おしらせ
今週の2歳戦「ここが見どころ」
今週の見どころとしてまず挙がるのが日曜阪神、芝1800mの新馬戦だろう。 ディープインパクト産駒としてはもちろん、厩舎の期待も高いヴィジャイ(牡、栗東・松田国)は今年のPOGでも屈指の人気馬だ。最終追い切りは栗東Cウッド安藤勝騎手が騎乗し、6Fの併せ馬。80秒3で終いは11秒7。同厩新馬のスマートロビンにクビほど遅れたが、外から追走していっただけに、この程度の遅れは問題ないだろう。目一杯ではなくこの時計が出るのだから期待は高まる。松田国師は「筋肉がついて、丸みを帯びてきた。終いもいい時計が出て、まだ余裕がある。完歩が大きくてパワーもあるから能力は高い」と評価。入厩してからここまでに時計を出さなかった時期もあったが、今夏の猛暑を考慮した調整は上手く行ったようだ。 ハーツクライを管理した橋口師ゆえ、初年度産駒である今年の2歳には力が入っているが、管理馬の中でも最上級の評価をしているハーツ産駒がリフトザウイングス(牡、栗東・橋口)。週中のニュースでその期待のほどをお伝えしているが、ここは最終追い切りの模様をお伝えしておこう。セントライト記念に騎乗するためデビュー戦の手綱はとれなかったが、当初騎乗予定だった武豊騎手が最終追い切りに乗った(レースは蛯名騎手)。栗東坂路で馬なりのまま53秒1?12秒5。雨が降っていた馬場を考慮すればなかなかの時計といえるだろう。1週前に2歳一番時計を出しているほどだから、態勢は整っているといえる。 この2頭に大きな注目が集まっているが、ヴァレノーヴァ(牝、栗東・白井)、ビップセレブアイ(牡、栗東・清水久)、レッドデイヴィス(セ、栗東・音無)なども好内容の追い切りを消化している。人気馬に待ったをかける馬も出てきそうな雰囲気だ。 中山では日曜5Rのアポロゼウス(牡、美浦・岩戸)を週中のニュースでお伝えしていたが、ここではメイショウオオゾラ(牡、美浦・小島太)を紹介しておこう。兄は同厩舎に所属のオープン馬メイショウレガーロ。兄はデビュー戦こそ2着だったが、その後にすぐ勝利して早くから活躍した。本馬は父がアグネスタキオンに変わってバネの利いた走りを披露。立ち回りのうまさにも定評がある血統でもある。今週は終い12秒を切って瞬発力十分。素質は相当といえそうだ。 土曜札幌5Rはデボネア(牡、栗東・中竹)に注目。本馬はシェイク・モハメド殿下の所有馬だが、育成時期にダーレーの若駒担当者がめったにない「A’」の評価をつけたという逸話でドラフト時期にも話題になった馬だった。優に500キロを超える馬体からはパワーが感じられ、陣営からも「力強い動きをしているし、反応などもいい。気性面でも賢い馬ですよ」とコメント。ダートの初戦でどういう走りを見せるか期待したい。 月曜札幌5Rはオークス馬シルクプリマドンナの仔、アドマイヤコリン(牡、栗東・橋田)が注目の1頭。セレクトセールでも9200万円の値をつけたように、常に期待される血統だ。比較的小柄な馬体は父ディープインパクトのイメージ通りで、特に目立つような時計は出てないが、終いの素軽い動きもなかなかのもの。阪神のディープ産駒が話題を集めるが、こちらも忘れずレースを見届けておきたい1頭だろう。 今週もオープン特別が組まれている。カンナSでは新馬戦を着差以上に楽な勝ち方をしたハタノファベルジェ(牝、美浦・畠山吉)に注目しておきたい。畠山吉師は「ゆったりした流れとはいえ、楽に2番手につけて抜け出す強い勝ちっぷり。まだ鞍上もベストの適性条件は分からないと言っていたが、1200mに短縮されるのがマイナスになることはない。追ってからの反応が素晴らしいし、オープンクラスでも1勝馬同士なら、十分勝ち負けになっていい」と自信を持っていた。 その他、前走を3馬身半差で勝っているピュアオパール(牝、美浦・戸田)、4馬身差で勝っているニシノステディー(牝、美浦・尾形)などにも注目だ。 野路菊Sもディープ産駒VSハーツ産駒の様相。前走、ハイレベルの未勝利戦を勝ったディープ産駒モスカートローザ(牝、栗東・池江寿)は安藤勝騎手が「良くなってきている」と感触を掴んでいるようで、さらなる上積みが期待できそう。またハーツ産駒のウインバリアシオン(牡、栗東・松永昌)、メイショウナルト(牡、栗東・武田)も前走の勝ち方が鮮やかだった。ここを勝った馬は先まで期待が持てるという1戦になりそうだ。