おしらせ
【今週の重賞】[皐月賞]エフフォーリア 無敗で戴冠なるか[アンタレスS]アナザートゥルース 7歳でも衰えなし[アーリントンC]ピクシーナイト 重賞連勝を狙う
■4月18日、中山競馬場で第81回・皐月賞(GI、芝2000m)が行われる。
先日ついに春のクラシック戦線の幕が開け、桜花賞ではソダシが見事勝利を収め、白毛馬初のクラシック制覇を果たした。今週は牡馬クラシック1冠目皐月賞が開催されるが、今年はどの馬が制すのか。
エフフォーリア(牡3、美浦・鹿戸)は、無傷の3連勝中で今年の無敗皐月賞馬へ、鞍上の横山武騎手は最有力馬のGI騎乗ということで初GI制覇へ、人馬共に期待がかかる。また横山武騎手は現在22歳。奇しくも父横山典騎手がメジロライアン(2番人気)で皐月賞に挑んだのも22歳の時だった。父は惜しくも3着に敗れたが、息子の横山武騎手は偉大な父を超えることができるのか、そこにも注目が集まる。前走共同通信杯で下した相手はスプリングS勝ち馬ヴィクティファルス、毎日杯でレコード勝ちしたシャフリヤールで、レースレベルは例年以上に高かった。ただし、近2走はスローペースだったので、GIの舞台でペースが流れた場合に対応できるかがポイントになるだろう。昨年はエピファネイア産駒のデアリングタクトが無敗の牝馬三冠という大記録を達成したが、今年は牡馬でこの馬が先導するのか。人馬共に目が離せない1頭だ。
ダノンザキッド(牡3、栗東・安田隆)は、ホープフルSを勝利し2歳チャンピオンに輝いた。前走弥生賞では上がり1位の脚を使うも3着。休み明けでテンションが高くなり、力みながらの競馬になってしまった。レース後、川田騎手は前哨戦を使ったのはそのためだという趣旨のコメントをしており、1週前調教でも、僚馬(1勝クラス)が一杯で追う中、馬なりで伸びて併入し絶好の動きを見せた。また鞍上の川田騎手は高松宮記念、大阪杯を勝利、今年の重賞は中央8勝、地方重賞6勝と絶好調。馬は良い感じにガスが抜け、驚異的な勢いで重賞勝ちを収めている川田騎手がどう手綱を取るのか注目だ。
ヴィクティファルス(牡3、栗東・池添学)は、新馬勝ち後、共同通信杯で2着、前走スプリングSでは重馬場のなか、外々を回り、直線では馬場のいいところを抜けてアサマノイタズラとの接戦を制し勝利した。淡々と流れたレースで上がり1位の脚を使って追い上げただけに、地力を見せられたレースだっただろう。また脚部不安で現役引退せざるを得なかったが、福永騎手も極めて高い評価をしたシルバーステートが叔父にいる血統。母父はガリレオで、3歳からの成長力にも期待ができる1頭だろう。タイトな流れとなったスプリングSを経験したことで皐月賞のペースでも対応はできそう。鞍上の池添騎手が、弟の池添学調教師に待望のGI勝利を届けるのかにも期待したい。
ほか、レシステンシアの半弟グラティアス(牡3、美浦・加藤征)は、キャリア2戦目となる京成杯で、先日のニュージーランドT2着馬タイムトゥヘヴンに勝利している。姉は牝馬クラシック1冠目桜花賞を2着に好走したが、弟はGI舞台でどこまでやれるか。武豊騎手がけがのため、2018年エポカドーロで皐月賞を勝利した戸崎騎手へ乗り替わりとなったディープモンスター(牡3、栗東・池江)は、常に1番人気に推され1勝クラス梅花賞、すみれS(L)と期待に応えて連勝中。クラスが上がり、頭数が増える今回はペースに飲まれずに競馬ができるかどうか。きさらぎ賞勝ち馬ラーゴム(牡3、栗東・斉藤崇)は、馬格がありスムーズに先行できるオルフェーヴル産駒で前走のように内枠がほしい。そうなれば今回も好位からレースが運べそうだ。ステップレースから勢いをつけている馬も虎視眈々とクラシック1冠目を狙う。
■4月18日、阪神競馬場で第26回・アンタレスS(GIII、ダ1800m)が行なわれる。
アンタレスSはこれまで、ダートGI級を10勝したホッコータルマエや、のちにダートGI級を制覇するゴルトブリッツやアウォーディーを輩出した出世レース。また、ニホンピロアワーズやウェスタールンド、クリンチャーなどなど、それまでにGIで勝ち負けした実績馬も好走馬に名を連ねている。GIIIの格付けながら、最低でもGIに参戦できるレベルの馬でなければ、好走が難しい一戦となっている。
実績という点では、一昨年の勝ち馬で、昨年も2着に好走したアナザートゥルース(セ7、美浦・高木)が今年は最右翼だろう。チャンピオンズCをはじめGI級3勝の活躍馬・サウンドトゥルーの半弟。兄同様、去勢をされたのち古馬になってから着実に力をつけてきた。重賞初挑戦だった2019年名古屋GPで3着に入ったあと、アンタレスSで初重賞制覇。その後も重賞戦線で堅実に走り続け、昨年はダイオライト記念に優勝。ひと息入れた昨年のチャンピオンズCを叩かれたあと、今年に入って東海S2着、ダイオライト記念3着と好走を重ねて、順調に当レースを迎えることになった。半兄のサウンドトゥルーが7歳でJBCクラシックを勝っているように、年齢を重ねても能力が衰えない血統であるうえ、昨年は8歳セン馬のウェスタールンドが優勝しており、7歳という年齢を気にする必要はないだろう。2年連続連対中でレース適性がある点も心強い。
勢いを買うなら、名古屋城Sで後続に3馬身差をつけて快勝し、ダート重賞戦線に名乗りをあげた4歳馬テーオーケインズ(牡4、栗東・高柳大)。父シニスターミニスターの地味目な馬ながら、デビューから大崩れすることなく昨年5月の鳳凰Sまでコツコツと成績を積み上げてきた。夏休みを経て秋に戦線復帰すると、2勝クラス、摩耶Sと強い勝ち方で連勝し、あっという間にOP入り。続くベテルギウスSも2着に好走すると、次走はほぼ連闘といえる中8日の強行軍で暮れの大一番・東京大賞典に挑戦。さすがに敷居が高いかと思われたものの、当日は4番人気にまで支持され、結果も勝ち馬・オメガパフュームからコンマ2秒差の6着と大健闘を果たした。その走りがフロックでなかったのは、前走の名古屋城Sで証明済みだ。まだ底を見せておらず今年の1番人気に推されそうだが、ここ5戦手綱をとり続けてきた松山騎手が騎乗停止中。テン乗りの松若騎手に乗り替わる点が気がかりではある。
もう一頭、注目を集めそうなのは、マーチSで重賞初戴冠を果たしたレピアーウィット(牡6、美浦・堀)だろうか。セレクトセールで1億4000万円(税抜き)で落札された期待馬で、競り落としたのはあの金子真人氏(名義は金子真人HD)。鳴り物入りでのデビューから3戦、芝のレースで圧倒的1番人気に支持され続けたが、父ヘニーヒューズの血のせいか勝ち上がることができず。ダートに替えた途端、連勝を果たしたものの、その後は順調に使うことができず足踏み状態に。2019年の春にOP入りしたあとも、なかなか連戦できないためか、大敗と好走を繰り返す安定しない走りを続けていた。今年のマーチSも4カ月半ぶりのプラス18キロでの出走で、ファンの支持も半信半疑の6番人気止まり。ところがレースでは速めの流れを3番手から押し切る強い競馬を見せて、待望の重賞勝ちを収めることができた。アメリカ血統らしく、勝つときはアッサリ楽勝、負けるときは大敗を喫するタイプだが、実は中4週以内に詰めて使ってきたときは連を外したことがない。全兄のアジアエクスプレスが当レースで2着に来ているのもプラス材料だろう。
ほかには、マーチSで2着、昨暮の東京大賞典ではテーオーケインズに先着したヒストリーメイカー(牡7、栗東・新谷)、優勝こそないもののダート重賞戦線で堅実に走り続け、近走も東海S3着、マーチS3着と好調を持続しているメモリーコウ(牝6、栗東・松永幹)、阪神ダート1800mで2戦2勝のポルックスS勝ち馬ダノンスプレンダー(牡5、栗東・安田隆)、2018年の当レースで2着に好走したグリム(牡6、栗東・野中)など、上位を狙える面白そうな馬が多数参戦する模様。堅く決まることが多いレースではあるが、果たして今年は例年のように順当に決まるのか? あるいは思わぬ伏兵の台頭があるのだろうか?
■4月17日、阪神競馬場で第30回・アーリントンC(GIII、芝1600m)が行われる。本競走は5月9日に行われるNHKマイルC(GI、芝1600m)のトライアル競走に指定されており、3着馬までにNHKマイルCの優先出走権が与えられる。
ピクシーナイト(牡3、栗東・音無)は前走シンザン記念で重賞初制覇。この勝利が父モーリスにとってもJRA重賞初勝利となった。シンザン記念組は2着だったルークズネストが次走ファルコンSを勝利、3着だったバスラットレオンがNZTを5馬身差の圧勝、4着だったククナが次走クイーンCで3着とレベルの高いレースだったことからも、ここは主役として注目を集めることとなりそう。春の大目標はNHKマイルCとなるが、当然ここでも格好をつけたいところだ。福永騎手、音無調教師、シルクレーシングといえばマイルGI2勝のインディチャンプでお馴染みのトリオ。先日の高松宮記念で惜しくも敗れた鬱憤を晴らすようなレースとなるか。
ホウオウアマゾン(牡3、栗東・矢作)は暮れの朝日杯FSからの参戦となる。前走は9着と大敗してしまったが、レコード決着となったレースにあって、終始外々を追走する形では流石に苦しかったか。前走騎乗した松山騎手が騎乗停止のため、今回鞍上を務めるのは目下絶好調の川田騎手。初コンタクトとなった4月7日の調教でも息の合ったところを見せていた。実力馬の巻き返しに期待したい。
その他、14年セントウルSなど重賞を2勝したリトルゲルダの仔で、前走の自己条件戦を快勝したグレイイングリーン(牡3、栗東・池江)や桜花賞馬ハープスターのおいでリオンディーズの初年度産駒ジュリオ(牡3、美浦・木村)などにも注目だ。
(Text:Funaki/sakura kyosuke/Inoue)
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