おしらせ
【今週の重賞】[菊花賞]ステラヴェローチェが万全の状態で最後の1冠狙う
■10月24日、阪神競馬場で第82回・菊花賞(GI、芝3000m)が行われる。
例年京都芝3000mが舞台となるが、京都競馬場改修工事のため、今年は阪神芝3000mでの開催となる。毎年菊花賞での3000mは3歳馬にとって未知の距離となるが、今年は最後の直線に急坂がある阪神競馬場とあって、例年よりもタフな戦いとなりそうだ。
皐月賞、ダービーで3着し、前哨戦の神戸新聞杯を勝ったステラヴェローチェ(牡3、栗東・須貝)が最有力候補か。前走の神戸新聞杯は雨が降りしきる不良馬場。ダービー馬シャフリヤールが1.8倍のダントツ人気を背負い、ステラヴェローチェは3.0倍の2番人気に甘んじたが、馬場問わず遺憾なく力を発揮するステラヴェローチェが上がり最速の脚を使って差し切り勝ちを収めた。秋の始動戦にプラス18キロも馬体を増やして現れ、タフな戦いを力強い走りで完勝と、底知れぬ力を見せつけるレースとなった。1週前追い切りでは、古馬1勝クラス(一杯)を3馬身追走し、直線で強めに追われて5馬身半の先着。CW6F82秒3-1F11秒9をマークし、前にいた組も抜き去りそうな鋭い動きと勢いだった。万全の状態で最後の1冠を狙う。
ダービーで11着に惨敗したレッドジェネシス(牡3、栗東・友道)は、秋初戦の神戸新聞杯で2着に好走。ステラヴェローチェとの追い比べでねじ伏せられたが、タイム差なし、3着に3馬身差つけての2着であれば十分な内容。GIに向けて弾みをつけた。同馬は父ディープインパクト×母父ストームキャットらしく鋭い末脚を持つ一方、母系に内包するサドラーズウェルズの血も受け継ぎ、前走のような不良馬場も苦にしないパワーとタフさを併せ持っている。今年の菊花賞の舞台となる阪神芝3000mは向正面からスタートしてゴール前の急坂を2回通る1週半のコース。スタミナに加えて速い上がりが求められるので、同馬の適性にあった舞台と言えるだろう。ポジションが後方すぎると仕掛けが間に合わないので、位置取り次第でこの大舞台でも勝ち負けとなりそうだ。
骨折により春のクラシック不出走となったオーソクレース(牡3、美浦・久保田)は、最後の1冠を奪取すべくセントライト記念から始動。その復帰戦・セントライト記念では皐月賞2着のタイトルホルダーなど6頭のクラシック出走組が揃った中で3着に好走した。久々でコンディションも完璧ではなかったことを思えば、上積みは大きいだろう。エピファネイア産駒なので父母にシーザリオ、母は宝塚記念、エリザベス女王杯勝ちなどのマリアライトと名牝が重ねられた良血馬。長距離もこなせる素質を持ち合わせており、混迷を極めるここでも割って入れる力はありそうだ。引き続きC.ルメール騎手が手綱を取るのも好感で、今後の活躍のためにも好走を期待したい。
牝馬から挑戦するのは、こちらもエピファネイア産駒のディヴァインラヴ(牝3、栗東・斉藤崇)。不良馬場の新馬戦はローズS3着、秋華賞で0秒6差の7着だったアールドヴィーヴルや現在3勝クラスのヴィジュネルがいた中で4着と、初戦からまずまずな走りを見せた。その後の1600mの未勝利戦では距離が短かったため、思うような末脚を使えず足踏みしたが、夏の小倉芝2600mでは福永騎手を鞍上に迎えると、先行して上がり最速の脚を使って勝利。前走の木曽川特別でも先行して上がり2位の末脚を使い、牡馬を蹴散らして2連勝を飾る勢いだ。1986年以降、牝馬の参戦は3頭のみで、95年ダンスパートナー、19年メロディーレーンが5着に善戦し、09年ポルカマズルカは17着敗退。牝馬の時代と言われる近年でもダート戦と長距離戦はまだ牡馬には敵わないが、過去3頭中2頭が5着ということは現代だからこそ、それ以上の着順を期待してもいいかもしれない。
長距離に適性を見出しつつあるモンテディオ(牡3、栗東・四位)は、前走神戸新聞杯で3着し、見事権利を掴み取って菊花賞へ出走する。新馬3着、未勝利クラスで2着3回と勝ち上がるまでに時間を要したが、そこで負けたのは京都新聞杯2着のルペルカーリア、現在2勝クラスでメドをつけているワンデイモアやジオフロントといったハイレベルな相手。それで2着死守なら十分に能力はある。モンテディオは、これまでの11戦中10戦が2000m以上の距離に出走し、夏に勝った1勝クラスも2600mとスタミナ豊富。末脚も11戦中7戦で3F上がり3位以内と安定感もある。豊富なスタミナと安定感ある末脚は今年の菊花賞の舞台に向きそうだ。四位師に初の重賞タイトルをプレゼントできるか注目だ。
タイトルホルダー(牡3、美浦・栗田)は、1番人気に推されたセントライト記念で13着に敗退。ただし、勝負どころで手応え十分ながら直線では前が壁になり、内外にも動けない状況に陥ったため、能力を出し切っての敗戦ではない。ムキムキの馬体から3000mの距離が課題となりそうだが、皐月賞で2着、日本ダービーで6着に駆けた世代上位の力は無視できないところ。すんなりした競馬ができるようなら最後の1冠で反発がありそう。
ほか、セントライト記念で見事な差し切り勝ちを収めたアサマノイタズラ(牡3、美浦・手塚)、器用に立ち回り最後は馬なりでゴールしてラジオNIKKEI賞を制したヴァイスメテオール(牡3、美浦・岩戸)、春のクラシックは苦い思いをしたが、すみれSやエリカ賞といった阪神内回りで実績があるディープモンスター(牡3、栗東・池江)なども、ビッグタイトルを虎視眈々と狙う。
(Text:Funaki)
▽【関連リンク】
■【先週の結果】「覆面馬主1号」氏最高潮!先々週27万馬券炸裂⇒秋華賞[◎▲注]で3連単2万6410円ズバリ!
■【Weekly POG2021⇒2022】先週の結果を公開中!
■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ