おしらせ
【今週の重賞】[プロキオンS]今年は異例の小倉ダート1700mで開催! ウェスタールンドが底力を見せるか?
■7月11日、小倉競馬場で第26回・プロキオンS(GIII、ダ1700m)が行なわれる。
1996年の創設以降、阪神ダート1400mの古馬重賞として施行されていたが、2012年に中京ダート1400mへ移設。昨年は京都競馬場の改修工事の都合で阪神ダート1400mで行なわれ、今年は同様の理由で小倉ダート1700mで開催される。競馬場が替わるだけでなく、長年1400mで行なわれていたレースが300m延長の距離1700mで施行されるため、勝ち馬の傾向は大きく変わるかもしれない。過去の優勝馬に中央のGIを勝った馬こそいないものの、2014年・2015年連覇のベストウォーリアや2019年覇者・アルクトスなどは、その後地方のGI級を制している。距離延長した今年の好走馬は、例年以上に活躍の場を広げる可能性がある。
実績最上位で1番人気に推されそうなのがウェスタールンド(セ9、栗東・佐々木)だ。全姉に阪神JFで3着に好走したミクロコスモスがいる素質馬で、新馬戦以降、長らく芝に使われていた。4歳春の時点で芝3勝を挙げるも、その後は頭打ち状態に陥る。しかし裂蹄での長期休養を機に去勢された6歳の夏、脚元を考慮してダートに使われると1年以上の休み明けにもかかわらず圧勝。続く薩摩Sも快勝すると、シリウスSは2着に好走。暮れのGI・チャンピオンズCでは2着に激走し、ダート界の遅れてきたホープとして名乗りを挙げた。その後もダート重賞戦線で好走を重ねるもタイトルには手が届かなかったが、昨年アンタレスSに勝ち、齢8歳にして重賞ウイナーに輝いた。最後方からマクり気味に上がっていく息の長い末脚が自慢。だがその戦法ゆえ勝ち味には欠け、重賞勝利は先のアンタレスSひと鞍しかない。能力はメンバー随一で休み明けも問題ないので、あとはレースの流れ次第か。
出走馬唯一のGI級勝利があるのがワイドファラオ(牡5、栗東・辻野)である。同馬もデビューから芝に使われ、3戦目に未勝利を脱出すると、続くNZTを逃げ切って重賞初制覇。NHKマイルCで9着に敗れると、次走はダートのユニコーンSを選択。先頭争いを制してハナを奪うとそのまま押し切り、ダートでも重賞覇者となった。その後は一貫して砂の重賞戦線を歩むも、古馬戦では伸び悩む。一時は早熟馬かと思われたが、昨年のかしわ記念ではアッと驚く逃げ切り勝ちを収めてGI級タイトルを掴み取った。重賞3勝はすべて逃げ切りでハナにいってこその馬。能力は高いものの、脚質に幅がなく、同型の存在の有無とレース展開がカギを握る。1700m以上での好走経験がないのも不安材料だ。
勢いという点ではサンライズホープ(牡4、栗東・羽月)を挙げなければならない。京都ダート1800mの2歳新馬でデビュー勝ちを飾ると、大敗を挟みながらも着実に勝ち星を重ね、今年4月の灘Sを先行策から押し切ってオープン入りを決める。昇級初戦の三宮Sでブリンカーを初装着すると、効果てきめんだったのか2着に2馬身半差をつける快勝を収めた。実績では前出2騎には見劣るが、上昇度は登録馬の中ではナンバーワン。気になるのは1800m以上でしか好走歴がないことと、内枠でもまれると脆さを見せる面。また、前走ハンデ54キロからの斤量増も心配ではある。
伏兵勢の中ではナムラカメタロー(牡5、美浦・稲垣)が面白そう。谷原厩舎からデビューした当初は芝に使われ、2戦目の芝1200mで初勝利。3歳の春、谷原師の定年引退を機に稲垣厩舎へ転厩すると、ダート路線に活路を求める。転向2戦目に函館ダート1700mを勝つと、そこから3戦2勝でオープン入り。昇級初戦の師走Sを勝利すると、勢いそのままに地方交流重賞の佐賀記念を3連勝で制し、重賞ウイナーとなる。1番人気に推された名古屋大賞典で3着に敗れたのを境に、一時期低迷するが、今年の総武Sで11番人気ながら勝利を収め、復活の兆しを見せた。好位から速い脚を使って抜け出す走りは当コースにいかにも合いそう。ただ、戦績からは重・不良馬場が苦手なようで天気には注意したい。
そのほかにも、全13戦中、掲示板を外したのはGII・東海S(9着)の1回のみで重賞での4着も2度ある堅実派ダノンスプレンダー(牡5、栗東・安田隆)、ダート1700mは6戦3勝2着1回と得意で、当コース施行の薩摩S勝ちもあるスマートセラヴィー(牡5、栗東・矢作)、オープン特別3勝で実績は十分、あとは距離1700mを克服できるかが鍵のスマートダンディー(牡7、栗東・石橋)、4連勝でオープン入りを果たし小倉ダート1700mでの勝ち鞍もあるメイショウカズサ(牡4、栗東・安達)など不気味なダークホースが多数控えている。小倉ダート1700mで行なわれる“初の重賞”を制するのは、いったいどの馬か!?
(Text:Hattori)
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