おしらせ
今週の3歳戦「ここが見どころ」
今週は東京競馬場で行われる2つの3歳重賞が注目レースだ。まずは共同通信杯からお伝えしよう。 まずは今回唯一の芝重賞勝ち馬で人気の一角となるダノンバラード(牡、栗東・池江郎)。村本助手からは「前走がこの馬本来の姿だと思うよ。2走前は稽古の時から何かモタモタした感じで物足らなかったからね。今週は上がり重点だったがいい動きだったようだね。初の長距離輸送だが、イラつく性格ではないから大丈夫なんじゃないかな」とコメント。 ベルシャザール(牡、栗東・松田国)の松田国師は「前走後は1週間ほど山元トレセンに放牧に出して疲れを取りました。帰厩後は3週続けてジョッキーが追い切りに跨り、ビシビシやってきました。それでも体が減っていませんし、しっかりしてきましたね。前走は皐月賞を意識していい位置につけましたが、今回は東京ですから父のいいところ(切れ味)を活かす競馬をして欲しいですね」と話していた。 ユニバーサルバンク(牡、栗東・松田博)ついて松田博師からは「詰めて使っているが、稽古はしっかりとやれている。体調はいい。ジリっぽい面はあるが、そこは広いコースでカバーして欲しい。能力的にはそれほど見劣らないから」とコメントが聞けた。 前走で不可解な大敗をしたディープサウンド(牡、美浦・勢司)について陣営からは「まだ気持ちがしっかりしていない馬で、無理に急かされたり、行きたい時に抑えられたりしてリズムが合わず、嫌気が差してしまったのが前走の敗因かな。レース後はすぐに息が入ったように全く力を出し切っておらず参考外の1戦だよ。この中間は放牧に出さずに厩舎で調整。最後まで気持ちを切らさずに頑張ることを教え込んだし、26日と2日には蝦名騎手に感触を掴んでもらうなどやれることは全てやった。トリッキーな中山よりも東京の方がリズム良く走れるし、能力的にはここに入っても見劣らないと思っている」と巻き返しに期待を込めた。 前走は繰り上がりながらも2連勝としたサトノオー(牡、美浦・藤沢和)。先着入線されたレッドデイヴィスはその後重賞ウィナーとなり、不利を受けながら差のない競馬をした本馬も重賞クラスの力があると仮定もできる。9日の美浦坂路では51秒8?38秒3?25秒4?13秒1。クラストゥス騎手が騎乗し、3頭併せの真ん中から、力強いフットワークで一直線に伸びた。併せたダンスファンタジアには先着を許したが、こちらは鞍上の手がまったく動かない馬なり。中間も古馬をアオる動きを見せており、デキに関しては太鼓判を押せるだろう。 そのダンスファンタジア(牝、美浦・藤沢和)はクイーンCで1番人気となりそうな有力馬。追い切りは計時エラーとなったが、併せ相手の上記サトノオーと同等の時計が出ていると想像はつく。反応良く、いい動きを見せており、ここを照準に乗り込み仕上がりは良さそう。東京コースもデビュー2戦でのパフォーマンスを見ればプラス材料。ここでは無様な競馬は見せられないはずだ。 ジュニアCを勝ったデルマドゥルガー(牝、美浦・堀井)の陣営は「前走はかなり強引な競馬になってしまい、直線はさすがに少しモタれていたが、1勝馬同士とはいえ牡馬相手にオープンを勝ったのだから大したものだね。中山コースのマイルに適性があるんだと思う。レース後は厩舎で調整しているが、具合が良いのでここを使うことにした。1週前の調教が抜群だったように、引き続き良い雰囲気を保っているよ。東京では3走前に7着と敗れているが、1400mは忙しかったし、マイルなら違った競馬ができると思う。相手は強化されるが重賞でどこまでやれるか楽しみ」と話していた。 阪神JF2着と重賞実績を残しているホエールキャプチャ(牝、美浦・田中清)の追い切りには、わざわざ栗東から池添騎手が駆けつけた。同騎手が跨った9日の美浦坂路では49秒2?35秒6?23秒7?12秒2と、先週に引き続き3歳の一番時計をマーク。古馬との併せ馬を消化し、一杯に追われる相手に手応えは十分。追い出してからの反応も鋭く、ラストはきっちりと先着を果たした。柔らかみのあるフットワークで、仕上がりの良さが目立っている。 カトルズリップス(牝、美浦・杉浦)については藤田助手から「前走後は放牧に出してここを目標に調整をしてきた。帰厩後は順調に攻め馬をこなし仕上がりは上々だよ。ブリンカーを着用しているように実戦では真剣に走らない面があるが、持っている能力は相当秘めている。切れる脚がないだけに今回も前々の競馬になると思うが、並ばれた方が持ち味が活きるだけに、馬場が渋ってくれた方が嬉しい。決めて勝負になったらダンスファンタジアには勝てないが、雨でも降って切れ脚が鈍る馬場になれば逆転も十分可能だよ」と話が聞けた。 ユースティティア(牝、栗東・宮本)の宮本師は「前走後はリフレッシュ放牧。先週のポリトラックの追い切りは、放牧から帰って5日目。それであれだけの時計が出るんだから、やはり素質はあるんだね。体重は変わらないと思うけど、放牧前より背が伸びていい体つきになっている。初めての長距離輸送になるけど、大山(牧場)までの4時間は全く問題ないので、大丈夫だと思います。右回りだと少しモタれる面があるので、左回りもいいと思う。以前、乗ってくれていた福永騎手も、左回りの方がいいと言ってくれていたからね。未勝利戦をなかなか勝てなかったけど、未勝利戦の中でもずっと強いところと戦ってきたし、ここでも頑張って欲しいね」と話してくれた。 その他のレースについてはポイントだけにとどめるが、つばき賞はなかなかの好メンバー。京都2歳S2着、京成杯3着とオープン実績を残すプレイ(牡、美浦・斎藤)や素質を高く評価されているヌーベルバーグ(牝、栗東・音無)。また、エーシンミズーリ(牡、栗東・坂口則)やダノンシャーク(牡、栗東・大久保龍)などは比較的ハイレベルの未勝利戦を上位で勝負してきただけに、このクラスでも通用してくるだろう。 萌黄賞のアフォード(牡、栗東・北出)は昨秋福島の新馬勝ち以来の登場。その新馬戦はレコード勝ちで、今週クイーンCに出走しているラテアートを3着に退けていた。ここは注目の2戦目だ。またミヤジエムジェイ(牡、栗東・岩元)は前走で今回と同コースのかささぎ賞を2着。未勝利勝ち以降、ずっと小倉を使っているぶん、小倉では安定して力を発揮しそうだ。 500万条件では土曜東京7Rのジャービス(牡、美浦・藤沢和)に注目。津曲助手からは「前走は1コーナーまでに他馬と接触して、エキサイトしてしまいました。あれが実力ではありません。東京の1400mならスピードで押し切れます」と話してくれた。 その他、日曜東京6Rでは500万戦で2着が続くケイアイヘルメス(牡、美浦・田村)、日曜京都6Rは新馬戦でホエールキャプチャを退けているジョーアカリン(牝、栗東・村山)が登場。前者については田村厩舎のブログもチェックしておいていただきたい。 そして、今週の新馬戦の注目といえば、なんといってもこの馬。今年のPOGでも高い人気で、UMAJIN-POG指名馬人気ランキングでも8589名の指名を受け堂々1位のトーセンレーヴ(牡、栗東・池江郎)が土曜京都6Rに登場する。毎年人気となる母ビワハイジに注目の新種牡馬ディープインパクトというカップリングで血統的魅力も高く、セレクトセールでは2億2000万の値をつけた。爪を傷めるなどのアクシデントでデビューはこの時期となったが、最終追い切りでは栗東坂路で52秒5、終い12秒1と素晴らしい反応を見せ、併走馬に楽々と先着。池江寿も「放牧に出す前の馬体が沈む走りが出てきたし、納得して送り出せます」と話しており、馬が馬だけに中途半端な状態では出せないという意気込みが感じられる。とにかく話題の1頭なのでそのデビュー戦は観ておくべきだろう。 また、同レースでトーセンレーヴの相手候補としてダヴィンチバローズ(牡、栗東・武田)も紹介しておきたい。こちらもディープ産駒で立花助手からは「目立つほどの時計は出していないが、凄くいい雰囲気を持った馬。追ってからがしっかりているね。500キロぐらいあってディープ産駒にしては馬格もある。走ってくれないと困るよ」とヒットコメントがあった。 日曜東京2Rではメイショウゴウヒメ(牝、美浦・小島太)に注目。先週除外されて、予定通り牝馬限定戦を使えることになった。小島太師は「1週延びたことで、ちょうどいい仕上がりとなった。稽古の動きから能力は高く、気性も素直で乗りやすい。スピードタイプだから短距離は合いそうで、牝馬同士なら勝ち負けだ」と自信を持っていた。 ★共同通信杯の出走表・指数Xはこちらから ★クイーンCの出走表・指数Xはこちらから