おしらせ
牡牝トライアル1週前追い切りレポート
今週末は皐月賞、桜花賞のトライアル、弥生賞、チューリップ賞が行われるが、本日は出走予定各馬の1週前追い切りについてレポートが届いているので、お伝えすることにする。 《弥生賞》 アドマイヤテンクウ(牡、栗東・松田博) 馬体を見ても筋肉が盛り上がっているし、さらに幅、厚みが出てきた印象。前走からひと息入ったが、中間も緩めることなく鍛えられている。重量感も増して、日を追うごとに成長を感じるし、すごい体つきになってきた。父キングカメハメハも春のこの時季に筋肉がついていったのだが、成長過程も父似。調教の動きもトビが大きくて迫力満点。精神面でも落ち着きが出てドッシリと構えているし、まるで古馬のような雰囲気が漂う。 ヴィクトワールピサ(牡、栗東・角居) 放牧先でも相当乗り込まれていたのか、休み明けを感じさせないほど筋肉が張っているし、以前よりも体のつくりはドッシリしている。中身も詰まり、一段とパワーアップしている印象。調教でもトモの踏み込みも力強く、身体全体を使って躍動感のある動きを見せている。重心もグッと下がり、実戦に行ってさらに伸びのある脚を使ってくれそう。闘争心もあり、休養の効果は十分あったようだ。 エイシンアポロン(牡、栗東・岡田) こちらも休養明けだが、栄進牧場で十分乗り込まれていたようだ。休む前よりもむしろ馬体が仕上がっているような印象を受けるし、ヴィクトワールピサ同様、張りのある筋肉。胸前、腰からトモにかけての肉づきが良く、ボリューム感あふれる馬体の雰囲気だ。弾力性のある筋肉に覆われているようで、体のこなしも柔らかく、バネが利いてスピード感満点の動き。素晴らしい仕上がり状態だ。気性面でも若さが抜けて素直になってきているし、それでいて気合が表に出ている。走る気持ちが感じられ、これならクラシック路線に向けても楽しみが出てくる。 ダイワバーバリアン(牡、栗東・矢作) 前走後の回復も早く、この中間はより馬に負担を掛けてハードな乗り込みを消化している。休み明けの前走から調整方法を変えて、馬にいい意味で変化が出てきた。普段からコースを使って調整されるようになったのだが、馬に変な気負いが消えて、リラックスして走れるようになった。以前と違って伸び伸び走れているし、食べたものがしっかり実になって馬体がフックラした印象を受ける。 アースステップ(牡、美浦・勢司) 2月24日に美浦ポリで73秒0?57秒1?42秒3?14秒1を馬なりでマーク。単走でサッと流しただけなので、時計が平凡だったせいもあるが、全体的な覇気がひと息。リラックスし過ぎている印象で変わり身は薄い。 コスモヘレノス(牡、美浦・菊川) 2月25日に美浦坂路で51秒7?37秒8?24秒5?12秒2。石橋脩騎手が騎乗して一杯に追われた。ビシッとやったが、しっかりとした反応で伸び脚も力強さ十分という印象。肌つやも冴えているし、さらに上積みを感じさせる。 ローグランド(牡、美浦・河野) 2月24日に美浦南Dコースで68秒8?54秒3?39秒7?13秒2を馬なりで計時。併せ馬で追われたが、スムーズな折り合いを見せて伸び脚も実に軽やかな印象。馬体も張りがあってデキそのものは悪くないといえそう。 《チューリップ賞》 アパパネ(牝、美浦・国枝) 栗東滞在も2度目で、こちらの環境に馴染むのも早い様子。前走にくらべて落ち着きがあるし、牝馬と思えないほど堂々としている。これまでに鍛えられているようで馬体も緩みがないし、鋼のような筋肉に包まれて張りがある。前走は細くて薄い馬体に見えたものの、今回は鍛えられた筋肉がしっかりついている印象。トモの蹴りも力強くバネが利いたフットワーク。相変わらず頭の高い走りをしているが、それもさほど気にならない。久々を感じさせない素軽い動きで、仕上がりは良さそうだ。 ヴィクトリーマーチ(牝、栗東・大久保龍) デビューから2戦を消化しても使い減りしていないし、この中間もハードに乗り込まれている。鍛えられた筋肉がついて中身がしっかりしてきたのか、厚みが増して、使い出しの頃にくらべても馬体を大きく見せる。身のこなしもしなやかだし、切れのある動きで伸びのあるフットワーク。落ち着きもあって精神面でも安定している。1戦ごとに成長を感じるし、今後が楽しみな馬だと思う。 エーシンリターンズ(牝、栗東・坂口則) バネの利いた軽い走りで無駄のない動きをする馬。だからこそ速い時計が出るのだろうし、落ち着きのある精神面がこの馬のいいところだろう。ただ、華奢でいかにも牝馬といった体つき。欲を言えばもう少しフックラして欲しいところで、物足りなさもやや感じてしまう。 オメガブルーハワイ(牝、栗東・笹田) いいバネをしているし、素軽くて切れのある動きをする馬。ただ、やや腹が巻き上がり気味で、腰、トモのあたりの肉づきが薄くなっているし、馬体はガレてきている印象を受ける。テンションも上がって、精神面でも牝馬特有のものが出てきている様子。使い減りしてきている感じがあるし、上積みという点ではもうひとつ。 ベストクルーズ(牝、栗東・松田博) ひと息入れたが、馬体が成長したといった印象は正直受けない。ただ、元々筋肉質で見映えしないし、調教でもあまり動かない馬。それでも、トモの蹴りの強さはケタ違い。実戦タイプという点でも、同厩のブエナビスタと似ている部分がある。サラブレッドに一番大事な闘争心に長けているということも魅力だし、馬体の成長という点では物足りないが、そこはあまり気にしなくてもいいのかもしれない。 ラフォルジュルネ(牝、栗東・松田博) 使い込まれているし、牝馬にしては厳しいローテなのだが、体は減るどころか肥えてきている。鍛えられた筋肉がついてドッシリとしてきたし、使い出しの頃とくらべると実の入り方も変わってきた。体の使い方がうまく、大きなフットワークをする馬。迫力も感じるし、使いながら力をつけてきている印象だ。落ち着きもあって距離が延びて良さが出てきそうだし、オークスあたりで大きく台頭する可能性がある。松田博厩舎は今年もいい牝馬が揃っているが、将来性という点ではこの馬が一番かもしれない。 ワイルドラズベリー(牝、栗東・中尾) ひと息入り、体つきはギリギリに映るし、以前より良くなったという印象は受けない。ただ、筋肉質で元々がこういった体つきなのかも。鋼のような筋肉で覆われて、全身バネといった動き。体の切れも良く瞬発力を感じさせ、躍動感も十分。気迫にもあふれて、走る気満々といった感じだ。牝馬だけにこれがイレ込みに繋がらないかという不安もあるが、現状ではこの気性面がいい方に出ているよう。先々を考えるともっとフックラとして欲しいところだが、心身ともに張り詰めたものがあって、状態面は非常に良さそう。