様をお届けする。(前編はこちら2)売上額半減! 割安での良質馬購入も キーンランド・ノベンバーセール  ファシグティプトン社のセールと同じケンタッキー州レキシントンで開催された11月3日からのキーンランド社のセールは、活況を見せていたファ社のそれとは一変、いわゆるリーマンショックの影響を大きく受けたものとなった。    2日目までの総売上は前年比50.4%……およそ半額と惨憺たるもの。また100万ドル馬も昨年の39頭に対して今年は19頭にとどまり、1頭あたりの平均価格も前年比52%となる約33万ドルとなった。    今回のキーンランド社セールには日本人購買者の姿も多く見られ、3日目までで20頭の落札が確認されている。世界的不況の波はもちろん日本経済をも直撃しているが、この厳しい環境にも関わらず馬産向上のため積極的に海外のセールへ参加を続けるオーナーブリーダーたちの姿勢には素直に敬服したいところだ。そのなかの一人、毎年このセールに参加しているという株式会社優駿の藤本氏に話を聞くと 「去年のセールは異常に高い相場で、欲しい馬もなかなか買えなかったが、今年は買い手市場になり例年よりも割安で、質の高い馬を落札出来ました」 と、感想を語ってくれた。    今回のセールで株式会社優駿が落札したのは ■PRISSY BRITCES(父キングマンボ)/ジャイアンツコーズウェイ(英国際ステークスなどGI6勝)の種を受胎:高瀬牧場が購入 ■ANASCAUL(父シーキングザゴールド)/エニーギブンサタデー(米GIハスケル招待H勝ち)の種を受胎:前川牧場が購入 の繁殖牝馬2頭。いずれもかなりの良血馬だが双方ともに15万ドル前後で落札と、昨年までの相場からすれば確かに割安といえる。  セールにおける取引額の落ち込みは競馬界・馬産界にとってはもちろんよろしくない話だが、世界的良血馬が比較的割安で日本競馬界に入ってくることそのものは、歓迎すべき現象だろう。  JRAは11月18日、競馬の国際化の進展を踏まえ外国人馬主を承認する発表をした。いよいよ日本の競馬も、大きな歴史的な転換期を迎えようとしている。今回2つのセールの両極端な結果は、今後の日本競馬界の行く末を占う上で示唆に富んだものだったといえよう。(了) <株式会社 優駿> http://www.yushun-company.com/ 種牡馬の導入、シンジケート結成、競走馬のあらゆるマネジメントから競走馬保険、ホースケア用品などまで扱う「競走馬の総合商社」として知られる。種牡馬部門である「優駿スタリオンステーション」にはキングヘイロー、マヤノトップガン、マーベラスサンデー、ムーンバラッドなど国内外で活躍を見せたお馴染みの種牡馬たちが繋養されている。

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