おしらせ
今週の2歳戦「ここが見どころ」
今週の注目レースはやはりデイリー杯2歳Sだろう。まず注目するのは札幌の新馬戦で目立った末脚で快勝したレーヴディソール(牝、栗東・松田博)。最終追い切りは3歳オープンクラス、レーヴドリアン、ベストクルーズとの併せ馬。全体時計は遅かったものの内から追走していき、ゴーサインが出されると一気に突き放す瞬発力を見せた。内を通った利はあるものの格上馬を相手でこの内容は圧巻だった。松田博師は「今週は時計が遅過ぎた。上がり11秒台は出て当たり前。ただ、帰厩して日が浅い割にはしっかり乗り込めた。カイ食いもいいから前走と同じくらいの馬体重で出られると思う。外回りもいいと思うし、牡馬相手でもやれるんじゃないか」と話していた。POG人気も高い1頭だけに、期待している指名者も多いことだろう。 ブリーズアップセールの高額馬ということで、こちらも当初からPOG人気が高かったエイシンオスマン(牡、栗東・松永昌)。7月10日以来の実戦となるが、松永昌師は「先週もいい反応だったし、今週も51秒1で上がりもしっかり。力があるんだね。体重はそれほど変わらないけど、太目感はない。いい感じに仕上がったよ。ただ、2走とも掛かり気味だっただけに、折り合いがカギになるだろうね。やはり引っ掛かったら重賞では厳しいからね」と話していた。 メイショウナルト(牡、栗東・武田)の幸騎手は「前走はインを回ったため、勝負所で少し窮屈になって追い出すタイミングが遅れました。ただ、勝った馬は強かったですね。負けたことで『これではダメだ』と思い、先週はデビュー以来初めてビシッと追い切りました。今週はサッとやっただけですが、いい感じで調整できています。今度は負けるわけにはいきませんからね」と気合が入っていた。 アドマイヤサガス(牡、栗東・橋田)は今週の動きが目立っていた1頭。先週も栗東坂路で50秒台の時計を出していたが、今週も50秒3を出し、終いも12秒5にまとめた。中内田助手は「追い切りの動きはすごく良かったですよ。僕が跨っていた古馬がアッサリ突き放されてしまいました。稽古通りに走ってくれれば楽しみですね。並んでからも勝負強いですよ。ただ、道中で気を抜いたり抜け出すとソラを使ったりと、まだ子供っぽいところが残っていますからね。そのあたりに課題が残っています」と話してくれた。 デビュー戦を勝った際にも評価はされていたが、ここにきて株が上がってきたグランプリボス(牡、栗東・矢作)。なぜなら、その新馬戦で2着に退けた馬が札幌2歳Sを勝ったオールアズワンだったからだ。札幌から栗東に帰厩し、最終追い切りは坂路で52秒0。一杯に追われ、堅実な成績を残す3歳のミカエルビスティーと併せたが、最後は突き放して先着。ここもいいデキで臨めそう。 サフラン賞からはカトルズリップス(牝、美浦・杉浦)をピックアップ。藤田助手からは「前走は2着のオルフェーヴルが来た時にフワッとして息を抜いてしまった。それでもそのあとは伸びてきていたし、まだ真剣に走らない面が残っているんだ。中1週となるが体調面は悪くはないし、牝馬限定戦に替わるのも好材料。今回も乗り方ひとつだが、まともに走れば勝って当然の馬だよ」とコメントがとれた。 その他ではポップロックの半妹スピードリッパー(牝、美浦・鹿戸雄)、セレクトセール出身のハーツクライ産駒マリアビスティー(牝、栗東・矢作)などにも注目しておきたい。 新馬戦ではまず日曜東京3R。メルマガではイクゼギンギラギン(牡、美浦・国枝)をお伝えしたが、ここはイングリッド(牝、美浦・加藤征)をピックアップ。素軽い動きを見せる小柄なディープ産駒で、最終追い切りも南ウッドを6F84秒2、終い12秒2を馬なりでマークし、軽快な動きだった。陣営の期待度については過去のPOGニュースでもお伝えしているので、そちらをご確認いただきたい。 日曜京都3Rもディープ産駒のボレアス(牡、栗東・吉田)を紹介。祖母が芝重賞2勝のクロカミで、母クロウキャニオンは交流の兵庫ジュニアグランプリで3着がある。ひとつ上の半兄キラウエアもダートで2勝を挙げており、この馬もダート1800mのデビュー戦でどんな走りを見せるか注目だ。 同日4Rでは週中のニュースでケイティーズジェム(牝、栗東・藤原英)の様子をお伝えしているが、ここは今週一番の好メンバー。 まずは菊花賞馬スリーロールスの弟スリーロビンソン(牡、栗東・武)をピックアップ。入念に併せ馬を消化し、ひと追いごとに走る気が出てきた。西田助手は「速い追い切りをやり出したときは全く動かなかったけど、先週からやっとやる気を見せてくれた。ただ、体は440キロぐらいで、500キロあった兄よりふた回りぐらい小さいし、エンジンも小さい。兄とくらべるのはかわいそうだよ」と話す。ただ、「母のスリーローマンはデビュー時は400キロしかなかったけど、どんどん成長して最後は450キロを越えていた。距離も短距離しかダメだったのが長い距離ももつようになって、結局4勝したからね。スリーロールスも3歳夏にグンと成長してくれたし、晩成の血に期待だね」とつけ加えた。初戦は動けないかも知れないが、先々を想像しながら、レースぶりを見てみたい。 また、ハーキュリーズ(牡、栗東・角居)もPOGでの人気厩舎でディープ産駒という1頭。母もヒシアトラスやルミナスハーバーなど堅実に走る仔を出している。最終追い切りは馬なりで流したがCウッドで終いは12秒5。角居流3頭併せで、時計は参考程度。併走を追いかけて相手に先着する動きだったので、実戦での走りに注目したい。