おしらせ
今週の3歳戦「ここが見どころ」
トライアルが続く今週は桜花賞に向けてのフィリーズレビューが行われる。まずはこのレースから各陣営コメントを中心にお伝えしていこう。 重賞で賞金上乗せができない3着続きのテイラーバートン(牝、栗東・角居)。清山助手は「最内枠の前走はスムーズな競馬ができなかったね。ただ、四位騎手がいろんな競馬を試してくれて、馬はひとレースごとに成長してきています。中2週ですが、しっかりケアして調整してきて、今週も非常にいい動きでした。この距離なら小細工しなくても、自分のペースで競馬ができそうですし、プラス要素の方が大きいと思います」と期待を込めていた。 同様に重賞で4着続きのラナンキュラス(牝、栗東・矢作)について矢作師は「先週負荷をかけて追い切ったから、今週は目一杯にはやっていないが動きはいい。放牧先でも乗り込んできたし、態勢は整っているよ。体は4キロほどしか増えていないが、しっかり調教を積んでのものだから、これまでとは中身が違う」とデキに不安はないようだった。 堅実さが魅力のレディアルバローザ(牝、栗東・池江郎)。村本助手は「中1週だけど、カイ食いがいいので体は維持している。コズミもないし、イライラしたところもない。追い切りは83秒ぐらいの予定が、2秒ほど速くなってしまった。それだけ状態がいいということだよ。今まで馬込みに入ったことがないけど、負けん気の強いタイプだから問題ないと思う。相手は強くなるけど、どんな競馬でもできるし、相手なりに走ってくれるタイプだと思うよ」と長所を教えてくれた。 こちらも前走で500万条件を勝ち上がったニシノモレッタ(牝、栗東・北出)。北出師からは「前走後はリフレッシュさせて、ここまで予定通りです。今週は欲をいえば13秒台の前半でまとめて欲しかったけど、馬場が悪いと動かないタイプだし、単走だったからね。2週前に49秒台が出ているぐらいだから仕上がりはいいよ。もともと無駄な肉がつかないタイプだしね。体重は変わってないけど、トモに丸味が出てきた気がする。蹄の形からも道悪はダメだろうから、良馬場が条件。五分のスタートでスムーズな競馬をして、何とか権利をとって欲しいね」と話が聞けた。 前走で芝を克服したものの、キャリア3戦がすべて1200mのカレンチャン(牝、栗東・安田)。安田師からは「前走後はちょうど1週間、短期放牧へ。その後はここを目標にしっかり調整してきました。大人しくてカイ食いが良くて、手間がかからない馬。牝馬ですが、まったくイライラしたところもなく、エネルギーが全て走る方に向いている感じ。デビュー戦は芝を使いたかったけど除外になってダートへ。もともと芝向きだと思っていました。距離が1400mになりますが、溜めの利くタイプです。1600mぐらいまではギリギリこなせると思ってます。昨年のこのレースではレディルージュが桜花賞の権利をとってくれました。今回も何とか権利をとって欲しいですね」とコメントがとれました。 土曜中山で行われるアネモネSも2着までに桜花賞出走権が与えられるトライアルレース。 阪神ジュベナイルF2着のアニメイトバイオ(牝、美浦・牧)はこのメンバーなら、実績ナンバーワン。追い切りは攻め走る古馬を追走して、3Fで並びかけ、直線で気合いをつけるとキビキビとしたフットワークで半馬身の先着。帰厩後も丹念に併せ馬を消化しており、態勢は整った。牧師は「1週前に内田博が乗っていい動きだったし、気合いが乗ってきた。併せ馬をこなしてきたことで、エンジンの掛かりがよくなっているはず。メンバー的にここは負けられませんね」と力が入っていた。 クイーンCでは7着に敗退してしまったギンザボナンザ(牝、美浦・池上)。陣営からは「前走は外枠を引いた時点でもうダメだと思っていた。あの開催は内しか伸びていなかったからね。外で引っ掛かってしまったのもあるけど、案の定、追っても追っても伸びなかった。あそこまで負ける馬ではないはずなんだ。確かに北村宏が意識的に出して行っているのもあるけど、それにしてもなぁ。ただ、状態面に関しては今回の方が上。昨日の追い切りの反応も素晴らしいものだったよ。とにかく巻き返せるだけのデキにはあるから、ひいらぎ賞のように内側の枠がほしね」とコメント。引いた2番枠はお望みどおりか。 ゆきやなぎ賞からはレッドバリオス(牡、栗東・角居)をピックアップ。芝に戻した前走の500万条件は1着同着から1馬身差の3着だった。前走後はリフレッシュ放牧に出し、陣営からも「今回はいい状態で出せる」とコメント。直前の追い切りでも馬なりで追走併入しており、力は出せそうだ。 沈丁花賞は前走で勝ち上がってきた組が人気の中心になりそう。中でも注目はウインブシドウ(牡、栗東・池江郎)だろうか。デビューから歯痒いレースが続いていたが、前走では後続に3馬身半差をつける快勝だった。今回も同コースだけに期待できるし、追い切りも栗東ポリで好時計を出していた。 その追い切りでウインブシドウに先着した新馬が今週デビューの最注目馬トゥザグローリー(牡、栗東・池江郎)だ。当初は昨年暮れにデビューする予定だったが、腰に疲労が出たことで、この時期の登場となったが、昨年春の時点から陣営の評価は高く、POGでも屈指の人気馬となっている。再入厩後の評価も高まる一方で、池江郎師がダービー出走を思い描くのもうなづける逸材だ。村本助手からも「体質的な弱さと大型馬なのでデビューが遅れたが、これは本物」とプッシュ。名門厩舎の看板馬を多く乗ってきた腕利きの言葉だけに価値がある。日曜阪神5Rに武豊騎手でデビュー予定となっている。 このレースは32頭の除外が出ただけに、有力馬も多い。ダノンゲットウィン(牡、栗東・藤原英)については「まだ弱いところはあるが、そこそこ動いているからね。後々は走ってきそうな馬だよ」と藤原英師。また、トーセンレベッカ(牝、栗東・平田)については「水準くらいの動きはしているよ。ワンペースの走りだが、柔らかくて乗り味のいい馬だね」と平田師がコメントをくれている。 新馬戦の他では、土曜中山6Rのダイジェスト(牡、美浦・藤原辰)。先週、未勝利戦を勝った同厩舎のノーザンリバイブに稽古で先着と素質十分の動きを披露。1月の下旬から入念な乗り込み量で態勢も整っている。使って良化する厩舎ではなく、初戦から勝利を狙う厩舎でもあるし、勝負気配が漂う。注目しておきたい。