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【今週の重賞】[函館2歳S]快速ポメランチェが重賞勝ち一番乗りを目指す

7月17日、函館競馬場で第53回・函館2歳S(GIII、芝1200m)が開催される。この世代初となるJRA重賞に今年は13頭が登録している。

ポメランチェ(牝2、栗東・牧田)は、デビュー戦となった札幌の新馬戦を1分7秒9のレコードタイムで快勝。出脚の違いで先手を奪い、直線ではノーステッキのまま後続に4馬身差をつけた圧巻の内容からも、その非凡なスピードが窺いしれる。この中間も函館ウッドコースを中心に乗り込まれ、軽快な動きを披露している。豊かなスピードのある小柄な牝馬ということで、近親のメローフルーツ(当時芝1200mで開催されていた札幌3歳Sの勝ち馬)とイメージが重なるところもある同馬。重賞の舞台でも快速ぶりを披露することができるか。

メリトクラシー(牝2、栗東・武幸)は、新種牡馬シルバーステートの産駒。父の産駒初勝利を飾ったのもこの馬だった。母父のStarspangledbanner(スタースパングルドバナー)は2010年の欧州最優秀スプリンターで、産駒も短距離を中心に活躍を見せている。デビュー戦では楽にハナを切り、マイペースで逃げ切り。ゴール前で後続に詰め寄られるシーンはあったものの、最後まで余裕を感じさせるレースぶりが印象的だった。故障に泣かされた父が果たすことの出来なかった重賞勝利を産駒が果たせるのか注目したい。

シルバーステート以上に順調な産駒のデビューを飾ったのが新種牡馬ドレフォン。その産駒フェズカズマ(牡2、栗東・安田隆)が、函館2歳Sに出走予定。ダ1200mでのデビューだったことから芝への適性がカギになりそうな一戦だが、同馬はカンパニーやトーセンジョーダンなどの芝GI勝ち馬を輩出したクラフテイワイフの牝系出身。血統背景を鑑みると、むしろ芝適性の方が高い可能性すら感じさせる。ロードカナロアやカレンチャンなどで短距離重賞を総なめにしてきた安田隆厩舎だが、意外なことに函館2歳Sについては勝利がない。2016年にはモンドキャンノが単勝1.6倍の圧倒的1番人気に推されたが、半馬身及ばずの2着だった。厩舎にとってのリベンジなるかという点でも注目だ。

カワキタレブリー(牡2、栗東・杉山佳)もドレフォンの産駒。函館芝1200mの新馬戦では3番手追走から、先に抜け出していた1番人気パスポートチェックをゴール板前でアタマ差差し切って勝利。デビュー戦の鞍上を務めた加藤騎手からは「次はもっと良くなると思います」とのコメントがあったように、奥行きを感じさせるレースだった。管理する杉山佳調教師にとっては初重賞勝利を目指してのレースとなる。陣営の期待に応えることができるか。

カイカノキセキ(牝2、栗東・池添学)も新馬戦でレコードタイムを記録し勝利。母カイカヨソウは南関東のダートで活躍した馬だったが、その仔カイカノキセキは芝でスピードを見せた。このあたりは父キンシャサノキセキからの遺伝だろうか。この時期の2歳重賞の例に漏れず、今回は前走逃げて勝った馬の多い一戦。ハナ争いがポイントになりそうだが、自分のペースでレースが出来ればここでも十分通用するはずだ。

ベルウッドブラボー(牡2、美浦・和田雄)は、東京の新馬戦で3着とした後、福島の未勝利戦で単勝1.5倍の圧倒的な支持に応えて快勝。祖母のテンシノキセキは12月の中山スプリント戦として開催されていたフェアリーSの勝ち馬。その後も平坦コースの1200mを中心に長きにわたって活躍した。1200mへの距離短縮で勝ち上がったのはいかにも祖母の影響を感じさせる。好位からレースを進められるセンスの良さを活かして上位食い込みを狙いたい。

トーセンサンダー(牡2、美浦・杉浦)も新馬戦でレコードタイム勝ち。7番人気とそれほど高くない評価だったが、2番手追走からうなるような手応えで逃げ馬に並びかけた4角の様子からは、底知れないパワーを感じさせた。父トーセンファントムは朝日杯FSで3番人気に支持されたほどの素質馬だったが、レース中の故障により志半ばで引退を余儀なくされた悲運の馬。父に代わって12月の王座に君臨するためにも、ここで好走し弾みをつけたいところだ。

ブランボヌール、ビアンフェ、ティーハーフなどのように、このレースで活躍した馬が翌年、翌々年の北海道シリーズで活躍するというシーンも多くみられる。世代最初の芝重賞勝ち馬はどの馬になるのかという観点に加えて、未来の洋芝巧者を見つけ出すという点からも注目したいレースだ。
(Text:Hiraishi)

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