おしらせ
【今週の重賞】[クイーンS]マジックキャッスルなど今年の女王候補が北の大地で激突
■8月1日、函館競馬場で第69回・クイーンS(GIII、芝1800m)が行われる。
夏競馬を代表する「札幌記念」へのステップレースでもあるクイーンSは、今年は札幌ではなく、函館に舞台を移し開催される。札幌記念の主役に躍り出て、秋のエリザベス女王杯に向けて勢いをつけたい淑女が集まる当レース。名乗りを上げるのはどの馬か。
前走、グランアレグリアが勝利したヴィクトリアマイルで3着に好走したマジックキャッスル(牝4、美浦・国枝)は、女王の座を虎視眈々と狙う。その前走は、最後が少し甘くなり2着のランブリングアレーに交わされる形になったが、狭いところを割るように伸びてタイム差なしの3着を死守。この馬の強力な武器であるスピードの持続性と末脚の安定感を示した内容だった。またデアリングタクトが勝利した重馬場の桜花賞以外、すべてのレースで掲示板内を確保し、GIでも再三上位進出。好メンバーが揃ったGIIIの今回だが、実績も勢いも頭ひとつ抜けている。また洋芝は初めてとなるが、母父シンボリクリスエスの函館成績(芝1800m以上の全レース・過去10年)は勝率9.2%、連対率23.1%、複勝率32.3%と好成績。開催が進み、差しが決まる馬場状態になっていれば、もちろんここでも勝ち負けだろう。
同じく前走ヴィクトリアマイルから参戦するシゲルピンクダイヤ(牝5、栗東・渡辺)は、先に重賞制覇を遂げた全妹シゲルピンクルビーに続いて、悲願の重賞制覇を目指す。昨年12月の中日新聞杯で2着してから重賞での好走がないが、ヴィクトリアマイルでは出遅れながらも中団前めにつけて脚を溜めると、直線ではジワッと伸びてマジックキャッスルにコンマ1秒差の5着に善戦。桜花賞2着、秋華賞3着したポテンシャルを改めて認識できるレースだった。1週前追い切りは渡辺師自らまたがり、CW6F84秒6-1F11秒5(一杯)と、終い重点で良い動きを見せた。力が要る競馬場を得意とするダイワメジャーの産駒だけに洋芝適性に大きな不安はなさそうで、マジックキャッスル同様に差しが決まる馬場であれば、好走が期待できる。
3冠牝馬ジェンティルドンナの全妹という良血ドナアトラエンテ(牝5、美浦・国枝)は、まだ重賞勝ちこそないものの常に1番人気に推され、前走福島牝馬Sでは2着に好走した。ここまで走ってきたレースがすべて1800m戦であり、得意距離であるのは間違いなさそう。自身初めての洋芝で、きょうだいにも函館・札幌で走った馬は不在。馬場適性がカギとなってきそう。ただ、3走前の重馬場の初富士Sでは直線の坂上であっさりと前にいた馬を捕まえて完勝を収めており、パワーもあるのでここでの好走は通過点となる可能性もありそうだ。国枝厩舎が大事に育ててきたこの馬の活躍に期待したい。
前走マーメイドSで藤懸騎手とともに重賞初制覇を果たしたシャムロックヒル(牝4、栗東・佐々木)は、秋から武者修行のため渡英する団野騎手に手綱が戻り、ふたつ目の重賞タイトルを目指す。マーメイドSでは10番人気の低評価のなか、逃げ切り勝ち。斤量が50キロと恵まれたこともあったが、その後中京記念を勝利したアンドラステや3着のクラヴェル、重賞好走経験豊富なシャドウディーヴァの猛追を振り切っての勝利は力を示せたレースであった。今回は別定戦となるので、ここが試金石となりそうだ。
ほか、中山や福島といった小回りコースの実績があり、近2走は地方交流重賞のマリーンCとスパーキングレディCのダート戦でも小回り適性を活かして4着に善戦しているフェアリーポルカ(牝5、栗東・西村)や、桜花賞以降歯車が狂ったような成績も、前走米子Sで3着に好走し復調気配を窺わせるクラヴァシュドール(牝4、栗東・中内田)、格上挑戦となるが、2勝クラスでしんがり負けが続いていたなか、HTB賞であっさり勝利を収めたマイエンフェルト(牝5、栗東・杉山佳)などにも注目だ。
(Text:Funaki)
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