おしらせ
【高崎武大コラム】ダービーは皐月賞上位組が優位!
なんといっても今週の注目レースは、日本ダービーに他ならない。優位とみている皐月賞上位3頭の話から進めていくことにしよう。 皐月賞を制したアンライバルドは、先週、今週とハードに追い切ったが、馬体重も減らずにきているし、細くも見えない。友道先生も 「ハードにやれているということは、調子がいいと思っていいよ」 と言っていた。ただ、ハードにやっている分、少しカリカリするようなところが見えてきており、午後の運動の時も、頭を上下させる仕草を見せていたね。友道先生も心なしか苦笑いをしていたような気がしたな。そしてもうひとつ気になったのは大外18番という枠順。これには先生も、ハッキリと 「ついてないなぁ。運がないよ」 と答えてくれた。ただし気になることと言えばそれくらい。当日のパドックで落ち着きを保ってくれていれば、この馬の中心は動かないと思うよ。 皐月賞2着のトライアンフマーチは、僚馬のウオッカ、デルタブルース、ポップロックら一流の古馬を相手に併せ馬を消化するうちに、自信がついてきたね。最初のころはウオッカあたりに軽くヒネられたことでショックを受けていたみたいだけど、段々ついて行けるようになって、堂々としてきた。今回もいい競馬ができると思うよ。担当の清山助手が 「切れ味を生かす競馬ができるように教育してきたから、雨は勘弁だね」 と言っていたように、当日の馬場状態をチェックする必要がありそうだ。 皐月賞3着馬のセイウンワンダーは、昨年の6月にデビューしたころのような、いい状態に戻ってきた。昨年末には朝日杯FSを勝ったし、皐月賞も好走したけど、それでも動きに重苦しさがあったと思う。ここにきてそれも解消したし、この時期が合っているんだろうね。状態は「絶好調」と言っていいし、距離さえこなせればチャンスがあるんじゃないかな。 皐月賞上位3頭に負けずとも劣らないのが、青葉賞を制したアプレザンレーヴ。とにかく豪快だし、動きも体の見た目も父のシンボリクリスエスにみえる。騎手は「本格化は秋」って言っているみたいだけど、ソエが解消して大きく走れるようになったし、青葉賞からの上積みも相当なもの。ウチパク君も、実際に乗ったらビックリするかも。そのくらい、この短期間でガラッと良くなったと言えるな。 もう一頭注目したいのが、プリンシパルS2着のアントニオバローズ。前走は2000mの競馬で脚が上がるようなところがあったけど、この中間は長めから乗られているし、気負って走ることもなくなった。しかも、ずっと調教をつけてきた角田君が相当強気。角田君といえば大物食いというイメージもあるし、鞍上込みで不気味だね。 雨が降って馬場が渋ればおもしろそうなのが、兵庫CSを勝ってきたゴールデンチケット。走りがパワフルで力の要る馬場向きだし、すんなり先行して抜け出せれば、渋太く粘れる可能性もありそうだ。道悪になったら狙ってみたいね。 NHKマイルCを勝ったジョーカプチーノに関しては、今回は落ち目と感じている。これまで厳しいローテーションで使われてきたし、馬がイライラしている感じ。あと2、3週ほしいというデキで、あの精神状態では、2400mに距離が延びたら折り合えないんじゃないかな。 最後に橋口厩舎のアイアンルック、リーチザクラウンだけど、正直いって、この2頭もちょっと狙いづらい。アイアンルックは、毎日杯の時にはスケールを感じたんだけど、馬がしぼんで、こじんまりしちゃったかな。動きも重苦しかったし、NHKマイルCでいい競馬が出来なかったから、馬が自信をなくしちゃったのかも。小牧君も自信なさそうだったな。 リーチザクラウンも、筋肉が落ちている。2歳のころに思い描いていたような成長曲線を、ちゃんと描けていない印象。スペシャルウィーク産駒は、こういうところがあるんだよね。ユタカ君がうまく逃げて自分のペースに持ち込めれば、上位に来る可能性もあるかもしれないけど、そんなにうまくいかない気がしている。 皐月賞の上位3頭に、アプレザンレーヴとアントニオバローズがどれだけ対抗するか。雨が降ったらゴールデンチケットの先行力も魅力。今年のダービーは、こんな感じだと思うよ。 (高崎武大)