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【今週の重賞】[オークス]ソダシ 無敗の牝馬2冠に挑む[平安S]大器アメリカンシード 巻き返しを期す

■5月23日、東京競馬場で第82回・オークス(GI、芝2400m)が行われる。3歳牝馬にとって過酷な東京競馬場芝2400mを舞台に各馬が栄冠を目指す。

何といってもこのレースの注目は、無敗の桜花賞馬ソダシ(牝3、栗東・須貝)の2冠成るかという点だろう。昨年9月の札幌2歳Sで白毛馬初のJRA芝重賞制覇を成し遂げたのを皮切りに、アルテミスS、阪神JFと立て続けに勝利。更に圧巻だったのは前走の桜花賞。好スタートを決め、逃げ馬を見ながらの3番手でレースを進めると、その脚色は最後まで衰えることはなく1分31秒1のコースレコードで駆け抜けた。阪神JF、桜花賞でソダシとタイム差なしの2着と詰め寄ったサトノレイナスがダービーに矛先を向けたこともあって、オークスではライバル不在ともいえる状況。先日、JRA通算1000勝を達成し、ますます勢いに乗る鞍上吉田隼騎手とのコンビで、昨年のデアリングタクトに続く無敗の牝馬2冠に挑戦する。敵は2400mの距離だけだ。

アカイトリノムスメ(牝3、美浦・国枝)は、3冠牝馬アパパネの仔。初のGI挑戦、初の関西圏での競馬となった前走桜花賞では勝ち馬をマークするような位置で競馬を進めたものの、最後は勝ち馬に離されてしまい4着に終わった。一方で、この馬の戦績から注目すべきは東京競馬場との相性の良さ。東京競馬場ではこれまで3戦して3勝、その中にはクイーンCの重賞勝ちも含まれている。鞍上予定はNHKマイルC、ヴィクトリアマイルと5月の府中GIを連勝しているC.ルメール騎手。アーモンドアイを筆頭にGIで実績を残し続ける鞍上と厩舎のタッグがアパパネの娘を母仔2代のオークス制覇に導けるか。

ファインルージュ(牝3、美浦・木村)は、フェアリーSから直行した前走の桜花賞で8番人気ながらソダシと0秒1差の3着と健闘した。この馬の武器は、フェアリーSから桜花賞で持ちタイムを3秒以上も詰めたことからも窺えるレースセンスの良さだろう。母の父ボストンハーバーの産駒は短距離を主戦場とする傾向にあり、一見すると長い距離に向かない血統構成にも見えるが、祖母セクシーココナッツは菊花賞馬ダンスインザダークの産駒で、3代母ココパシオンはエアグルーヴが勝ったオークスで3着だったリトルオードリーの全姉。母系の血統構成的にはスタミナ源となる血をきちんと押さえているため、あっさり距離をこなしてしまう可能性も十分。樫の舞台で純白の女王へのリベンジを期す。

前走で長距離適性の片鱗を見せたのがステラリア(牝3、栗東・斉藤崇)だ。それまではマイル前後の距離で善戦するものの勝ち切れないというレースを続けていたが、阪神2000mで行われた前走忘れな草賞では、中団追走から上がり3F最速の脚を使い、逃げたエイシンヒテンをあっさり捕まえて完勝。母の父が05年のイギリスダービーの勝ち馬モティヴェイターなので、距離延長の前走で結果を出したのはこの馬のスタミナが良く伝わっているということだろう。祖母の父ブルーバードは11年のオークスを7番人気の評価を覆して勝利したエリンコートの母の父でもある。エリンコートと同じ忘れな草賞勝利をステップとして、大舞台での一発を狙う。

その他、5代母はアサマユリ(メジロデュレン、メジロマックイーンの曾祖母)という由緒正しい「メジロの血」から長距離適性を受け継いだフローラSの勝ち馬クールキャット(牝3、美浦・奥村武)、父はキングカメハメハ、近親にステイゴールドなどがいるという良血で、大レースでの勝負強さがありそうなスイートピーSの勝ち馬タガノパッション(牝3、栗東・鮫島)、重賞戦線であと一歩惜しいレースが続いている昨年の阪神JF3着馬で長丁場に強そうなゴールドシップ産駒ユーバーレーベン(牝3、美浦・手塚)など多彩なメンバーが揃ったこの一戦。2年連続で無敗の2冠牝馬が生まれるのか、それとも下馬評を覆しそれに待ったをかける馬がいるのか。今年のオークスも目が離せない一戦となりそうだ。

■5月22日、中京競馬場で第28回・平安S(GIII、ダ1900m)が開催される。京都競馬場の改修に伴い、本レース史上初めての中京競馬場での開催となる。

アメリカンシード(牡4、栗東・藤岡)は、単勝1.4倍という圧倒的な1番人気に支持された前走マーチSでよもやの14着。昇級戦で周りの出脚も速く、普段より1列後ろの競馬になり砂を被ってしまったところで歯車が狂ったか。不運は重なるもので、道中で落鉄もしていたようだ。前走で力を出し切ることはできなかったが、自分のレースが出来ればあっさり重賞を勝ってもおかしくない能力の持ち主。それを証明したのが初ダートとなった1勝クラスのレース。勝利したこの馬がマークした上がり3F34秒7は、過去30年の京都ダート1800mで勝ち馬が使った上がり3Fタイムの最速タイ記録。タイで並んだ馬は他に2頭おり、1頭はダートグレード競走で活躍したワイルドフラッパー、もう1頭は30年来の競馬ファンには懐かしい未完の大器、日本におけるイージーゴアの代表産駒プレミアムサンダー。どちらも重賞で連対しているようにこの上がり3Fタイムは能力の証と言えるだろう。しかもアメリカンシードはその脚を逃げて使ったというのが特筆すべき点だ。兎に角自分のペースでレースができるかどうかがカギになりそう。

マスターフェンサー(牡5、栗東・角田)は、19年春の米国クラシック競走挑戦で話題となった。日本に戻ってからは、条件戦から地道に着実にステップアップを重ね、昨年は盛岡のマーキュリーC、金沢の白山大賞典、名古屋の名古屋グランプリとダートグレード競走3連勝。前走船橋のダイオライト記念こそ4着と敗れてしまったが、実績という点ではメンバー中屈指。別定戦のため58キロの斤量を背負うが「剣豪」の名にふさわしい切れ味を見せて帝王賞へ弾みをつける一戦としたい。

マルシュロレーヌ(牝5、栗東・矢作)は、昨年9月のダート転向からわずか半年でダートグレード競走を制覇したシンデレラホース。前走の川崎エンプレス杯も勝負どころでマクり気味に進出し、直線で前をきっちり差し切る危なげのない勝利だった。牡馬混合の一戦となるこのレースだが、その実力は引けを取らない。

オーヴェルニュ(牡5、栗東・西村)は、1月に中京競馬場で開催された東海Sの勝ち馬。前走フェブラリーSは、とにかくインコースが強かった当日の東京ダートにあって、7枠14番という枠順が厳しかった。馬群の外目でレースを進めざるを得ず、最後は失速してしまったが、今回は2戦2勝と得意にしている中京ダートで変わり身を見せたい。ただ、馬場が渋った方がいいタイプで、当日の天気は気になるところかもしれない。

ヴェルテックス(牡4、栗東・吉岡)は、2、3歳時は勝ち切れないレースが続き、未勝利のまま園田競馬へ転出。そこで2連勝を飾ると、馬が勝利の味を覚えたのか、中央再転入後は4戦3勝で一気にオープンクラスまで出世。勝ち身に遅かったかつての姿が想像できないくらいだ。重賞初挑戦となるここも勢いそのままに勝利を目指す。

その他にも前走アンタレスSで58キロを背負いながら3着に差し込んだロードブレス(牡5、栗東・奥村豊)、ウインバリアシオン産駒初のJRA重賞制覇を目指すドスハーツ(牡4、栗東・松永昌)など伏兵も多そうなこの一戦。混戦を断つのはいったいどの馬だろうか。
(Text:Inoue)

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