おしらせ
阪神ジュベナイルF1週前追い切りレポート
今週末は2歳牝馬のGI阪神ジュベナイルFが行われるが、本日は出走予定各馬の1週前追い切りについてレポートが届いているので、お伝えすることにする。 アニメイトバイオ(牝、美浦・牧) 12月2日に美浦南ウッドで54秒4?39秒6?12秒7を強めでマーク。前走後の初時計となったが、気合いをつけてしっかりとした伸び脚。減っていた馬体も回復しており、出来落ちは見られない。 アパパネ(牝、美浦・国枝) 栗東滞在中の関東馬。こちらに入厩してまだ日は浅いが、環境に馴染むのが早かった。牝馬にしては物事に動じないし、堂々としている。シャドーロールを着用しているが、走る姿勢は悪くないし、集中力もある。体の使い方が上手だし、バネがあって身のこなしも軽い。素質は相当ありそうな気がするが、こちらに来てからの状態は今ひとつ。前走の疲れがとり切れていないのか、ハードなローテーションが応えているのか、輸送疲れがあるのか、カイ食いが細くなっているのか、原因は定かではないが、体つきを細く見せているし、馬体の張りも今ひとつ。馬に負担を掛けられないという感じで、こちらに来てからの調整も軽いだけに、能力を十分発揮するのは難しいだろう。 カレンナホホエミ(牝、栗東・橋口) 間隔は詰まっているが、使った後の回復も早かった。減っていた体も今はフックラしているし、柔らかみにも溢れている。トモの蹴っぱりも力強く、脚捌きもしっかりしている。見た目には悪くないし、連勝していた当時と変わらないデキだと思うが、肝心の結果が出ていない。滞在競馬向きなのかもしれないし、夏馬なのかもしれない。 グレナディーン(牝、栗東・橋口) ゆったり間隔をとってやっているが、馬体の回復が思わしくない。ギリギリに見えた前走からさらに薄く見せて、ガレてきたように見える。カイバを食べても身につかないタイプなのかもしれない。中間の調整も手加減せずにやっているので心配ないのかもしれないが、間近でこの馬体を見てしまうと、前走からの上積みとなると疑問符をつけざるを得ない。いいモノを持っているだけに、歯痒いというか、もったいない気がする。体に実が入って良くなってくればもっと走れるはず。 ジュエルオブナイル(牝、栗東・荒川) 休養させたのだが、思ったほど馬体の成長が感じられず、休養の効果は今ひとつ。休養前の方がもっと体つきがゆったりしていたし、フォームも大きくて伸び伸びと走れていた。今は胴が詰まってコロンとした体型になったし、体そのものも小さくまとまってしまった。いかにも短距離馬という感じの馬体で、この体型だと距離が延びると心配。それに、今は新陳代謝が良くないのか冬毛が出ているのも気になるところ。休養させてストレスがとれた分、落ち着きが出て精神面では良くなっているのだが、休養前の走りができるかどうかは疑問。 シンメイフジ(牝、栗東・安田) 放牧先で相当乗り込んで鍛えてきたと思うが、体つきは幅が出て厚みが増し、ドッシリした感じが出てきた。休養前の華奢な感じがなくなって、見違えるほど良くなっている。一段とパワーアップして帰ってきた。帰厩してからも手加減せずハードに乗り込んで、鍛えた筋肉で張り詰めている。馬体が肥えてきて、体そのものを大きく見せている。フジキセキの仔は、父親がそうだったように、肥えてきて馬体重が増えてくると走る傾向にあるのだが、今のこの馬は今まさにそういう状態にある。一段とバネのある走りをしているし、走るフォームも安定していて、それが追ってからの伸びに繋がっているのだろう。久々になるが文句のない仕上がり。 ステラリード(牝、栗東・森) 坂路で乗っていた今までとは違って、この中間からコースで調整されている。色々と工夫が見られるのだが、体つきは思ったほど肥えていない。馬に負担を掛けないように手加減されている感じ。筋肉もつき切っていないし、中身もできていない分、馬体が緩んでいる感じがあるし、張りも今ひとつ。鞍上に反抗して言うことを聞かなくなっているようなところも見受けられるし、精神面の成長も今ひとつで進境が見られない。やはり輸送競馬よりも滞在競馬の方が合っていると思う。 タガノエリザベート(牝、栗東・松田博) 相変わらずスリムに見せているが、鍛えた筋肉がついてきた分、使い出しの頃とは実の入りが違ってきたことで細くは見せなくなった。すごくゆったりした体の造りだし、背中がいい分、動きも体全身を使い切って伸びのあるフットワークで走れている。精神面でも牝馬特有のイラついたり気負ったりするところがなく、落ち着き払って堂々としている。2歳牝馬とは思えない、古馬のような風格がある。走りに集中して溜めが利く分、追っての伸びや切れ、瞬発力が他馬とは違う。スケールの大きさを感じさせるし、使うたびに成長が感じられる。 パリスドール(牝、栗東・川村) 間隔が詰まってハードなローテーションだが、前走時よりも活気があって疲れは感じさせない。ただ、毛ヅヤが今ひとつだし、いい頃に比べて張りはボリューム感に欠ける。見ていても体が小さくなったような感じさえする。動きにしても柔らかみに欠けるし、素軽さも今ひとつ。この馬も冬場は今ひとつで、夏馬タイプかなという気がする。 ブルーミングアレー(牝、美浦・小島茂) 栗東滞在中の関東馬。前走を使った後すぐに入厩させたこともあって環境に馴染むのも早かったし、牝馬にしては物怖じせず堂々としている。馬格もあって、均整のとれたバランスのすごくいい馬体。動きにしてもトモの蹴りが力強く、トビが大きくて体をうまく使えている。スピードとパワーを兼ね備えている感じ。そして、何より注目しなくてはならないのが、中間の調整具合だと思う。2歳の女馬とは思えない、古馬のように馬に負担を掛けてハードに調整されている。小島茂厩舎は牝馬の仕上げに定評のある厩舎だし、栗東での仕上げのノウハウを完全に知り尽くしているだけに、今回の仕上がりは文句なし。1勝馬だが、ここでも十分通用する能力を持っているし、奥の深さが感じられる。来年には関東の3歳牝馬を代表する馬に育って行くと思う。前走はアパパネに負けてしまったが、こちらに来てからの調整を比較するとアパパネとは雲泥の差。未勝利馬とオープン馬くらい違うような印象を受ける。あとは抽選を無事に通過するのを祈るだけ。 ベストクルーズ(牝、栗東・松田博) 1走ごとに馬体重は減ってきているが、細くなった感じはない。逆にムダ肉がとれて締まってきて、より動きやすい体つきになってきた。体がようやくできてきた感じ。いいバネを持っているし、トモの蹴っぱりも力強い。父のクロフネよりも母方のサンデーサイレンスの血が色濃く出ているように思う。体の使い方も上手だし、身のこなしも軽い。切れのある動きをしているし、重苦しさを全く感じさせない。中間の調整もキッチリやっているし、使うたびに良くなっている。これからが楽しみな馬。 メイショウデイム(牝、栗東・佐山) 使い込んできているが、テンションは上がっていない。落ち着きがあって精神面では安定しているのだが、体つきはボリューム感に欠けていて薄く見せている。何か小さくまとまってしまったような感じで、前走ほどの張り詰めたものは感じない。脚捌きにも硬さが見られて柔らかみに欠けているのも気になるし、間隔が詰まってきたことで前走時の疲れがとり切れていない分、前走からさらに上向いているという感じはしない。 モトヒメ(牝、美浦・松永康) 12月3日に坂路(重)で53秒8?39秒1?25秒4?12秒5を馬なりでマーク。大野騎手が騎乗していた。前走後もすぐに乗り込みを開始。キビキビとした活気溢れる走りで、元気の良さが目立つ。馬体も維持しており、いい状態を保っている。心身ともにしっかりした印象を受けるのでキャリアから心配される距離面の不安も克服してくれそうだ。 ラナンキュラス(牝、栗東・矢作) ゆったり間隔をとってやっているのでストレスや疲れもとれているし、体つきも前走より肥えて実の入りが良くなってきた。弾力性に富んだ筋肉に覆われて柔らかみにも溢れ、体そのものが大きくなって成長を感じさせる。落ち着きもあって堂々としていて、気品が漂っている。すごく雰囲気はいいのだが、中間や今朝の動きは今までと違ってモッコラとしている感じで、体の切れや伸びが今ひとつ。冬場で汗をかきにくくなってムダ肉がついてきた分、こういう動きになっているのかもしれない。今回は前走ほどの信頼は置けない気がする。評価が微妙なところ。